電気でお湯を沸かす『エコキュート』と『電気温水器』。エコキュートに入れ替えするとお得ってホント?

家庭の給湯器として電気温水器を利用している方であれば、「エコキュートに買い換えたら給湯コストがかなり削減できる!」という情報を耳にしたことがあるのではないでしょうか?しかし、インターネットなどで少し調べてみると、エコキュートも電気温水器と同じく、電気エネルギーでお湯を沸かす給湯システムになっていることから、「どうせ同じような給湯器なのに、なぜ給湯コストが下がるの?」と疑問に思う方も少なくないようです。中には、エコキュートの営業文句として使われているだけで、入れ替えしても、どうせ光熱費は下がらない…などと勝手に判断している人もいるのではないでしょうか?

しかし、この二つの給湯システムに関しては、明確な違いが存在しており、電気温水器からエコキュートに入れ替えするだけで、なんと従来の給湯コストが1/3程度にまで下がる可能性があるのです。俄かには信じがたい情報だと思いますので、この記事で電気温水器とエコキュートの違いをご紹介していきたいと思います。

エコキュートと電気温水器の根本的な違いは?

それではまず、エコキュートと電気温水器の違いについて考えていきましょう。「電気でお湯を沸かす給湯器」と聞くと、全く同じ機構を持った給湯システムなのだと考えがちですが、実はかなり大きな違いがあるのです。さらに、給湯器としてはエコキュートの方が電気代が安く済むなど、多くのメリットが認められているのです。
以下でそれぞれの給湯器の特徴からご紹介しておきましょう。

電気温水器の特徴

まずは電気温水器の特徴からご紹介しておきましょう。電気温水器は、大きな電気ポットをイメージしていただければ非常にわかりやすい給湯器です。この給湯機は、電気エネルギーでヒーターを熱し、その熱でお湯を沸かす給湯システムです。したがって、ガス給湯器のように、不完全燃焼による事故などの心配もなく安全な給湯器と言われています。
しかし、その高い安全性を誇る反面、電気の力だけでお湯を沸かすシステムとなってしまうため、効率的な問題で電気代が高くなってしまうと言われています。使用する地域の気象条件によっては、給湯器の中でも比較的に給湯コストが高くなってしまうと言われています。

エコキュートの特徴

次はエコキュートの特徴についてです。エコキュートも電気エネルギーを利用する給湯器だという点では電気温水器と同じです。しかし、エコキュートはエアコンなどにも利用されている『ヒートポンプ技術』を採用しているのが大きな違いです。
ヒートポンプ技術は、大気中の熱を取り込み、その熱を効率よく利用することができるため、電気以外の力を使ってお湯を沸かすことができるのです。つまり、『電気のみ』でお湯を沸かす電気温水器よりもかなり少ない電気代でお湯を作ることができるのです。また最近では、太陽熱温水器の仕組みを応用した「太陽熱集熱ユニット」を搭載した省エネタイプのエコキュートも登場しており、より効率的にお湯を作ることができるようなタイプもあるのです。

両社の違いは?
上の説明から分かるように、エコキュートも電気温水器も「電気を使ってお湯を沸かす」という点は同じです。しかし、電気温水器は「電気のみ」でお湯を作るのに対し、エコキュートは大気中の熱まで利用することができるため、エコキュートの方が電気代が安くなるのです。さらに最近では、太陽光発電と連携させたり、太陽熱も利用できる機種が登場していますので、より電気代を抑えながらお湯を沸かすことができるようになっています。
他にも、エコキュートは従来の給湯システムよりも、お湯を作る際のCO2排出量が半減していると言われています。つまり、家計に優しいだけでなく、地球にまで優しい給湯システムなのです。

電気温水器からエコキュートに入れ替えするメリットは?


ここまでの説明で、電気温水器を使っている方がエコキュートに入れ替えするだけでかなりのメリットが得られるとわかりますよね。エコキュート最大のメリットは、光熱費を安くすることができるということなのですが、その他にもいくつかメリットが存在すると言われています。
ここで、電気温水器を利用している方がエコキュートに入れ替えすることで得られるメリットをいくつかご紹介します。

エコキュートに入れ替えるメリット

電気温水器を利用している方がエコキュートに入れ替えすることには、さまざまなメリットがあると言われています。
まず、皆さんにとって非常に大きなメリットと言えば、電気温水器であれば月に6,000~7,500円の電気代がかかると言われているものが、エコキュートに入れ替えすることで2,000円弱にまで下がると言われているのです。つまり、同じように電気を利用してお湯を使っているだけで、家計にかかる給湯コストが1/3以下になるのです。これだけでエコキュートを選択する理由になると思いますが、他に色々なメリットが存在します。

  • CO2排出量削減など、環境負荷が少ない
  • 学習機能付きの機種であれば、生活サイクルに合った節約を自動で行ってくれる
  • HEMS(Home Energy Management System)に対応している機種がある
  • 電気料金をオール電化プランにすれば、より光熱費が削減できる
  • 貯湯タンクに貯めたお湯が災害時に非常用で使える
このように、エコキュートは「電気代削減効果」以外にもさまざまなメリットが存在しているのです。特に、最新機種などであれば、AI機能が搭載され太陽光発電などの電気を自動で有効活用するようになりますので、とても便利に使うことができるでしょう。さらに、お湯を沸かしているだけなのに、環境問題に貢献できるという点もエコキュートが選ばれる理由になっています。

エコキュートに入れ替えるデメリット

それでは、電気温水器からエコキュートに入れ替えする場合のデメリット面も考えてみましょう。
ガス給湯器からエコキュートへの入れ替えの場合、広い設置スペースが必要になることが問題視されることがあります。しかし、電気温水器の場合、同じように貯湯タンクが備え付けの給湯システムになりますので、設置場所などは特に大きな問題になることはありません。それどころか、電気温水器に使われていた基礎がそのままエコキュートに転用できるため、施工費用が安くなる場合があるなど、非常にオススメ出来る入れ替えパターンなのです。

しかし、いくつかのデメリットは指摘されています。例えば、電気温水器に対して、エコキュートの本体価格が高い…という点は、電気温水器からエコキュートへの入れ替えを考えた場合のデメリットと言われます。ただし、筆者個人的には、そこまで問題視しなくても良いデメリットだと思います。なぜかと言うと、電気温水器とエコキュートに関しては、本体価格にそこまでの価格差があるわけでもなく、エコキュートの方がほんの数万円高い程度です。したがって、エコキュートに入れ替えしたことによる月々の電気代削減効果を考えると、数カ月で取り返せる程度の差しかないのです。
電気温水器とエコキュートに関する違いで、明確にエコキュートのデメリットと言えるのは、エコキュートが稼働することで低周波音が出る…ということでしょう。あまり気にしない人もいますが、エコキュートのヒートポンプユニットが発する低周波音は、近隣との騒音トラブルに発展してしまう可能性があるため、近隣住宅との距離が近い人は、何らかの防音・防振対策を考える必要があるでしょう。

まとめ

今回は、同じ電気でお湯を沸かす『電気温水器』と『エコキュート』の違いや、電気温水器からエコキュートへ入れ替えすることで得られるメリットについてご紹介してきました。
この記事でご紹介したように、電気温水器もエコキュートも電気エネルギーを利用してお湯を作る…という点は同じです。しかし、「どのようにしてお湯を作るのか?」という根本的なシステムが全く異なるため、使用後に得られるメリットが全く違ってくるのです。エコキュートは、電気の力だけでなく大気中の熱を効率よく利用することができるため、電気温水器と比較してもかなり少ない電気でお湯を沸かすことが可能です。また、お湯を沸かす際に排出するCO2も半減しますので、環境にも優しい非常に優れた給湯システムとなっているのです。
ちなみに、CO2排出量削減は、世界中の目標となっていることもあり、それの助けになるエコキュートの導入は地方自治体などが行っている補助金を利用できる場合もあります。補助金が利用できる地域であれば、さらにエコキュートがお得になりますので、一度自治体などに確認してみるのも良いのではないでしょうか。