エコキュートの設置場所について。広いスペースが無くても設置可能なタンクも存在します!
今回は、エコキュートの導入を考えているけど、設置スペース的な問題で導入を躊躇している方に向け、エコキュートの貯湯タンクサイズのバリエーションをご紹介したいと思います。
エコキュートは、電気でお湯を沸かす給湯システムで、他の給湯器などと比較しても日々の給湯にかかるコストを大幅に削減できると言われ人気になっています。しかし、省スペースで壁掛け設置が可能なガス給湯器などと異なり、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットを設置しなければならないエコキュートは、スペース的な問題で導入したくても設置できない…なんてご家庭も存在すると言われています。
実際に、数年前であれば、業者さんに現地調査してもらった所、「置ける場所がありません…」と断られてしまった…という経験がある方も多いのではないでしょうか?こういったエコキュートの設置スペースに関しては、メーカ側にも何とか対策してほしいという声が多く届いていることから、最近では省スペースでも設置できるよう、さまざまな対策がとられているのです。エコキュートの販売サイトなどを見ている時に『薄型タイプ』『コンパクトサイズ』などと記載されている機種がそういったものになります。
この記事では、ここ数年増えているエコキュートのさまざまなタンクバリエーションをまとめてご紹介しておきます。
エコキュートの構成について
それではまず、基本的なエコキュートの構成についてご紹介していきましょう。エコキュートは、販売開始から20年弱しか経過していないまだまだ新しい給湯システムです。日本国内では、もともとガス給湯器が主流として使われており、このタイプの給湯器は壁掛けで設置できるなど、給湯器設置のためのスペースに困るようなことはほとんどないのです。
しかし、エコキュートに関しては、ガス給湯器とは比較にならないほどの設置スペースが必要になります。というのが、エコキュートと呼ばれる給湯システムは、エアコンの室外機のような形をしたヒートポンプユニットに加え、お湯を貯め置きするための貯湯タンクユニットを設置しなければいけないのです。
エコキュートは、ヒートポンプユニットを利用して大気中の熱を効率よく利用することや、貯湯タンクにお湯を貯め置きできることから格安の深夜帯の電力を利用してお湯を作るといった仕様で、その給湯コストの安さを実現しています。したがって、家庭の給湯器としてエコキュートを選びたい場合にはこの二つのユニットが必要不可欠になることから、「設置スペースがある」ということが前提条件になってしまうのです。
タンクユニットの役割と種類について
ガス給湯器とエコキュートの大きな違いはその給湯方式の違いにあります。ガス給湯器は、お湯が必要な時に必要な分を沸かすという『瞬間式』の給湯器となります。しかし、エコキュートの場合は、一日に使用するお湯を予め沸かして、それを貯湯タンクに貯めておくという『貯湯式』の給湯器となるのです。
したがって、エコキュートの貯湯タンクというものは、それなりの容量が必要となり、大型の設備となってしまう訳です。ちなみに、貯湯タンクのサイズに関しては、家族構成やライフスタイルに合わせて選択するようになっており、370Lや460L、540Lなどと複数の容量の中から選ぶ形となります。なお、一般的には2~4人家族の場合370L、4~6人家族の場合は460Lのタンク容量の物が推奨とされています。
貯湯タンクのバリエーション
それでは、エコキュートの貯湯タンクに用意されているバリエーションをご紹介していきましょう。エコキュートを選択する際には、タンクサイズについて『角型』や『薄型』などと記載されているのですが、どれを選択するのかによって設置スペースの要件が変わってくるのです。
元々は角型と呼ばれるタンクで展開されていたのですが、これでは導入が難しいという家庭からの声もあり、最近ではご自宅の設置スペースに合わせた貯湯タンクが選べるよう、バリエーションが増えているのです。通常のエコキュートでは導入が難しい場合でも、置き場所に応じてタンクを変えることで導入が可能になる場合もあるのです。
角形タイプ
エコキュートの貯湯タンクで、一番ベーシックなタイプが『角型タイプ』と呼ばれるものです。このタイプの貯湯タンクは、どのメーカーでも販売しているタンクの形状で、メーカーによって複数の容量が用意されています。一般的には、上述した370L、460L、540L程度の3パターンで展開されています。
ちなみに、タンク容量を大きくした場合でも底面積はほとんど同じ大きさで、高さが300mm~350mm程度高くなります。
薄型タイプ
近年人気になっているのが『薄型タイプ』と呼ばれるエコキュートです。これは、上述した角型タイプでは設置が難しい場合のために開発されたもので、タンクの奥行を少なくしたタイプとなります。
薄型タイプのエコキュートに関しては、販売しているメーカーが絞られますので注意しましょう。現在では、パナソニック、ダイキン、コロナがメインとなり、370Lと460Lの薄型タイプを販売しています。東芝や三菱電機でも薄型タイプのエコキュートは販売していますが、タンク容量が基本1種類ですので、購入前にきちんと調べておくことがオススメです。
低背タイプ
高さが問題となりエコキュートの設置が難しいという方には『低背タイプ』と呼ばれるエコキュートが販売されるようになっています。このタイプは、底面積は角型タイプとほぼ同じなのですが、高さを抑えたモデルとなっています。現状は、パナソニックからしか販売されていませんので、特定のメーカーにこだわりがある方でも、設置要件によってはパナソニック製エコキュートを選ばなければならないことがあります。なお、タンク容量は現状300Lタイプのみの展開となっています。
スリムタイプ
コロナが販売している省スペース型エコキュートには『スリムタイプ』と呼ばれるものもあります。このタイプのエコキュートは、その名称からイメージできるように、角型タイプのタンクを全体的にスリムにした感じとなります。スリムタイプのエコキュートに関しては、現状コロナでしか販売しておらず、300L容量と460Lの2種類が販売されています。2~3人家族であれば300Lでも問題ないと思いますが、それ以上であれば多少奥行きと高さが増加してしまいますが460Lタイプが良いでしょう。
コンパクトタイプ
容量もサイズも全体的に小さくしたものが『コンパクトタイプ』と呼ばれるエコキュートです。このタイプは、マンションなどでもエコキュートの導入ができるように考えられたタイプとなり、『ライトタイプ』や『ネオキュート』などとも呼ばれています。最近では、大手メーカー各社がこのコンパクトサイズの物を販売しているのですが、メーカーによってタンク容量が違ってきますので注意しましょう。一般的なコンパクトサイズのエコキュートは、180Lや195Lという容量となっているため、一人暮らしや二人暮らしのご家庭以外では少し心もとないタイプと言えます。
まとめ
今回は、エコキュートに用意されている貯湯タンクサイズのバリエーションをご紹介してきました。エコキュートは非常に給湯コストが安い給湯器として近年人気になっていますが、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットで構成されるシステムのため、設置のためにそれなりに広いスペースが必要になるのです。そのため、都市部などとなると、隣家との距離が近すぎて、導入したくても設置スペースが無くて諦めなくてはならない…なんて方も少なく無いのです。
近年で亜h、エコキュートメーカー側もそういった方のために、省スペースでも設置可能なタイプの販売を始めており、現在ではスペース的な要件がかなり緩和されています。エコキュートの販売開始当初には導入が難しいと言われたご家庭でも、現在のエコキュートであれば設置可能になっている可能性がありますので、一度販売店などに問い合わせてみるのがオススメです。