エコキュートの設置工事はどれぐらい時間がかかるの?

今回は、エコキュートの設置工事に「どの程度の時間がかかるものなのか?」について簡単にご紹介していきたいと思います。エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクが一体となった給湯システムで、ガス給湯器などと比較すると、かなり大型の設備となるため、設置工事も大掛かりになってしまいます。そのため、エコキュートの購入に関するお問い合わせを受けて現地調査に行ったときには、「設置工事はどの程度の時間がかかるものなの?」と言った質問を受けることが多いです。

もちろん、エコキュートの設置を行う場所の条件などによって必要になる日数は異なるのですが、ここでは、一般的な条件の住宅に関するエコキュート設置工事の工程と必要日数をご紹介していきたいと思います。なお、エコキュートの導入パターンでは、ガス給湯器など、他の給湯器を利用していたご家庭が新規にエコキュートを導入する場合と、古くなったエコキュートを入れ替えるというパターンがありますので、この記事では両方の設置工事についてご紹介しておきます。現在、エコキュートへの入れ替えをご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

エコキュートの新規設置の場合

まずは、他の給湯器からエコキュートへの入れ替えを決めたご家庭のパターンからです。ガス給湯器は、小型化が進んでいますので、壁掛けで設置できるなど、工事も非常に簡単です。しかし、エコキュートは貯湯式の給湯システムで、水が満タンまで入った貯湯タンクは、数百kgの重さになってしまうのです。そのため、エコキュートを新規設置する場合には、そういった重みに耐えられるように基礎工事からする必要があります。

こういった理由もあり、エコキュートの新規設置は『基礎工事(1日)+設置工事(1日)』の計2日間の工事になるのが一般的です。作業は、近隣住宅への配慮もありますので9時スタートで17時に終了するといった感じです。主な工事の流れは以下のような感じになります。

STEP1 設置場所の確認

エコキュートを新規設置する場合、まずは設置予定場所の確認を行います。上述したように、エコキュートはそれなりに大きな設備となりますので、設置できるだけのスペースが確保できるのか、また重みに耐えられる地盤なのかと言った事を確認する必要があるのです。他にも、エコキュートは深夜に稼働するという特徴から、振動音で騒音トラブルになる可能性があります。したがって、近隣に迷惑の掛からない場所を探すという目的もあります。

まずは、お客様の希望する設置場所を確認し、その場所で設置ができるのかどうかを判断します。お客様指定の場所に設置するのが難しい場合、こちらから設置に適した場所のご提案をいたします。なお、どうしても設置が難しい…なんてケースもありますので、本体を購入する前に必ず「設置可能か?」を業者に確認してもらいましょう。

STEP2 基礎工事

導入する機種が決まったら、実際の工事の工程に進みます。まずは、エコキュート本体を設置するための基礎工事からスタートします。エコキュートの貯湯タンクは、空の状態でも100kg程度の重さがあり、ここに水が入ると600kg以上の重さになる場合もあるのです。したがって、地震や台風などの自然災害があっても、転倒事故などが起こらないよう、しっかりとした基礎を作る必要があります。

エコキュートの基礎は、現場打ちで一から作る場合と、エコベースと呼ばれる既製品を配置するという2パターンがあります。これは、エコキュート設置予定場所の地盤の強さによって業者が決定します。悪徳業者の中には、不安定な地盤のままエコキュートを設置してしまい、数年使っていると傾いてきた…なんてケースもあります。この工程は、安全のためにも絶対に必要な工程ですので、しっかりと基礎を作ってくれているかは確認しておきましょう。

STEP3 既存の給湯器の撤去

次は、もともと使用していた既存給湯器の撤去です。この工程自体は、使わなくなった給湯器を撤去するだけですので、お客様にはほとんど関係がありません。

注意が必要なのは、エコキュートに合わせてコンロもIHクッキングヒーターにするといったオール電化の場合、工事完了後はガスを使わなくなりますので、忘れずにガス会社との契約を切るということです。ガスは、使用していない場合でも基本料金がかかってしまいますので、放置してしまうと損です。
なお、給湯器を撤去した後の外壁には、固定のためのビス穴などが開いています。これを放置してしまうと、水が侵入し、外壁の劣化を早めてしまうことになります。しっかりと雨仕舞してもらうようにしましょう。

STEP4 エコキュート本体の設置、配管・配線

基礎が固まっていれば、エコキュート本体の設置を行います。貯湯タンクなどは、きちんと水平を取り、地震などの揺れでもびくともしないよう、基礎の土台にボルトでしっかりと固定します。

また、エコキュートの設置時には、配管の切り回しもしなければいけません。本体と給水給湯などの配管を接続したり、配線工事などの電気工事も進めていきます。なお、冬場は極端に気温が下がるような場所であれば、配管凍結の心配がありますので、配管の保温工事も同時に行ってもらうのがオススメです。配管凍結は、稀に配管の破裂まで引き起こしてしまいますので、地域によっては凍結防止の保温工事が必要です。

STEP5 浴室・台所リモコンの設置

台所と浴室にエコキュートの操作用リモコンを設置し、本体との配線工事を行います。ガス給湯器用のリモコンは、この時に撤去します。エコキュートのリモコンは、シンプルで使いやすい設計になっているのですが、最初のうちは操作に迷ってしまうことも多いと思います。基本的に設置時にリモコンの使用方法などは説明しますが、分からない場合は業者に問い合わせてみましょう。

なお、配線工事完了後、エコキュート本体に脚部カバーの取り付けます。この作業で、配管などがむき出しにならず、見た目も綺麗に収まります。

STEP6 試運転

設置工事完了後は、エコキュートの試運転を行います。試運転時には、よく利用する機能などの操作方法も説明します。

業者によっては、操作方法の説明などを何もしない…なんて場合がありますので、最初の段階で操作方法の説明があるのかを確認して契約するのがオススメです。

古いエコキュートの交換の場合

次は、もともと使っていたエコキュートが寿命を迎えてしまい、新しいエコキュートに交換するというパターンです。エコキュートは、しっかりとメンテナンスを行っていたとしても、10~15年程度が寿命と言われていますので、いずれ必ず交換が必要です。こういった場合、もともと使用していた基礎が利用できますので、新規設置に比べれば、工事期間は短くなります。一般的に、エコキュートの交換の場合、半日~1日で工事が終わるというケースがほとんどです。

なお、希望するエコキュート本体の在庫が無く、メーカー取り寄せになってしまう場合には、工事期間に「取り寄せ期間(2~3日)」がプラスされます。したがって、故障してから交換となると、数日間お湯が使えなくなる…なんて可能性がありますので、注意しましょう。

STEP1 既存エコキュートの撤去

まず最初に、既存エコキュートの撤去を行います。本体だけでなく、電気配線や配管なども基本的に撤去にします。なお、この工程は、タンクからの水抜きや配管内の水を抜く必要がありますので、それなりの時間がかかってしまいます。

撤去したエコキュートの処分について、見積り外とされる場合がありますので、事前の打ち合わせの際に「既存エコキュートの処分費も含まれているのか?」きちんと確認しておきましょう。

STEP2 エコキュート本体の設置、配管・配線

ここからは、エコキュートの新規設置とほとんど同じ流れになります。なお、エコキュートの基礎については、既存基礎が再利用できますので、それを使用します。既存エコキュートを固定していたボルト穴については、コーキングなどでしっかりと埋めてもらうようにしましょう。穴が開いたままだと、雨水がたまってしまい、基礎の劣化を早めてしまいます。

新規設置時と同じく、エコキュートの設置時には、配管の切り回しもしなければいけません。本体と給水給湯などの配管を接続したり、配線工事などの電気工事も進めていきます。なお、冬場は極端に気温が下がるような場所であれば、配管凍結の心配がありますので、配管の保温工事も同時に行ってもらうのがオススメです。配管凍結は、稀に配管の破裂まで引き起こしてしまいますので、地域によっては凍結防止の保温工事が必要です。

STEP3 浴室・台所リモコンの設置

台所と浴室にエコキュートの操作用リモコンを設置し、本体との配線工事を行います。エコキュートからエコキュートへの交換ですので、基本的な操作に困ってしまうようなことは少ないです。しかし、エコキュートはどんどん高機能化が進んでおり、10年以上前に購入したエコキュートには搭載されていなかった機能も多いです。そういった機能については、しっかりと業者から説明をしてもらいましょう

配線工事完了後、エコキュート本体に脚部カバーの取り付けます。この作業で、配管などがむき出しにならず、見た目も綺麗に収まります。

STEP4 試運転

設置工事完了後は、エコキュートの試運転を行います。試運転時には、よく利用する機能などの操作方法も説明します。

まとめ

今回は、これからエコキュートへの入れ替えを検討している方のため、エコキュートの設置工事にかかる一般的な日数をご紹介してきました。この記事でご紹介したように、新規設置の場合は2日程度、交換の場合は1日程度と考えておけば、基本的に問題はないと思います。なお、新規設置の場合でも、しっかりとしたコンクリート地盤があるご家庭であれば、基礎を作る工程が省けますので、工事期間が短くなることもあるでしょう。

エコキュートの入れ替えで注意しておきたいのは、「問い合わせ⇒現地調査⇒設置工事」という流れになるのが一般的ですので、問い合わせから実際にお湯が使えるようになるまでには、最低でも数日間かかってしまうということです。工事が1日で終了する場合があるとはいえ、問い合わせたその日に工事まで完了させるというケースはほとんどありません。
つまり、現在使用している給湯器が、完全に故障してしまってから業者に問い合わせた場合には、どうしても数日間お湯が使えなくなってしまう期間が出るということです。給湯器は「なかなか壊れない物」なんて、変な認識をしている方も多いのですが、基本的に故障は突然やってきてしまい、いきなりお湯が出なくなるものなのです。そうなってしまうと、日常生活が非常に困ってしまうことになりますので、給湯器の交換は完全に故障する前に行う物と考えておいた方が良いですよ。上述したように。エコキュートの寿命は10~15年と言うのが一般的ですので、10年程度使用した場合は「そろそろ交換かな?」と考えて、新しい機種を探し始めるのがオススメです。