エコキュートを導入するなら!知っておきたいエコキュートの節約術について

今回は、家庭の給湯器としてエコキュートを選択する場合、皆さんがおさえておきたいエコキュートの節約術についてご紹介していきたいと思います。

エコキュートは、電気を使ってお湯を沸かす給湯システムで、電力会社が用意している深夜帯の電気料金が安くなるプランを活用して給湯コストを下げられるというものです。日本国内に広く普及しているガス給湯器に関しては、蛇口をひねったその場で瞬間的にお湯を作るのですが、エコキュートはあらかじめ沸かした熱湯を貯湯タンクに貯めておき、給湯の際に水と混ぜて適温状態にして供給するというシステムです。つまり、一時的に貯め置きできるという仕様から「電気代が安い時間を中心にお湯を沸かす」という使い方ができ、給湯コストを下げられるわけですね。

しかし、お湯の供給時に「水を混ぜて適温にする」という仕組みになっていることから、季節によって細かくエコキュートの設定を変えた方がより節約効果が得られるということを見落としている方が非常に多いように思えます。当然、夏と冬では水道水の温度は大幅に違ってしまいますし、何も考えずに使用していると、年間で5000円近くも損してしまっているかもしれません。
そこでこの記事では、エコキュートをよりお得に使用するため、皆さんが知っておきたい代表的な節約術をご紹介します。基本的に、エコキュート側の機能を上手に活用するだけですので、難しいものではありません!

エコキュートの節約術いろいろ

それでは、エコキュートの電気代を少しでも節約するため、皆さんがおさえておきたい方法をご紹介していきましょう。エコキュートは、日々の使い方に関しても細かな設定ができますので、その設定一つで電気代がかなり違ってしまう場合があります。エコキュートメーカーの公式サイトなどには、エコキュートの運用にかかる平均的な電気代などが紹介されていますので、その金額よりも高くなっている…というのであれば、以下の方法を試してみましょう。

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節約術① 貯湯タンクの設定温度を工夫する

エコキュートの電気代を下げたいと考えるのであれば、貯湯タンク内のお湯の沸き上げ温度に注目すると良いでしょう。

上述したように、エコキュートから供給されるお湯は、タンクに貯め置きした熱湯に水道水を混ぜて適温に調整しています。つまり、季節によって水道水の温度が異なることから、貯湯タンク内の沸き上げ温度を細かく設定してあげることが大切なのです。例えば、夏場は水道水の温度も高くなっていますので、タンク内の温度が高すぎる場合、適温にするためにたくさんの水を使ってしまうことになります。また貯めていたお湯はあまり使わなくなりますので、余ってしまうことになり電気代も水道代も無駄にしてしまう訳です。

エコキュートを最もお得に使いたいと考えるのであれば、夏場の沸き上げ温度は65℃程度の低温に設定しておくのがオススメです。また、お湯をあまり使わないというご家庭であれば、沸き上げ量なども「少なめ」にしておくことで、無駄な電気代を使わずに済みます。季節や家族構成、ライフスタイルなどに合わせて、最適な沸き上げ温度と量を見極めることが大切と覚えておきましょう。

なお、エコキュートの沸き上げ温度低くくしたり、湯量を少なくする場合、運転モードを『節約モード』にする必要があります。

節約術② 給湯温度については『50℃』が省エネと言われる

さまざまなサイトでも紹介されていますが、エコキュートは給湯温度を『50℃』に設定しておくことが最も省エネ効率が高いと言われています。

これは、エコキュートから実際に給湯を行う際、タンクから蛇口に届くまでに、3℃程度温度が下がるからだそうです。お風呂でシャワーを浴びる時には、蛇口をひねればお湯が出ますよね。しかし、当然シャワーヘッドのすぐ後ろでお湯を沸かしているわけではなく、エコキュートのタンクまではそれなりの距離があるのです。そして、給湯配管を通って蛇口に届くまでに温度が3度ほど低下しており、50℃に設定しているのであれば、47℃程度のお湯が出るわけです。

こう聞くと「47℃は熱すぎるでしょ…」と思うかもしれませんが、実際に使用する時には。混合水栓で適温にしてシャワーを浴びれば良いだけです。混合水栓を使えば、水道水の水圧も加わりますので、エコキュート特有の「シャワーの水圧が弱い…」という問題も解消できるはずです。給湯温度は、自分が適温と考える温度に設定してしまう人が多いのですが、その場合、蛇口から出るお湯を温く感じてしまい、余計な湯量を使ってしまったり、水圧に不満を感じてしまうなどの危険があります。したがって、少し高めに設定し、適温に調節するのが最も節約できる方法と考えて下さい。

節約術③ 沸き上げ時間に注意!

冒頭でご紹介したように、エコキュートは電力会社が用意している深夜帯の電気代が安くなるプランを活用することで給湯コストを下げられる給湯器です。しかし、この電気料金プランは、昼間の電気代が割高になってしまう…という弱点を持っており、昼間に湯切れを起こしてしまい、沸き増しが必要になれば、節約効果を十分に得られなくなってしまうのです。

特に最近のエコキュートで注意したいのは、日々のお湯の使用量を自分で学んで、一定以下の湯量になった時には勝手に沸き増しするような便利機能が搭載されていたりします。この機能は、お湯が必要な時に必ずお湯が出るという点では非常に便利なのですが、電気代が高い時間帯でも関係なしで沸き増ししてしまう…といった感じで、節約面では弱点になってしまうのです。つまり、できるだけ給湯コストを抑えたい…と考えるのであれば、こういった機能はOFFにして、深夜時間帯にしかお湯を沸かさないようにするのがオススメです。
なお注意しておきたいのは、電力会社や料金プランによって電気代が安くなる時間帯が異なるということです。23時から安くなる場合や24時からなどと、契約プランや地域によって異なりますので、自分の料金プランの詳細はきちんと押さえておきましょう。

注意
太陽光発電など、自家発電した電気でお湯を沸かしている場合は、この方法は無視して構いません。

ライフスタイルに合わせた設定をきちんと考える

ここまでは、どのようなご家庭でも電気代の節約に役立てることができる節約術をご紹介しました。しかし、各家庭によってライフスタイルが異なりますので、エコキュートの細かな設定に関しては、「これが正解!」というものがないのも事実です。例えば、家族全員がスポーツをして頻繁にシャワーを浴びるご家庭と、夫婦二人でそこまでお湯を使わない…というご家庭が、全く同じ設定にしてはいけないということは分かりますよね。

ここでは、エコキュートの電気代を安くするために知っておきたい細かな設定をいくつかまとめてご紹介しておきます!

  • 『沸き上げ休止モード』を活用する
    良く家を空けるご家庭であれば、『沸き上げ休止モード』を活用するのがオススメです。お湯を使わない日に、沸き上げしても電気代が無駄になりますので、こういった機能を利用しましょう。
  • 「追い焚き」より「高温たし湯」の方が節約できる
    お風呂のお湯がぬるく感じた時には「追い炊き機能」が便利ですよね。しかしエコキュートの場合は、「高温足し湯」の方が節約できると覚えておきましょう。追い炊きは、タンクの熱湯の熱を利用して温め直す機能ですので、タンク内の温度が下がってしまい余計な電気代がかかってしまいます。高温足し湯は、足し湯するだけですので、余計な電気代もかからずに温め直すことができます。
  • 「昼間の自動沸き増し」を停止
    日々のお湯の使用量は、どの家庭でも大きく変わることはないですよね。したがって、適切なタンク容量の物を選んで、上述した設定温度や湯量などの調整ができたら、「昼間の自動沸き増し」を停止したほうがお得になります。来客で普段よりもお湯を使いそう…という場合は、多めに沸かしておくか「昼間の自動沸き増し」をONにした方が良いのですが日常生活の中では、余計な沸き増しをできるだけしないようにするのが節約のコツです。

まとめ

今回は、エコキュートを導入しようと思っている方に向け、エコキュート使用時の節約術をご紹介してきました。エコキュートは、「深夜電力を利用して給湯コストを下げられる給湯器!」などと紹介されるため、誰が使ってもお得な給湯システムだと考えられています。もちろん、電力会社の料金プランなどを上手に活用すれば、給湯コストの節約効果が非常に高い設備なのは間違いないと思います。しかし、エコキュートを導入しているご家庭でも、その能力を最大限活用できているのかというと、そうでもないのが実情だと思います。

実際に、ネットでエコキュートについて検索してみると「予想よりも節約できなかった…」なんて情報を見かけることも少なく無いですよね。これに関しては、上述したような適切なエコキュートの設定などを無視して利用している可能性が考えられます。現在、エコキュートにしたのに、電気代削減効果がイマイチだ…とお悩みの方がいれば、エコキュートの運用方法を見直してみるのも良いと思いますよ。

なお、エコキュートは、全てのご家庭にとって給湯コストを下げられる機器ではない…ということは理解しておきましょう。上述したように、深夜帯の安い電気代を活用する設備なのですが、この料金プランは昼間の電気代がかなり高く設定されています。つまり、昼間も在宅していることが多く、電気をよく利用する…というご家庭であれば、給湯コストは下がっているけれど、その他の部分で電気代が高くなってしまっている…なんて危険もあるのです。特に、新型コロナウイルスの影響で、在宅時間が増えた今、オール電化用の料金プランは電気代を上げてしまう危険があると考えましょう!