エコキュートの不具合について!故障事例別に不具合の原因をご紹介します!

今回は、家庭の給湯システムとしてエコキュートをご利用中の方に向け、故障事例別に考えられる故障原因をご紹介していきたいと思います。

エコキュートを導入している方で、突然お湯が出なくなった…なんて不具合が生じた場合、ほとんどの方はエコキュート本体の故障を疑ってしまうことでしょう。しかし、エコキュートの不具合については、故障の場合もあれば、寒さで配管が凍結しているだけ…など、エコキュート本体には何の問題も生じていないという場合があるのです。さらに、同じような症状がみられる不具合だったとしても、その原因はさまざまで、ちょっとした修理で直せる場合もあれば、買い替えが必要になることもあるのです。

当然、一般の方であれば、エコキュートに関する専門知識がないため、何らかの不具合が生じてしまえば、自分で修理することなど不可能だと思います。しかし、「どういった原因で不具合が生じるのか?」ということを押さえておけば、万一の際には適切な行動をとる事ができ、致命的な故障につながってしまうことを防げる可能性もあるのです。そこでこの記事では、エコキュートの代表的な故障事例について、それぞれのパターンはどのようなことが原因で起こるのかについてご紹介していきます。

よくある故障事例① 暖かいお湯が出ない…

エコキュートの最も代表的な故障事例は「暖かいお湯が出ない…」というものです。例えば、エコキュートの『足し湯』ボタンを押したのに、冷たい水しか出ない…などという事例が良くあります。もちろん、タンク内でお湯切れがおきているのであればそれが原因ですが、たっぷりとお湯が残っているのにお湯が出ない…なんて場合は、エコキュート本体の故障が考えられます。
ただし、このような症状でも、エコキュート自体には何の問題もないという場合がありますので、落ち着いてエコキュートの状況を確かめなければいけません。このような症状の場合、以下のような事が原因と考えられます。

原因① 温度調節基盤の故障

「エコキュートからお湯が出ない…」という場合の原因として多いのが、温度を調節している基盤が上手く作動せずに、湯沸かしができなくなっているというものです。この症状は、初期のエコキュートに多く、長年使用しているうちに基盤が故障してしまい、湯沸かしができなくなっているというパターンが多いです。

この症状の場合、エコキュートのリセットをすれば復旧することもあるのですが、リセットしたものの症状が改善しない…という場合はすぐに業者に連絡しましょう。なお、リセットで直った場合でも、基盤に何らかの問題が出ていることに間違いありませんので、本格的に故障する前に一度点検してもらっておくのがオススメです。

原因② 温度検知器の故障

エコキュートは、大気中の熱も効率よく利用してお湯を沸かします。そのため。大気中の熱を取り込むための『室外機コンプレッサー』と呼ばれる部品があるのです。この機器には、温度検知器が取り付けられているのですが、これが故障してしまった場合、お湯が出なくなる…という症状がでます。

温度検知器の故障であれば、部品交換で対応できますので、修理費もそこまでかかりません。

原因③ 配管の詰り

エコキュートは、お湯側の配管が詰まってしまった場合、お湯が出なくなります。この故障の場合は、配管洗浄で直ることもあるのですが、ヒートポンプ配管の詰りであれば、専門業者に修理してもらう必要があります。

こういった配管の詰りは、許可されていない入浴剤を利用した…、井戸水などを利用している…という、使い方の問題で生じる可能性が高いです。特に入浴剤は、エコキュートの故障原因になることが多いので、使用可能な入浴剤をきちんとチェックしたうえで購入しましょう。

関連記事:「エコキュートで入浴剤を使ったら壊れた!?」実は全ての入浴剤が使えないわけではありません!

原因④ 配管の凍結

冬場で、前日の夜が氷点下まで気温が下がった朝などに「お湯が出ない…」という症状が出た場合、給水・給湯配管が凍結してしまっている可能性が考えられます。エコキュートは、氷点下の気温になると、配管凍結の恐れがあると取扱説明書などにも記載されています。特に気温が下がる寒い日は、凍結防止対策を行っておくのがオススメです。

なお、この症状の場合は、エコキュートの故障ではありませんので、落ち着いて対応すると良いでしょう。すぐにお湯が必要でないという場合は、気温が上がって凍結が溶けるのを待っておけば良いです。すぐにお湯を利用したい場合、凍結した配管にタオルを巻いて、その上から人肌よりも少し暖かいぐらいのぬるま湯をかけましょう。熱湯をかけてしまうと、配管が破損してしまう危険があるので注意してください。

関連記事:冬場に起こるエコキュートのトラブル。配管の凍結でお湯が出ない場合どうする?

原因⑤ その他故障ではない原因

上記以外にも、エコキュート利用中にお湯が出ない…という症状が出てしまう場合があります。例えば、昼間にお湯を使いすぎてしまい、タンク内のお湯が切れてしまっている…という場合は、お湯が出なくなります。この場合、リモコンにお湯切れのサインが出ていると思いますので、沸き増しを行ってください。タンク内にお湯が貯まれば、お湯が使えるようになります。

他には、エコキュートを設置したばかりで一晩経過していないという状況で、湯沸かしを開始し忘れてお湯が出ない…などというケースがあります。エコキュートは、基本的に電気代が安い深夜帯にお湯を沸かす設定になっていますので、設置当日に手動で湯沸かしをしていない場合、タンクにお湯ができておらずお湯が出ない…ということになるのです。
これらは、エコキュートの故障ではありませんので、落ち着いて対応してください。

よくある故障事例② お湯が溢れてる…止まらない…

エコキュートは、設定した湯量に調節してくれる機能が搭載されているのですが、浴槽からお湯が溢れてしまう…お湯が止まらない…などの不具合が生じてしまう場合があります。こういった状況になった場合、水位センサの故障が考えられますので、専門業者に点検・修理してもらうのがオススメです。
「お湯が溢れる…」などの不具合は、以下のような原因が考えられますので、頭に入れておきましょう。

原因① 水位センサの故障

浴槽からお湯が溢れているのに止まらない…なんて現象が出る場合、その原因として最初に考えるべきなのは「水位センサの故障…」です。水位センサが故障してしまうと、浴槽内の湯量を正確に計測することができないため、エコキュート側は「設定湯量に達していない」と判断し、お湯が止まらなくなるのです。

水位センサの故障は、部品交換で直ります。なお、水位センサが故障してしまう原因は、日々の清掃などを怠ってしまうことが大きな原因です。定期的なフィルター清掃や配管洗浄は行っておきましょう。

原因② 基盤の故障

基盤が故障してしまった場合も、水位をうまく計測できなくなってしまうことがあります。水位センサではなく、基盤の故障の場合でも、基盤を交換することで問題なく運用できるようになります。まずは、専門業者に修理を依頼しましょう。

原因③ 浴槽循環口が汚れてしまっている

浴槽循環口が汚れてしまっている場合、水位センサに故障が無くても誤作動をおこしてお湯が止まらなくなる…なんて症状が出てしまうことがあります。

特に、毎回入浴剤を入れる、大家族でお風呂に入る回数が多いなどというご家庭は、浴槽循環口が汚れやすいので、小まめに清掃してあげるようにしましょう。ちなみに、この原因であれば故障ではありません。

原因④ その他故障ではない原因

上記以外にも、使い方の問題で湯量調節に不具合が生じてしまう場合があります。以下のような事には注意しておきましょう。

  • 浴槽に人が入っている状態でお湯はりをする
  • 残り湯がある状態でお湯はりをする
  • お湯はりの途中で、エコキュートの湯量設定を変更する

上記に様な場合には、何の故障が無い場合でも湯量の調節が上手くいかず、お湯が溢れてしまう…なんて症状が出るケースがあります。なお、水位センサの故障は「最も少ない湯量設定にしてお湯はりをしてみる」という方法で確認してみましょう。

よくある故障事例③ エコキュート本体からの水漏れ…

エコキュートの故障に関するお問い合わせの中には、「本体から水漏れが見られるのですが…」というものも少なくありません。ただし、エコキュートの水漏れ症状は、故障ではない場合も多いので、以下の原因をしっかりとおさえておき、冷静に対処しましょう。

原因① パッキンなど消耗部品の経年劣化

エコキュートの寿命は10~15年程度と言われているのですが、配管や接続部分に使用されているパッキンなどの消耗部品は5~7年程度が寿命です。したがって、長年使用したエコキュートであれば、こういった消耗部品が経年劣化してしまい、水漏れが発生する…という症状が考えられるのです。

エコキュートを設置して、5年以上何の点検もしていないというご家庭で水漏れが見られた場合、一度専門業者に点検してもらうのがオススメです。消耗部品の交換で修理できる間に直すのがオススメです。

原因② エコキュートとホースに隙間が生じてしまう

エコキュートに接続されているホースが外れてしまったり部分的に隙間が生じてしまう…などといった事が原因で水漏れしてしまう…というケースもあります。これは、何らかの理由で自分でタンクやヒートポンプを動かしてしまった、地震などがあり大きな衝撃が加わったなどといった事で、接続部分が外れてしまうのです。

見るからに外れている…という場合は、自分でも直せそうと考えるものですが、しっかりと安全な装着をしなければすぐに水漏れしてしまう…なんて状況に戻ってしまう可能性があります。自分で直すのではなく、専門業者に修理を依頼しましょう。

原因③ 結露が原因

故障ではない水漏れ症状では、ヒートポンプ部分からの水漏れ症状です。背面に熱交換器があるタイプのヒートポンプユニットは、外気との温度差によって結露水が生じてしまいます。結露水が生じた場合、ヒートポンプから適切に排水されるのですが、これを水漏れと疑ってしまう方が多いのです。

気温が上がれば排水しなくなりますので、どの程度の水が出ているのかによって判断しましょう。昼間になれば止まっているという場合は結露が原因ですので、故障ではありません。

まとめ

今回は、エコキュートを利用中の方がおさえておきたい、代表的なエコキュートの故障事例とそれぞれの考えられる原因についてご紹介してきました。

この記事でご紹介したように、ガス給湯器などよりも複雑な機構になっているエコキュートは、さまざまな不具合が生じてしまう可能性があるのです。ただし、全く同じような症状が出ている場合でも、故障の場合と故障ではない場合がありますので、その辺りの見極めをできるようにしておいた方が良いですよ。
特に、エコキュートの水漏れに関しては、そのほとんどが故障ではないというケースですので、症状を見てパニックになるのではなく、しっかりと状況を冷静に確認するように心がけましょう。