エコキュート使用時によくあるトラブルとその対処策!
エコキュートは、電気でお湯を沸かす給湯システムで、他の給湯器と比較しても日々の生活にかかる給湯コストを削減できると人気になっています。日本国内では、ガス給湯器や石油給湯器を使用する方もまだまだ多いですが、オール電化住宅を選択する方が増えてきたこともあり、他の給湯器からエコキュートへ入れ替えするというパターンが増加しています。
しかし、もともとガス給湯器など他の給湯器を利用していた方であれば、エコキュートへの入れ替え前に、使用時にどのようなトラブルが考えられるのか?ということを気にする方が多いようです。というのも、ガス給湯器を使用していた方からすれば、給湯方式が根本的に違ってくるため、日々の使い勝手も変わることから、トラブル発生時の対応もかなり違うのでは…?と不安になってしまうのです。もちろん、どのような設備を利用するにしても、初めのうちは「これは普通なの?故障なの?」とトラブルへの対応に迷うのは当たり前のことだと思います。
そこで今回は、エコキュートの使用時に考えられるトラブル事例やその対処法を簡単にご紹介しておきます。
エコキュートのトラブルとその対処法について
それでは、エコキュートの導入前におさえておきたい、エコキュート使用時に考えられるトラブル事例や、実際に自分の身に起こった時の対処法をご紹介していきましょう。
トラブル1:エラーコードが出ている
エコキュートだけではありませんが、最近の給湯器にはキッチンなどで簡単に操作できるよう、リモコンが設置されています。こういったリモコンは、お風呂にお湯を貯めるためのボタンがついていたり、給湯器の給湯温度を設定したりするとても便利なものなのですが、給湯機本体に何らかの不具合が生じた場合、モニターにアルファベットや数字のエラーコードを表示して教えてくれるようになっているのです。エコキュートも同じで、メーカーごとに決められたエラーコードが表示されるようになっています。
長く使用したエコキュートであれば、頻繁にエラーコードが表示されるようになり、買い替えを考えるタイミングにもなります。エコキュートのリモコンにエラーコードが表示された場合、まずは購入時に付属されていた説明書を確認しましょう。上述のように、エラーコードはメーカーによって記載方法が異なりますので、表示されたコードが何を意味するのか確認しなければいけません。取扱説明書には、エラーコードの意味に合わせて、それぞれの対処法も記載されていますので、まずはその指示に従ってみましょう。
なお、書いてある通りに対処しても改善されない場合は専門的な修理が必要な可能性が高いので購入店などに確認しましょう。
トラブル2:タンク等から水が漏れている
次は、水漏れトラブルです。給湯器の水漏れトラブルと聞くと、即座に故障を疑ってしまいますが、エコキュートの水漏れに関しては、故障の場合とそうでない場合があるので注意しましょう。
まずおさえておきたいのは、エコキュートを導入する場合には、お湯を作るためのヒートポンプユニットお湯をと貯めておくための貯湯タンクユニットを設置します。そして、日々エコキュートを利用している場合に、貯湯タンクやヒートポンプから水が垂れている…なんて場面を見かけることがあると思います。このような状況を見つけると、タンクやヒートポンプが故障したのかも…?と疑ってしまいますが、多くの場合は故障ではありません。
貯湯タンクからポタポタと水滴が落ちている場合は、タンクに貯められる量を超えてしまったことが考えられます。どういうことかというと、沸き上げ時は、水をあたためますが水はあたためられると膨張するので体積が大きくなります。そのため水の状態で満タンに入っていた場合はお湯になると溢れてしまうというわけです。その溢れてしまう分がポタポタと水滴として落ちているのです。また、ヒートポンプから水滴が落ちている場合は、結露水が多いです。湿気の多い空気と触れると結露を起こしますが、その状態が起こっており結露で発生した水を排出しているというわけです。
これらは故障ではないですが、排水口以外の場所から水が出ている…、水道光熱費が急に上がった…、すぐにお湯切れを起こしてしまう…などといった場合は故障の可能性が高いので購入店などに点検してもらいましょう。
トラブル3:お湯が出ない
給湯器のトラブルに多いのは、「突然お湯が出なくなってしまった…」というものです。家庭の給湯を一手に担っているわけですので、突然水しか出なくなったという場合は焦ってしまうものです。しかし、こういった場合も故障ではないことも多いので注意しましょう。
エコキュート使用時に、突然水しか出なくなった…という場合は、まず貯湯タンクの残湯量を確認してお湯切れしていないかチェックしてみましょう。もともと瞬間式のガス給湯器などを使用していた方などであれば、「蛇口をひねればお湯が出る物」というイメージを持っていることから、エコキュートに入れ替えした後も「お湯が出ない⇒故障した!」と考えてしまいがちです。
しかし、エコキュートは、ガス給湯器とは根本的な仕様が異なりますので注意が必要です。エコキュートは貯湯タンクが設置されているように、一日に使用するお湯をまとめて沸かしてタンクに貯めておくという仕様になっています。お湯が必要になった時には、タンクから供給することになるため、日中に貯めていた以上のお湯を使ってしまうと、お湯切れを起こして水しか出なくなってしまう訳です。つまり、単純にお湯切れが原因で水しか出ないのであれば、故障ではありませんので、沸き増しでお湯を作れば普通に使用できます。エコキュートがこういった仕様になっているのは、電力会社が用意している深夜帯の電気代が格安になるプランを活用するためです。電気代が安い深夜帯にまとめてお湯を沸かすため、日々の生活にかかる給湯コストを削減できるようになるわけです。
エコキュートからお湯が出なくなって、お湯切れを確認しても十分な残湯量がある場合は、故障の疑いがありますので、販売店やメーカーに点検してもらいましょう。
トラブル4:お湯が止まらない
最後は、「お湯が止まらない…」というトラブルです。この系統のトラブルも少なくありませんので、しっかりと対処法をおさえておきましょう。
エコキュートを導入する場合、浴槽内の水量を検知する水位センサーが取り付けられます。このセンサーによってお湯はりを行う時などのお湯の量が調節されるのですが、何らかの理由でその調節がきかずお湯が止まらなくなる…といったトラブルが生じてしまうことがあるのです。まずは、センサー周りに何か問題が出ていないか確認してみましょう。センサーの不具合は、普段のお手入れを怠ってしまいセンサー本体付近に汚れやゴミがある…、推奨されている以外の入浴剤を使用してしまい、その成分によって不具合が生じてしまう…などと言った理由が多いです。
ゴミが詰まってしまいセンサーが不具合をおこしているというなら、ゴミを除去すれば直る場合もあるでしょう。しかし、センサー周りの清掃をしても不具合が消えない…という場合には、販売店などに連絡してみましょう。なお、エコキュートの中には、お風呂の栓を抜けば、自動で配管などの清掃をしてくれる高機能な機種も存在します。そういった機種を導入していれば、こういったトラブルは少なくなると言われています。
まとめ
今回は、エコキュート使用時によくあるトラブルとその対処策についてご紹介してまいりました。エコキュートで起こりやすいトラブルは「エラーコードが出ている」「タンク等から水が漏れている」「お湯が出ない」「お湯が止まらない」などが挙げられます。どれも故障と思いがちですが、意外と故障ではないということも少なく無いのです。
最近では、瞬間式の給湯器であるガス給湯器からエコキュートへ入れ替えする方が増加していますが、こういった入れ替えパターンの場合には「ガス給湯器とは使い勝手がかなり違う!」ということをしっかりと認識しておく必要があります。ガス給湯器は、その場でお湯を作るシステムになっていますので、故障が無い限りは蛇口をひねれば必ずお湯が出るものです。しかし、エコキュートはあらかじめ必要になる分のお湯を作り置きしておくというものですので、貯めている以上のお湯を使ってしまうと故障などなくてもお湯が出なくなってしまうのです。最初のうちは、この使い勝手に慣れずにお湯切れを発生させてしまう…という方も少なく無いので、給湯器としての使い方の違いはしっかりと覚えておきましょう。
なお、エコキュートの導入時には、家族構成をもとに推奨タンクサイズなどが紹介されているのですが、ライフスタイルを無視してしまうと、タンク容量が足りずに頻繁い湯切れを発生させてしまう…なんてことになりかねません。スポーツを良くするご家庭で、シャワーを頻繁に浴びるなどと言ったライフスタイルの方は、推奨サイズよりもワンランク上のタイプを選択するのも手です。