パワコンの寿命や交換費用相場は?パワコン単体を交換するより蓄電池に切り替えの方がお得?

近年では、住宅用太陽光発電システムを導入しているご家庭が非常に増えてきました。太陽光発電システムは、屋根などに太陽光パネルを設置すれば、太陽光エネルギーを電力に変換してくれ、家庭で消費する電気代を大幅に削減できることや、売電による収入が得られるなどのメリットがあります。

それでは、家庭に導入される太陽光発電設備は、いったいどの程度の寿命があるのでしょうか?当然、一度設置すれば、その設備が一生使用できる…などといった事はなく、一般的に設置から10年程度経過すると何らかの不具合が見られるようになると言われています。特に太陽光発電設備を構成する部品の中では、『パワコン』と呼ばれる機器の故障リスクが高いとされており、おおよそ10~15年程度使用していれば寿命が来てしまうものです。パワコンが故障した場合には、当然太陽光発電設備によるメリットが得られなくなりますので、継続して使用したい場合にはパワコン部分の交換が必要です。

こう聞くと、「パワコンの交換費用っていったいどれくらいなの?」という疑問を持つ方が多いと思いますので、今回は、パワコンの寿命や交換にかかる費用相場を詳しくご紹介していきたいと思います。また、最近では、「パワコンの交換タイミングで家庭用蓄電池を導入するのがオススメ!」などと言う話を耳にすることが多いと思いますので、パワコン交換タイミングで蓄電池を利用し始めるメリットも併せてご紹介します。

パワコンの基礎知識と寿命について

それでは、一般的な太陽光発電システムのパワコンの寿命からご紹介していきましょう。この記事をご覧になっている方の中には「そもそもパワコンってなんだ?」という方もいるかもしれませんので、パワコンの基礎知識に関しても簡単にご紹介しておきます。

パワコンってなんだ?

太陽光発電が一般住宅にも導入されるようになってから『パワコン』という言葉をよく耳にするようになりました。このパワコンは「パワーコンディショナー」の略語で、太陽光発電システムを構成する重要機器の一つです。何のために含まれている機器なのかというと、太陽光発電パネルが発電した「直流の電気」を「交流の電気」に変換するという役割を持っているのです。
ここまで聞いても、イマイチ「ピン」とこない…という方もいるかもしれませんが、普段私たちの生活の中でいろいろな電化製品を使用しますが、これら製品は「交流の電気」を使って動かしているのです。つまり、太陽光発電で発電した電気は、そのままでは家電に使用することができず、一度「交流の電気」に変換しなければいけないのです。この役割を担っているのが『パワコン』という訳です。

それでは、このパワコンを購入する場合にはどの程度の費用がかかるのでしょうか?太陽光発電システムでは、いろいろな機器が複雑に組み合わさっているため、パワコン単体の正確な価格をお伝えするのも難しいのですが、一般的には「パワコン1台あたり20万円程度」というのが目安になります。
ただし、前述したように、パワコンは『太陽光発電システム一式』などと単体で価格表示されることはなく、ひとまとまりにされていますので、太陽光発電設備の設置工事業者にパワコン単体の仕入れ価格を聞いたとしても教えてくれることはないでしょう。「一般的に20万円が目安」としたのは、経済産業省が用いている資料の中でパワコンの交換費用目安が20万円程度とされているからです。この価格には、交換のための施工費なども含まれていますので、あくまでも参考としての価格だと考えておきましょう。

パワコンの寿命は?

それでは、太陽光発電設備を導入している方が気になる『パワコン』の寿命はどの程度なのでしょうか?冒頭で、「パワコンの寿命は10~15年程度」とご紹介しましたが、これは、太陽光発電協会(JPEA)の公式サイトでも紹介されている寿命目安です。

Q21. 機器の寿命はどれくらいですか?
A.太陽電池モジュールは20年以上、パワーコンディショナは10~15年と言われています。パワーコンディショナは設置後10年程度で一度点検し、必要に応じて部品交換や機器の取り換えを行って下さい。
引用:太陽光発電協会Q&Aページより

上記のように、太陽光発電設備でも、システムを構成するパネルとパワコンの寿命は大きく異なるのです。ただし、パワコンを開発しているメーカーでは、保証期間を15年に設定する企業も増えていますので、機器の開発が進み、最近のパワコンは15年以上は持つとメーカーが想定しているのだと思います。
いずれにせよ、太陽光発電を導入しているご家庭は、10年を経過したあたりに一度パワコンの点検を行い、不具合が出ていないか確認しておくのがオススメです。

パワコンの寿命による交換について

それでは、パワコンの寿命により交換が必要になった場合の費用相場についてご紹介しておきましょう。上述したように、パワコンの交換費用相場は「1台当たり20万円程度」というのが目安となります。

もちろん、この価格についてはパワコンの容量や新たに導入する機種などによって多少前後することになりますが、パワコン交換のために見積もりを取った場合、20万円を大幅に上回るような金額を提示されたのであれば、注意が必要です。適切な交換費用なのかどうかは、複数の施工業者に相見積もりを取ってみることをオススメします。もし、パワコン交換の際に、予想外に高額な見積もりを提示されたのであれば、一度エコキュート激安革命にご相談ください。提示された交換費用が適切なのかをご判断いたしますし、法外な価格であれば適切な交換費用をご提示させていただきます。

まずはメーカー保証期間を確認!

上でご紹介したように、太陽光発電のパワコンにはメーカーによる保証がついています。したがって、その保証期間内に故障して交換が必要になった場合には、修理または交換が無料で行うことも可能なのです。一般的にですが、太陽光発電システムは『パネルの出力保証:25年間』『システム保証:15年』になっているのが一般的で、パワコンにも15年の保証がついているのがほとんどです。
まずは、購入時の契約書などで、「保証期間内かどうか?」を確認してみることをオススメします!

パワコン交換タイミングで蓄電池の導入がオススメ?

近年では、パワコンの交換タイミングで蓄電池を導入すれば「パワコン交換費用が実質無料になる!」などと言われています。どういうことかかというと、近年、災害時の停電対策として人気が急上昇している家庭用蓄電池は、「電気を貯めておく」だけでなく、太陽光発電のパワコンとしての機能も兼ね備えているため、家庭用蓄電池の導入をすれば、パワコンが必要なくなるという仕組みなのです。
ちょうどパワコンの交換タイミングが来ている方にとって「非常に有益な情報」となりますので、以下でもう少し詳しくご紹介しておきます。

蓄電池の中にはパワコンの役割を担えるものがある!

最近では、太陽光発電システムと家庭用蓄電池を組み合わせることで、より高い光熱費削減効果が得られると注目されています。太陽光発電システムと家庭用蓄電池を組み合わせる場合には、通常、太陽光発電と蓄電池それぞれにパワコンが必要になるのですが、両方を1台にまとめて運用が可能な『ハイブリットパワコン』が存在しているのです。

これは、ハイブリット蓄電池などとも呼ばれますが、要は、太陽光発電のパワコン交換タイミングで、両方のパワコンの役割を果たせる蓄電池を導入すれば、別途太陽光発電用のパワコンを購入する必要が無くなるのです。さらに、ハイブリットパワコンは、通常のパワコンと比較して、太陽光発電の電気を変換するときのロスも少なくなるなど、より太陽光発電で創った電気を有効活用できるようになるというメリットもあります。
もちろん、蓄電池という別の設備を導入するための費用が必要になるのですが、蓄電池を導入することにより得られるメリットも非常に多いのです。したがって、パワコン交換にかかる費用を削減できるうえ、新たなメリットを享受できるという一石二鳥の効果が蓄電池にはあるのです。

ちなみに、日本政府が家庭用蓄電池の普及推進に力を入れているため、家庭用蓄電池の導入には豊富な補助金が用意されています。こういった制度を活用すれば、よりお得に蓄電池の導入が可能です。

蓄電池導入で得られるメリット

それでは最後に、蓄電池を導入することで得られるメリットをご紹介します。

  • より効率的な電力利用を実現
    太陽光発電は、家庭で作った電気を利用することで電気代削減が可能なシステムです。しかし、悪天候時や夜間などでは思うように発電することができず、太陽光発電のみでは電気の自給自足は絶対に不可能なのです。しかし、ここに家庭用蓄電池を組み合わせることで、昼間に太陽光発電で創った電気を蓄電池に貯めておき、それを夜間に利用するなど、完全な電気の自給自足も実現可能になります。つまり、家庭に必要になる電気代を『0円』にすることも可能です。
  • 災害時の停電対策になる
    近年日本国内では大型台風や地震などの自然災害が増加しています。こういった自然災害時にはライフラインとなる電気の供給がストップしてしまうことも珍しくありません。記憶に新しいところでは、9月に関東地方を襲った台風により長期間に大規模停電が発生しています。『太陽光発電+蓄電池』という体制を作っておけば、こういった万一の自然災害時も、太陽光発電で電気を創り、生活に必要な電力を確保することが可能です。蓄電池があれば、夜間のための電気も確保できますので、災害時でもご家族の安全を守ることができるのです。
  • 売電価格が下がっても自家消費に回せる
    2019年は、FIT制度の前身である固定価格買取制度が終了するご家庭が続出します。卒FITになると、今までは高額で売電できていたものが一気に買取価格が下がり、太陽光発電の大きなメリットである売電収入が無くなってしまうのです。これは「2019年問題」などとも呼ばれていますが、卒FITを迎えるご家庭では、蓄電池の導入により電力の自家消費に切り替える方が増えています。卒FITを迎えれば、買電価格よりも安い価格でしか売電できないため、圧倒的に電力を自家消費した方がお得になると予測されているのです。太陽光発電の電気を全て自家消費に回そうと思えば、蓄電池の導入が必要不可欠です。

まとめ

今回は、太陽光発電設備のパワコンについて、その基礎知識や寿命、交換の際に最もオススメな方法についてご紹介しました。本稿でご紹介したように、太陽光発電のパワコンにも寿命がありますので、将来的な交換費用を頭に入れて運用する必要があるのです。もちろん、こういった設備の交換に関しては、「壊れてから焦って交換する…」というのではなく、ある程度余裕を持って交換タイミングを見極めるのがオススメです。

設備が壊れてから交換に動くのでは、その間太陽光発電が利用できませんし、どの機種が良いのか?本当に安心して任せられる業者はどこか?など、見極める時間的余裕がなくなってしまいます。さらに、最近では、パワコン交換タイミングで家庭用蓄電池の導入をした方が、その後お得になるという情報も少なくありませんので、本当にご家庭に必要な設備は何なのか?ということを考える余裕も必要になるはずなのです。

こういった設備に関しては、定期的なメンテナンスを欠かさずに行い、交換が必要になりそうなタイミングを予めつかんでおくようにしましょう。そうすれば本当に必要な設備を探す時間も確保できますし、業者さんと価格交渉などをする時間的余裕もできるはずです。何でも一緒ですが、焦って行動する場合には、お得になるようなことはありませんよ!