エコキュートの寿命は10年?できるだけ長く使用するためのポイントって何?

今回は、家庭で使用しているエコキュートをできるだけ長く使用するためにおさえておきたいポイントについて簡単にご紹介していきたいと思います。

どのような給湯器を使用していたとしても、一度購入した機器を一生使い続けるようなことはできません。どういった給湯器であっても、『耐用年数(寿命)』というものが存在しており、使用していればいずれ故障が続出することになり、買い替える必要があるのです。エコキュートに関していれば、10~15年程度が寿命と言われており、普通に使っていれば8年程度で何らかの不具合が表面化してくることになります。もちろん、丁寧に使用していれば一般的な耐用年数以上持つ場合もあるのですが、エコキュートの導入を検討している方は10年程度で買い替えが必要と考えておいた方が良いでしょう。
ただし、エコキュートに関しては、まだ販売開始から20年弱しか時間がたっていないため、巷で言われている耐用年数が「正確なのか?」というデータが揃っているとは言えません。このエコキュートの寿命は、機器を構成している部品の寿命や、エコキュートの部品をメーカーが保存している期間が製造終了後10年間程度としているため、使用し始めて10年以降経てば修理したくても取り換えパーツが無くて修理できない…なんて場合があり、そのまま買い替えることになるという点で、寿命目安とされているのです。

それでは、せっかく導入したエコキュートに関して、一般的な寿命と言われている10年を超えて使用したい場合にはどうすれば良いのでしょうか?できるだけ長く使用したいと考えているのであれば、やはりそれなりに使い方を考えなければいけないのです。

エコキュートを長く利用するには?

それでは、できるだけ長くエコキュートを利用したいと考えている方が、注意しておきたいポイントについてご紹介していきましょう。上述したように、エコキュートの寿命は10~15年程度と言われており、おおよそ8年程度経過すれば不具合が表面化するようになります。以下のような症状が出始めたらエコキュートの寿命が近いのかな…と考えた方が良いでしょう。

  • 突然、お湯が出なくなる
  • 設定温度よりぬるいお湯しか供給されなくなる
  • お湯が止まらなくなる
  • 各所から水漏れのような症状が出る
  • エラーが頻発してしまう

このような症状は、エコキュート内部の「水位センサー」や、配管のパッキンなどの部品が経年劣化してしまうことにより発生します。現在使用しているエコキュートで、既にこのような症状が出ている…という場合には、「そろそろ買い替えかな…」と考えた方が良いかもしれませんね。

ポイント① 定期的にタンクの水抜きを行う

エコキュートは、購入してから寿命で使えなくなるまで、さまざまなお手入れが必要です。面倒に思うかもしれませんが、こういったお手入れを怠ってしまうと、エコキュートの故障原因となってしまい、本来の耐用年数すら持たずに使えなくなってしまう…なんて可能性もあるのです。

特に見落とされがちなお手入れに関しては、貯湯タンクの水抜きというお手入れがあります。エコキュートは、一日に使用するお湯をまとめて沸かして、それをタンクに貯めておくという仕様になっています。したがって、貯湯タンク内には常に水かお湯が満タンに入っているということです。タンクの水抜きに関しては、「綺麗な水道水が入っているのだから、放っておいても良いのでは?」と考える人がいるのですが、実はそうでもないのです。
貯湯タンクの定期的な水抜きを怠ってしまうと、水道水中の不純物がそこに沈殿してしまうことになります。そしてそれらの沈殿物は、ゴミや湯ドロとしてお風呂の中に混ざって供給されてしまうことになるのです。つまり、何年もタンクの水抜きを放置してしまうと、不衛生なお風呂になるだけでなく、沈殿物が詰りの原因となり故障を招いてしまうことがあるのです。タンクの水抜きを行いたいときの手順は、以下の記事でご紹介していますので、参考にしてください。

関連:エコキュート使用時の注意点!使い方によっては寿命を縮めてしまいます…

ポイント② ヒートポンプユニットの水抜きを行う

タンクの水抜き同様に、エコキュートを長く使用するためにはヒートポンプユニットの水抜き(空気抜き)も大切です。タンクの水抜きと同様に、年に2・3回程度の頻度で行うのが推奨とされています。ヒートポンプユニットは、エコキュートの心臓部分でもありますので、これを怠ってしまうと、寿命よりも早く買い替えが必要になるなんてことも考えられます。
ヒートポンプユニットのお手入れ手順は以下を参考にしてください。なお、メーカーごとに微妙に手順が異なりますので、実際に行う場合には、取扱説明書をよく確認してから行ってください。

  1. ① ヒートポンプユニットの水抜き栓を全て1回転以上回して開いてください。(場所は取扱説明書で確認してください。)
  2. ② 1分間以上、水が出てくることを確認してください。なお、水抜き栓は完全に抜かないでください。
  3. ③ ①で開いた水抜き栓を閉じて完了です。

ポイント③ その他、細かな部分のお手入れ

貯湯タンクやヒートポンプユニットは、エコキュートを構成する非常に重要な部分ですので必ず推奨される頻度のお手入れを欠かさなないようにしましょう。しかし、エコキュートは、他にもさまざまな部品が使われていますので、それらの細かなお手入れも忘れずに行ってください。
例えば、エコキュート漏電遮断器のお手入れや逃し弁のお手入れなども、年2~3回程度必要と言われていますので、上記のお手入れに合わせてまとめて行うのがオススメです。他には、配管のパッキンなど、消耗品の交換なども不具合が生じる前に行うことで、寿命をのばすことにつながります。

ポイント④ エコキュート周辺の環境

ここからは、普段の生活の中でエコキュートを使用する際に注意しておきたい運用方法についてご紹介していきます。エコキュートは、基本的に屋外に設置するように設計されていますので、それなりに頑丈な作りになっています。しかし、何も考えずに使用してしまうと、エコキュートの寿命を縮めてしまう可能性があるのです。

例えば、ヒートポンプの周辺に物をたくさん置き、側面・背面の吸込口や正面の吹出口を塞いでしまうと、エコキュートの能力低下や故障の原因になってしまいます。したがって、エコキュートをできるだけ長く良い状態で使用するためには。ヒートポンプユニットの設置環境にも注意を払う必要があると考えておきましょう。基本的にエコキュートの周辺には何も置かないのがオススメです。

ポイント⑤ 長期間使用しない時の対処

旅行など、長期間エコキュートを使用しないとわかっている場合は、以下のような対処をしておきましょう。きちんと、状況に応じた対応を取ることでエコキュートの負担が減り、寿命を延ばすことにつながります。

  • 長期間使わない場合は、エコキュートの電源を切っておく。ただし、冬季は配管凍結の恐れがあるため、電源を入れたままにしてください。
  • 1カ月以上使用しないとわかっている時は、貯湯タンク内の水を全て排水しておきましょう。

ポイント⑥ メーカーや販売店とメンテナンス契約をする

①~⑤までを見て分かるように、エコキュートは定期的な点検・メンテナンスが欠かせない設備であり、それらのメンテナンスを怠ってしまうと、本来の耐用年数も持たずに故障してしまう危険があるのです。しかし、それなりの頻度でさまざまなパーツのメンテナンスが必要となると「面倒でやっていられない…」「忘れてしまいそう…」などと不安になってしまう人も多いのではないでしょうか?
そういった方であれば、メーカーや販売店が行っている点検サービスなどに加入しておくのがオススメです。多少コストはかかってしまいますが、自分ではメンテナンスが難しい部分もきちんとメンテナンスしてくれますし、故障を早期発見することで、エコキュートの寿命をのばすことにもつながります。どうしても「自分では難しそう…」という場合は、専門家に任せるという対応がオススメですよ!

まとめ

今回は、家庭の給湯システムとして年々その人気が高くなっているエコキュートの寿命についてご紹介してきました。

この記事でご紹介したように、エコキュートの耐用年数は、10~15年程度と言われており、8年以上使用したエコキュートであれば、徐々に不具合が頻発するようになります。もちろん、この寿命に関しては、まだ新しいシステムということもあり、データが完全に揃っているわけではありません。そのため、特に小まめなメンテナンスなど気にせずに使用していたとしても、10年を余裕で超えて問題なく使用できている…というご家庭もあることでしょう。
しかし、一般的には、必要なメンテナンスをきちんとこなしていたとしても、10年を超えれば頻繁にエラーコードが表示されたり、水漏れ症状がみられたり…なんて症状が出てくるようになります。したがって、エコキュートの購入時点から、10年程度のスパンで買い替えが必要になると想定して使っていくのがオススメかもしれません。

もちろん、エコキュートは、ガス給湯器と比較すると、導入コストが高くなってしまいますので、できるだけ長く同じ機器を使い続けたいと考える方がほとんどだと思います。しかし、エコキュートに関しては、現在多くのメーカーが開発に参入しており、10年もたてば機能面や省エネ性能などが段違いに上がってくるのです。したがって、無理に古い機種を使い続けるよりも、思い切って買い換えた方が日々の給湯コストも下げることができ、結果的にお得になるという場合もあると覚えておきましょう。現在、エコキュートの買い替えか修理で迷っているという方がいれば、「8年以上使っているエコキュートか?」ということを目安にしてみるのがオススメです。現行モデルのエコキュートは、太陽光発電との連携が考えられたものや、便利なアプリを活用してさらに省エネ性能を高めたものなどが登場していますので、8年以上使用しているのであれば、基本的に買い替えがオススメです。