エコキュートは誰もが満足する給湯器になる？実は導入を失敗した…と感じてしまう人もいる

太陽光発電設備を導入する方が多くなっている近年では、家庭で使用するエネルギーを電気に統一するオール電化住宅を選ぶ方が増えています。太陽光発電とオール電化住宅の相性は非常に良く、自家発電した電気で生活することができるようになれば、日々の生活にかかる光熱費が大幅に削減することができるようになりますし、蓄電池も一緒に導入しておけば、災害で停電しても自宅だけは電気を使えるという環境になります。

こういったオール電化の人気が非常に高くなっている近年では、家庭で使用する給湯器に関しても、エコキュートを選択する方が多くなっています。もちろん、オール電化を選択するのであれば、自動的に電気でお湯を沸かすエコキュートを導入することになるのですが、ここ数年、ガスを併用しているようなお宅でも、給湯器はエコキュートがおすすめと言われた…とエコキュートに入れ替えするような方が多くなっていると言われています。

しかし、エコキュートに関しては、「導入してよかった！」という声をあげる方が多いのも事実ですが、「エコキュートにするんじゃなかった…」と後悔してしまうような方も一定数存在すると言われているのです。そこでこの記事では、「家庭で使用する給湯器として、エコキュートにするかどうか迷っている…」という方のため、エコキュートを入れて良かったという方、失敗したという方、両方がそう思った理由をご紹介していきたいと思います。

エコキュート「入れて良かった！」派の意見は？

それではまず、家庭の給湯システムとして、エコキュートを選んでよかったと感じている方の意見からご紹介していきましょう。日本国内では、小型化が進んでいるガス給湯器が広く普及しており、マンションなどの集合住宅であれば、設置スペースの問題などから、エコキュートではなくガス給湯器が設置されている場合の方が多いと思います。このような状況ですので、日本人の多くは、エコキュートを実際に使ってみれば、ガス給湯器との違いを比較できるような状況と言えるでしょう。

一般的には、給湯コストを削減できるというポイントがエコキュート最大のメリットになっていますが、実際にエコキュートを導入した方はどういった点にメリットを感じているのでしょうか？

給湯コストが削減できた！

エコキュートの最大の売りは、やはり「給湯コストが削減できる！」ということです。とはいえ、今まで一度もエコキュートを利用したことがないという方であれば「貯湯式になるなど根本的に仕様が違うみたいだけど、我が家のライフスタイルで本当に電気代が下がるのだろうか？」と不安に感じてしまう方は多いと思います。

弊社にて、過去にエコキュートを導入したお客様の中には、たまたま同じ賃貸マンションに住んでいた友人が、新築を建てる時にエコキュート＆オール電化の家を選んだから、実際の光熱費事情を聴けたと言ってエコキュートを選んだそうです。お客様の友人に聞いたところ、家族構成はほとんど同じくらいで、もともと同じような光熱費だったのに、エコキュート＆オール電化の家に引っ越してから、最も差が出た月で「3割以上も光熱費が安くなった！」とおっしゃっていたそうです。これを聞いて「本当に光熱費が下がるんだ！」と思って、安心してエコキュートを選ぶことができたそうです。

なお、冬場の光熱費があがるのではないかと心配されていましたが、高気密・高断熱化している近年の住宅は、床暖房をつけているだけで部屋中暖かくなるなんて言われていますし、以前の光熱費を上回るようなことはないと考えても良いと思います。もちろん、家族構成やライフスタイルによっては、確実に光熱費が下がるとまでは言えませんが、頻繁に沸き増しが必要になる…なんてことにならない限り、エコキュートに切り替えて光熱費が急に高くなる…なんてことは少ないと思います。

災害時に役に立った！

エコキュートは、災害時に非常に役に立つ給湯器だとすすめられることがあるのはご存知でしょうか？しかし、「電気でお湯を沸かす給湯器」であるエコキュートが、停電が起きてしまう災害に役立つと言われても、にわかには信じられない…という方は多いですね。

実は、災害時にエコキュートがあって非常に助かったという理由で、「給湯器としてエコキュートを選んでよかった！」という意見をあげる方もいるのです。というのも、日本国内は、古くから地震や台風などの自然災害が非常に多い国として有名です。そしてさらにここ数年、毎年のように水害が発生しており、どこに住んでいても災害による停電などの被害を受ける可能性があると考えなければならないのです。

このような中、実際にエコキュートを導入したお客様の中には、台風で被災してしまい、家そのものには大きな被害が生じなかったものの、地域一帯のライフラインがストップしてしまい非常に困ってしまった…という経験があるそうです。そしてこの時に、貯湯タンクからお湯を取り出せるエコキュートが非常に役立って「エコキュートを選んで正解だった！」と感じたそうです。エコキュートは、魔法瓶のような構造になっていますので、数日間はお湯の状態を維持してくれますし、お風呂に入れないまでも子供の衛生状態を保つためお湯で拭いてあげることができて本当に助かったという意見があります。また、お湯の温度が下がっても、非常用水として使えるので、ライフラインが回復するまで心の支えになったと言っていました。

このように、エコキュートは、単純にエコな設備というだけでなく、災害の多い日本では、万一の時に役立つ災害対策アイテムになるという点が大きな魅力です。

エコキュート「失敗した」派の意見は？

上述したように、エコキュートはガス給湯器とは根本的な部分から異なるため、実際に導入してみると「失敗した…」と感じてしまう方もいるようです。それでは、エコキュートを設置したことに後悔してしまう方は、どういったポイントを見て失敗したと感じているのでしょうか？ここでは、いくつかの意見をご紹介しておきます。

設置場所に困った

エコキュートに限らず、大型の住宅設備設置に関しても、ネットの情報を確認するだけで購入を決めてしまうというのが一般的な注文方法となっています。エコキュートに関しては、ガス給湯器などとは比較にならないほど大きい設備ですので、設置場所を確保するのが意外に大変…と言った説明を販売店の方でも行っています。さらに、各商品ページには、タンクやヒートポンプユニットのサイズなどもきちんと掲載するようになっています。

しかし、実際に導入してみた時には、画像や数字のサイズ表記では分からなかった大きさにびっくりしてしまう…という方は意外に多いのです。そして、「エコキュートは大きいと言われているけど、大したことはないだろう！」と考えて購入した方の中には、設置してみると、家の外観イメージに非常に大きな影響を与えることに失敗したと感じてしまうのです。特に、新築の注文住宅などであれば、細部までこだわって建てたのに、エコキュートを設置すると、一気に家の外観イメージが壊れてしまったと感じる…という方も多いです。ガス給湯器は、小型化が進んでいますし、目立たないような位置を選んで設置することもできますが、エコキュートの場合、それなりのスペースを確保しないといけないので、意外に目立つ位置に置くしかなくなってしまうのです。

また、エコキュートの設置に関しては、エコキュートの稼働音で近隣住民と騒音トラブルを抱えてしまい、設置を後悔してしまう…なんてこともあるようです。近年の戸建て住宅は、家と家の距離が非常に近くなっていることから、夜中に稼働するエコキュートの音が気になって寝れない…なんて話が意外にあります。つまり、エコキュートの導入をきっかけとして、近隣トラブルを抱えてしまった事で「失敗した…」と感じてしまう訳です。なお、この辺りは、経験豊富な施工業者であれば、きちんと騒音トラブルなどが起こらないように設置しますので、そこまで心配する必要はありません。

家族の節電意識が薄れてしまった…

これは意外なデメリットと言えるかもしれませんね。エコキュートに限らず、最近では導入するだけで「節電できる」「環境問題に役立てる」などと言われるエコ関連商材が増えていますね。そして、こういった設備に関しては、省エネ面などを特に力説されるということが多いのです。エコキュートに関しては、「他の給湯器よりも圧倒的に光熱費が削減できます！」「エコキュートは空気中の熱を有効活用するので、とてもエコです！」などを言われて、それをマルっと信用するわけです。

もちろん、エコキュートの光熱費削減効果やCO2削減効果に関しては、非常に高いのも間違いない事実ではあります。しかし、その部分ばかりを力説される方の中には「それならそこまで省エネに注意しなくても大丈夫だな！」と考えてしまい、日常生活が逆にだらしなくなってしまう…なんて方がいると言われているのです。
実際に、お湯の出しっぱなしなどを良く注意される方で、「こんなに光熱費がかかっているんだから！」と口酸っぱく言われていることから、「光熱費が安くなる」エコキュートを導入すれば怒られなくなるのではと考え、エコキュートを導入したと言う方がいます。そして、奥様に注意されたときに「光熱費は安くなったんだからちょっとは良いじゃん！」と言い訳するようになったそうです。

正直な話、このような本末転倒な話があるとは私もびっくりしましたが、エコキュートの省エネ効率の高さから省エネ意識が薄まってしまうような方は実際にいるようです。この辺りは、しっかりと家庭内で話し合ってから導入するか決めるようにしましょう。

まとめ

今回は、エコキュートの導入に迷っている方のため、実際にエコキュートを導入した方で「導入してよかった！」と感じている方の意見、「失敗した…」と後悔している方の意見双方をご紹介してきました。

エコキュートは、光熱費削減が見込める給湯システムとして人気になっており、実際に導入してよかった派の方は、「光熱費が安くなった！」ということを真っ先に挙げる方が多いです。ただし、どのような設備にも弱点というものは存在しますし、ライフスタイルなどによってはエコキュートの仕様が合わない…と感じてしまう方もいるのです。

この記事では、設置スペースをとってしまうことで、せっかくの新築住宅の外観が壊れてしまう…といった意見をご紹介しましたが、他にも貯湯式の給湯システムだという点が気に入らない…と言う方も存在します。この辺りは、実際に導入してみなければ分かりにくい部分ではあるのですが、エコキュートがガス給湯器などと比較して、圧倒的に便利な仕様かというとそうではないということは頭に入れておいた方が良いですよ。