エコキュート使用時の注意点!使い方によっては寿命を縮めてしまいます…

今回は、エコキュートをできるだけ長く使用するために、使用上の注意点をご紹介していきたいと思います。

エコキュートは、電気でお湯を作るタイプの給湯システムで、ヒートポンプユニットと貯湯タンクが一体になった給湯器となります。この給湯システムは、設置のために広いスペースを必要とするのですが、貯湯タンクが備わっているということで、深夜の電気代が安い時間にお湯を作り置きし、それを日中に使用することで大幅に家計にかかる給湯コストを削減することが可能です。また、ガス給湯器のように給湯の際、CO2を排出することがありませんので、地球環境にも非常に優しい給湯器として注目されています。

特に最近では、家庭に必要なエネルギーを全て電気でまかなうようにするオール電化住宅も増加しており、それに合わせて給湯システムをエコキュートにするという方が増加しています。当然、エコキュートに関しても、他の給湯システム同様に、製品的な耐用年数がありますので、使用していればいずれ買い替えが必要になります。一般的には、10~15年程度がエコキュートの寿命と言われているのですが、導入しているご家庭の使い方によっては、これよりも長くなったり、逆に短くなったりするものなのです。給湯システムは、私たちが生活するうえで、絶対に必要になるものですので、できるだけ故障もなく、長く使えるのに越したことはないですよね。そこで今回は、エコキュートの寿命を縮めてしまう使い方や、寿命をのばすために注意したいポイントをご紹介します。

エコキュートの寿命を縮めてしまう条件は?

エコキュートは、上述したように10~15年程度が耐用年数と言われています。ただし、販売開始が2001年ということもあり、まだまだ寿命に関するデータ量は少なく、正確な数字とは言えないのが現状です。メーカーでも、その人気の高さから開発が進み、性能もどんどん向上していますので、前述の耐用年数よりも長く使用できる場合も多々あることでしょう。
しかし、使い方を一つ間違ってしまうと、エコキュートの寿命を縮めてしまうこともありますので注意が必要です。ここでは、いくつかのエコキュート使用上の注意点をご紹介しておきます。

水質がエコキュートの寿命に影響を与える…

あまり意識する人はいませんが、ご家庭で使用する水の水質はエコキュートに影響を与え寿命を減らしてしまう恐れがあるのです。特に注意が必要なのは、温泉水、地下水、井戸水、硬水を使用する地域で、こういった水を使用する場合には、メーカーも通常の寿命を保証していないのです。当然、水質が原因でエコキュートが故障した場合、無償保証が利用できませんので、こういった地域でエコキュートを利用する場合には、あらかじめ有償延長保証などに加入しておくのがオススメです。
近年では、地下水や井戸水に対応したエコキュートも存在していますので、地下水や井戸水を利用しているご家庭であれば、そういったタイプのエコキュートを導入しておくのがオススメです。そうすれば、水質を原因にメーカー保証が受けられない…なんてこともないので安心してエコキュートを利用することができます。

入浴剤がエコキュートの寿命に影響を与える…

お風呂に入る時には、必ず入浴剤を使用している…という方は多いのではないでしょうか。しかし、エコキュートを使用する場合には入浴剤に注意する必要があります。エコキュートの取り扱い説明書にも記載されているのですが、入浴剤の中には使用を禁じられているタイプのものがあるのです。エコキュートの寿命に影響を与えてしまう危険がある入浴剤の特徴は以下のようなものです。

  • にごりタイプの入浴剤
  • 硫黄、酸、アルカリ、塩分を含む入浴剤
  • 薬草、ゆず、茎など固形物
  • ミルク成分を含むとろみ系の入浴剤
  • 炭酸カルシウムを含みにごり湯にする入浴剤

上記のような入浴剤は、エコキュートの寿命に悪影響を与える可能性があるため、使用しない方が良いでしょう。なお、エコキュートのメーカーや機種によって使用可能な入浴剤のタイプが異なりますので、どういった物が使用できるのかは、購入時に付属されている取扱説明書で確認しておきましょう。

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使用地域がエコキュートの寿命に影響を与える…

エコキュートは、使用する地域の特性によって寿命に悪影響が出る場合もあります。特に注意が必要なのは、海の近くの塩害地域や寒い地方の寒冷地です。こういった場所にお住まいの方は、それぞれ専用タイプのエコキュートが存在していますので、そういったタイプの製品を選ぶようにしましょう。
仮に、上記のような地域で通常のエコキュートを購入してしまった場合には、塩害や寒冷地対応がなされていないため、故障の確率が大幅に上昇してしまい、本来の耐用年数まで使えることはないと思います。したがって、塩害地域では『耐塩害仕様』、寒冷地では『寒冷地向け』と記載されているタイプのエコキュートを選ぶようにしましょう。

エコキュートの寿命をのばすためにはどうすれば良い?

それでは、エコキュートをできるだけ長く使用するためのコツもご紹介しておきましょう。エコキュートを最低でも耐用年数分は故障もなく使用したいと考えるのであれば、最も重要になるのが『日々のお手入れ』です。エコキュートは、電気部品が多く使われている複雑な設備のため、お手入れやメンテナンスを怠ってしまうと、本来の耐用年数よりもかなり早く寿命を迎えてしまう危険があります。逆に、日々のお手入れをきちんとやっておくだけで、10年を超えても何の故障もなく使用できているという方も多いのです。
以下で、いくつかのエコキュートに関するお手入れ方法をご紹介しておきます。

定期的に貯湯タンクの水抜きをする

エコキュートの貯湯タンク内は、実際に見ることなどあまりありませんが、何のお手入れもせずにいると水道水の不純物がタンクの底に溜まり、ゴミ・湯ドロとしてお湯に交じってしまいます。貯湯タンクはステンレス製ですので、電気温水器と比較すると雑菌などが繁殖する心配は少ないのですが、それでも半年に1回程度はメンテナンスとしてタンクの水抜きが必要です。水抜き手順は、基本的に以下の手法で行ってください。
※機種ごとに手順が微妙に異なる場合がありますので、詳細は購入時に付属されている取扱説明書をご確認ください。

  1. 貯湯タンクの下部カバーを外し、給水配管用の水栓を閉めてください。
  2. 貯湯タンクの中央上部に付いている『逃し弁カバー』を開け、逃し弁を手前に起こしてください。
  3. 貯湯タンク下部に付いている排水栓を、約1~2分間開けてください。
    ※排水を流す排水ホッパーが設置されている場合、あふれないように排水してください。
  4. 約1~2分経過したら、排水栓を閉じてください。
  5. 給水配管用の水栓を開けてください。
  6. 排水口から勢いよく水が出ることを確認し、②で起こした逃し弁のレバーを戻します。

タンクの水抜きは上記の流れで行います。ただし、購入してから何年もの間、一度も水抜きをしたことが無い…という場合、既に汚れが溜まり過ぎてしまい、水抜きだけでは汚れを洗い出すことができません。したがって、「何年も水抜きを放置していた…」という方は、ひとまず専門業者に貯湯タンクの清掃を依頼し、その後、定期的に自分で行うのが良いでしょう。

ヒートポンプの水抜きも重要

ヒートポンプユニット内部の水抜きは、ヒートポンプユニットを長持ちさせるためには重要です。ヒートポンプユニットの水抜きは「空気抜き」とも呼ばれるのですが、これを怠るとヒートポンプユニットの故障原因になってしまいます。一般的に、年に2~3回程度行うのが良いと言われています。手順は以下を参考にしてください。
※機種ごとに手順が微妙に異なる場合がありますので、詳細は購入時に付属されている取扱説明書をご確認ください。

  1. ヒートポンプユニットについている水抜き栓をすべて1回転以上回して開いてください。
  2. 1分間以上、水が出ることを確認してください。このとき、水抜き栓は抜かないでください。
  3. すべての水抜き栓を閉じて、完了です。

エコキュートの周りに物を置かない

通常、エコキュートは屋外に設置されます。設置から数年たつと、家族構成などの変化もあり、エコキュートの周りに荷物が増えていくことも考えられます。しかし、エコキュートのヒートポンプ周りに物を置いて、側面・背面の吸込口や正面の吹出口を塞いでしまうと、エコキュートの性能低下や故障の原因となってしまう場合があります。したがって、エコキュートを長く故障もなく使用したいと考えるのであれば、エコキュート周辺には何も置かないでスペースを確保しておくのが大切です。

まとめ

今回は、エコキュートを使用する場合、寿命を縮めてしまう条件や、できるだけ長く使用するためにおさえておきたいポイントをご紹介しました。エコキュートに関わらず、どのような給湯器だとしても、経年で劣化してしまい、いずれ寿命を迎えて買い替えが必要になるのは間違いありません。しかし、いずれ寿命が来るとしても、出来るだけ長く使用したいと誰もが考えるものでしょうし、本稿でご紹介した内容は是非覚えておきたいポイントだと思います。
こういった設備に関しては、購入すれば終わりだと思っている方がいますが、実は使用中に小まめにメンテナンスしてあげることが非常に重要になるのです。特に貯湯タンク内の汚れについては、お風呂のお湯の汚れにも直結する問題ですので、清潔な状態を絶対に保っていなければいけません。少し面倒に思うかもしれませんが、とても重要なこととなりますので、『エコキュートのこまめなお手入れ』を忘れないようにしましょう!