エコキュートが近隣トラブルの原因に?注意しておきたいエコキュートの騒音と冷風について

今回は、家庭で使用する給湯器として、エコキュートを選択した場合に注意しておきたいポイントについてご紹介していきたいと思います。

エコキュートは、電気でお湯を沸かす給湯システムで、貯湯タンクとヒートポンプユニットを組み合わせた仕組みになっています。この給湯器は、一日に使用するお湯をまとめて沸かして貯湯タンクに貯めておくという『貯湯式』の給湯システムです。この特徴ら、電力会社が用意している「深夜帯の電気代が格安になる」プランを活用することで、日々の給湯にかかるコストを大幅に削減できると人気になっています。
しかし、エコキュートの光熱費削減効果を生かすためには、人が寝静まった深夜帯に稼働をすることになるため、騒音による近隣トラブルのリスクが潜んでいると言われているのです。実際に、過去にはガス給湯器からエコキュートに入れ替えしたことで、近隣との騒音トラブルに発展してしまい起訴沙汰にまでなった…という事例が存在しています。

もちろん、エコキュートの稼働に関しては、一般の方が耐えられないような騒音を発するようなことはありません。エコキュートのヒートポンプユニットは、エアコンの室外機と同じような仕組みですので、要はエアコンの室外機から出る騒音と同レベルなのです。しかし、稼働するのが人が寝静まる『深夜帯』と言うことで、周囲が非常に静かな分、エコキュートの音が目立ってしまう訳です。そこでこの記事では、これから家庭の給湯器としてエコキュートを採用しようかと考えている方に向け、エコキュートの設置時に考えておきたい近隣トラブルの原因をご紹介します。

エコキュートの騒音対策はどうすれば良い?

それではまず、エコキュートが引き起こす代表的な近隣トラブルである『騒音』に関する対処法からご紹介していきましょう。「エコキュートの騒音」と言われると、どれだけ大きな音が出るのだろう…と思うかもしれませんが、冒頭でご紹介したように、本来騒音トラブルを引き起こすような大きな音が出るわけではありません。周囲がうるさい昼間であれば、何の問題もないような音なのですが、主に人が寝静まる深夜に稼働するという特性上、「エコキュートの音が気になって寝れない…」なんてクレームが出る場合があるのです。「それでは昼間に稼働させれば良いのでは?」と思うかもしれませんが、エコキュートは電力会社が用意しているオール電化用のプランを活用して給湯コスト削減を行うものですので、それもなかなか難しいわけです。ちなみに、太陽光発電も導入している方であれば、昼間に稼働せることで騒音トラブルの心配がなくなると思います。

なお、エコキュートから生じる音は、楽器の大きな音のような物ではなく、振動による『低周波音』が原因だと言われています。基本的に、日本の法律では低周波音を制限するような法律はないのですが、裁判にまで発展して損害賠償が認められた…というケースもあるようです。
こういったエコキュートの騒音問題に関しては、メーカー側も騒音トラブルが発展するとは全く想定していなかったそうで、エコキュートメーカーによる隣家への騒音対策などは十分になされていないのが現状です。したがって、エコキュートの施工実績が少ない業者に設置を依頼した場合、何の対策も行わないまま設置してしまうため、近隣トラブルに発展してしまうのです。エコキュート激安革命のように、毎日多くのエコキュートの設置を行っているような会社の場合、ヒートポンプユニットの設置時に、制振材や防音シートなどで騒音を和らげる対策を行っています。エコキュートによる近隣トラブルを防ぐためには、設置業者選びも意外に重要だと覚えておきましょう。

設置場所が非常に重要

エコキュートの騒音問題は、設置場所が大きく関係しています。エコキュートから生じる運転音は、内蔵されているヒートポンプから発生しており、運転を開始すると「ブーン」と言った低周波音が生じるのです。

あまり意識したことはないと思うのですが、低周波音を連続して聞いていると、頭痛やイライラ、不眠や食欲不振など、健康被害が生じてしまう人もいると言われています。つまり、エコキュートは、深夜帯にこういった低周波音を連続して発してしまうため、周囲が静かな分、気になって仕方ない…という人が出てきてしまうのです。

特に、エコキュートの設置場所が、隣家の寝室の真横などとなると、寝ようとしたときに「ブーン」という音が聞こえてきて、まともに眠れなくなってしまう…なんてことが考えられます。これがエコキュートによる騒音トラブルの真相だと考えても良いでしょう。
こういった騒音トラブルの対処法としては、エコキュートの設置場所をよく検討するということが大事です。低周波音は、音源から遠くなれば聞こえにくくなりますので、隣家からできるだけ距離をあけて設置するだけでも騒音の苦情の可能性が低くなるでしょう。他にも、換気口など、隣家の開口部からも極力離して設置しておくのがオススメです。
なお、既にエコキュートを設置しているという場合でも、移設することは可能ですので、苦情を言われたときには移設を検討してみましょう。

意外と見落とされがちな『冷風』問題

エコキュートの騒音問題は近年それなりに認識されるようになっています。しかし、エコキュートの近隣トラブル原因は他にもあるのです。

エコキュートは、ヒートポンプ技術によって大気中の熱を効率よく利用できると言う点も非常に大きな特長です。この機能は、エコキュートの光熱費削減にも一役買っている機能なのですが、この特徴により室外機から非常に冷たい風が出るようになるのです。一般的に、エコキュートの室外機から出る風は、外気からマイナス10度程度と言われています。夏場であれば、そこまで大きな問題になりませんが、そもそも寒い冬場になると、さらに冷たい風が生じてしまうため、近隣トラブルの原因となってしまうのです。

例えば、エコキュートの室外機を隣家に向けて設置した場合、冬場に非常に冷たい風がお隣の家に向けて出ていくわけです。そして、それが隣家の窓や通気口付近となってしまうと、あなたの家のエコキュートの風で、室温が下がってしまう…なんて状況になるかもしれませんね。実際にそうなってしまうと、ほぼ確実に苦情を入れられてしまうことになるでしょう。

このように、エコキュートは、騒音対策や冷風対策として、設置場所に注意しなければいけません。エコキュートは、ガス給湯器などよりも圧倒的に大きな給湯システムになってしまうため、もともと設置場所で困ってしまう…なんて場合もあります。その上で、近隣への影響まで考えなければならない…となると、業者のエコキュート施工実績の数が非常に重要になるわけです。エコキュートの依頼先は、こういった近隣トラブルを防止するためにも、慎重に選ぶのがオススメですよ。業者の施工実績や、口コミサイトの評判、SNSで調べてみるなど、施工を依頼する前に業者についても調べておきましょう。

まとめ

今回は、エコキュートの導入を検討している方が知っておきたい、エコキュートによる近隣トラブルの原因についてご紹介してきました。この記事でもご紹介しているように、人が寝静まった深夜帯に稼働するエコキュートは、振動による低周波音が発生し、それが騒音トラブルの原因となる場合があります。実際に、エコキュートの導入によって、近隣住民と騒音トラブルを抱えてしまい、最終的に起訴沙汰にまで発展した…なんて場合あるのです。もちろん、エコキュートが発する音は、楽器やペットの鳴き声のように、人が耐えられない…と感じてしまうような大きな音が出るわけではありません。しかし、「小さな音しか出ない」という特徴から、メーカー側も騒音対策を十分に考慮しておらず、家の立地条件やエコキュートの設置場所が問題で、近隣トラブルに発展してしまっているのです。

エコキュートは、それなりに大きな給湯システムとなるため、「どこなら置けるかな?」という視点で物事を考える方が多いです。しかし、本来こういった考え方ではなく「どこに置けば近隣トラブルの可能性が少ないか?」という視点で設置場所を検討しなければいけません。つまり、エコキュートの設置による近隣トラブルの防止は、設置業者がしっかりとした知識を持っているのかという事が重要になると考えておきましょう。