エコキュートのお湯切れが心配?お湯切れさせないためにおさえておきたいポイント!

近年ではオール電化住宅の増加もあって、電気をエネルギー源とした給湯システム『エコキュート』の人気がどんどん高くなっています。エコキュートは、エアコンにも採用されているヒートポンプ技術を使用していることで、大気中の熱も効率よく利用できるようになり、同じ電気でお湯を沸かす電気温水器よりもかなり少ない電気で運用が可能です。さらに、貯湯タンクが一体となった給湯器となっていることから、日中に使用するお湯を電気代の安い夜間にまとめて沸かすなどと言う利用方法が可能となり、他の給湯器と比較して大幅に給湯コストを削減することができるのです。

しかし、使用するお湯を予めタンクに貯め置きしておく…というシステム上、日中に何らかの理由でお湯を使いすぎてしまうと、お湯が必要な時にお湯切れを発生されてしまうことがあるのです。実際に、弊社へのお問い合わせの中でも「エコキュートのお湯切れが心配なのですが、本当に便利に使えるのですか?」などといった質問は少なくありません。それでは、「必要な時にお湯を給湯するシステム」のはずのエコキュートは、なぜお湯切れを起こしてしまうのでしょうか?
当然、家庭の給湯器としてエコキュートを導入する場合には、お湯切れなどさせずに利用したい…と考えるのは誰もが同じことでしょう。そこでこの記事では、エコキュートでお湯切れが起こってしまう理由や、湯切れさせないためにおさえておきたいポイントを簡単にご紹介します。

エコキュートがお湯切れを起こしてしまう原因は?

エコキュートがどうやってお湯を作っているのかをまずご紹介して、「なぜお湯切れが起こるのか?」ということを探っていきましょう。

上述したように、エコキュートは、基本的に電気代が安い夜間に電気を使ってお湯を沸かし、貯湯タンクに貯め置きしておくというシステムになっています。そして、沸かしたお湯を入浴や調理の際など、必要な時にタンクから供給するというのが基本的な仕組みなのです。つまり、あらかじめ貯湯タンクに貯め置きしていたお湯を使い切ってしまった場合、いくらお湯が必要だとしても給湯することができずお湯切れ状態になってしまう訳です。
例えば、朝にタンクに満タンにお湯がたまっている状態だとしても、皿洗いやシャワーでお湯を使用することでタンク内のお湯がどんどん減っていくわけです。ガス給湯器などは、必要な時にその場でお湯を作る瞬間式の給湯器ですので、お湯切れなどは発生しませんが、『あらかじめ作ったお湯を給湯する』という貯湯式の給湯器であるエコキュートは、どのような機種であってもお湯切れの可能性があると言えるのです。もちろん、エコキュートに搭載されている機能を使えば、絶対にお湯切れさせないようにすることも可能です。しかし、この場合は『常にタンクを満タンにする』という設定をしておくことでお湯切れリスクを無くすものになるため、「電気代が安い時間にお湯を作って給湯コストを下げる!」というエコキュートのメリットがなくなってしまう可能性があるのです。

それでは、エコキュートを利用する場合に、お湯切れが起こってしまう主な原因はどのようなことが考えられるのでしょうか?以下でご紹介しておきましょう。

貯湯タンクが小さすぎる

まず、原因のひとつに考えられるのは「使用湯量に対してタンクが小さすぎる…」ということが挙げられます。
例えば、朝シャワーや皿洗いを行っていてタンク内のお湯が少なくなっているが、沸き増しをするほど少なくなってはいない状態で夜のお風呂タイムに突入するとします。1人、2人とお風呂でシャワーを使っているうちにタンク内のお湯が底をついてしまう可能性がありますよね。その状態が「お湯切れ」です。

エコキュートを購入するときには、家族構成などを指標として、貯湯タンクの容量を選択することになります。タンク容量はメーカーによって多少の誤差はあるのですが、一般的なエコキュートのタンク容量は、2~3人家族なら320L、3~5人家族なら370L、4~7人家族なら460Lと3種類から選ぶことになるのです。しかし、この指標に従ったのに、頻繁にお湯切れを発生させてしまう…ということは珍しくありません。なぜかと言うと、同じ人数の家族だったとしても、生活スタイルはご家庭によって全く異なりますよね。例えば、家族全員がスポーツをして頻繁にシャワーを浴びる習慣があるというのであれば、ワンランク上のタンク容量にしなければお湯切れの可能性が高くなるでしょう。他にも、エコキュート購入時には、お子様が小さかったけど、成長して使用湯量が増加し、タンク容量が合わなくなった…なんてパターンもあるでしょう。
つまり、エコキュートをお湯切れさせずに使用したいと考えるのであれば、家族構成だけでなく、生活習慣や数年後の家族構成まで検討して貯湯タンクを選ばなければいけないということです。タンクサイズがあっていないのであれば、頻繁にお湯切れを発生させてしまう危険があると覚えておきましょう。

使用湯量が増えてしまった時

これは上記よりもわかりやすいです。エコキュートは、上記のタンク容量を選択することにより、基本となる使用可能湯量が決まるのです。適切なタンク容量のエコキュートを選び、お湯切れもなく生活できている場合でも、落とし穴があるのです。
例えば、正月やお盆など、遠方から親戚が帰省するようなお宅であれば、日常生活で使用している湯量よりも人数が増えた分、使用湯量が増えてしまうことになります。こういった場合には、当然お湯が足りませんので、お湯切れを発生させてしまう危険があります。他にも、最近のエコキュートは、学習機能が搭載されており、普段のお湯の使用方法などを自動で判断し、最も低コストで運用できるようにお湯を貯めてくれる機能などがあります。これを利用している場合、突然の来客や、季節の変わり目で湯量が増えた…なんてちょっとしたことでお湯切れを発生させてしまうのです。

お湯切れさせないための対策方法

ここまでで「お湯切れ」が起こる仕組みについてご紹介してまいりました。それでは、上記のようなお湯切れを発生させないためにはどうすれば良いのでしょうか?ここでは、エコキュートの導入を決めた方に向けて、お湯切れをさせない対策をご紹介します。

適切なタンク容量のエコキュートを選ぶ

エコキュートのお湯切れを防ぐために、まず必要になるのが「家庭に最適なタンク容量を選択する」ということです。上述したように、エコキュートのタンク容量は、家族構成などを目安に推奨サイズが決まっているのですが、それぞれの家族によって生活スタイルが異なるため、人数だけで選ぶと「タンク容量が足りない…」となってしまう危険があるのです。したがって、普段の生活の中でどの程度のお湯を毎日使っているのかしっかりと計算しておく必要があると考えておきましょう。また、エコキュートは、購入後10年以上利用する給湯器となりますので、使用中に家族が増える、家族が成長して使用湯量が増える…ということも想定しておくべきです。意外と多いのが、小学生だったお子様が中学に入り、部活を始めたことで使用湯量が増えてタンク容量が足りなくなった…というパターンです。

エコキュートを購入するときには、家族構成だけでなく、普段どの程度のお湯を利用しているか、近い将来使用湯量が増える可能性はないか、なども考えて決めるようにしましょう。なお、既にエコキュートを導入している方で、タンク容量が全くあっていなかった…と、頻繁に起こるお湯切れに悩んでいる場合には、タンクだけでも交換するのがオススメです。エコキュートの頻繁な沸き増しは、省エネ効果までなくなってしまいます。

エコキュートの機能をきちんと把握する

エコキュートには、便利に使える、お得に使えるようにするための機能がたくさん搭載されています。しかし、こういった機能を過信しすぎてしまうと、急な来客でお湯切れを起こしてしまう…季節の変わり目にお湯切れを起こしてしまう…など、使い勝手が悪くなったり、余計な経費が掛かってしまう結果に陥るリスクがあるのです。エコキュートに搭載される機能は、メーカーによっても違いがありますので、購入したエコキュートの機能は「どのような使い方をするのか?」「どういったメリットがあるのか?」「何に注意すべきか?」など、最初に把握するようにしましょう。
そうすることで、普段のエコキュートの設定や、来客があった際に適した設定など、上手に切り替えることができるようになり、お湯切れなどもさせずに便利に利用することができるようになると思います。

まとめ

今回は、エコキュートのお湯切れはなぜ起こる?についてご紹介してまいりました。いかがでしたか?
この記事でご紹介したように、お湯切れの起こる仕組みは、基本的にお湯の需要と供給が合わなくなることが原因です。したがって、お湯の需要と供給が合うように使用している限りは、お湯切れなどの心配もなくお得に利用することが可能になるのです。しかし、上述したように、そもそも貯湯タンクのサイズがあっていない…なんて場合には、どうやってもお湯切れさせずに運用することなど難しくなってしまいます。もちろん、常に満タン状態にしておく設定をすれば、お湯切れなどはしないのでしょうが、余計な電気代がかかってしまうため、エコキュートの『給湯コストが安い』という最大のメリットが得られなくなってしまいます。
エコキュートの導入を考えた時には、普段ご家庭でどの程度のお湯を使用しているかしっかりと計算して必要な貯湯タンク容量を持つものを選択するようにしましょう。