IHクッキングヒーターを導入するなら!利用者がおさえておきたい故障時の対処法について

近年では、オール電化を導入するご家庭が増加しており、調理の際に利用するコンロに関しても、IHクッキングヒーターの人気が非常に高まっています。一昔前までであれば、「IHクッキングヒーターは火力が弱い…」などと言う噂も出回っていたこともあり、IHクッキングヒーターの使い勝手に懐疑的な目を向けていた方も多いのですが、最近では問題なく火力を発揮できることが知れ渡っており、安全な調理器具としてガスを併用しているご家庭でも導入する方が増えています。

IHクッキングヒーターは、平らな天板になっていることで、日々のお手入れが非常に楽になることや、直接火を使わない加熱方式であるため、小さなお子様や高齢者の方でも安全に利用できるということがメリットとして捉えられています。しかし、「直接目で火を確認できない…」この調理器具は、何らかの不具合が生じていたとしても、それになかなか気付くことが出来ない…というデメリットが存在しています。もちろん、天板が割れてしまった…などと言った問題であればすぐに気付けるのですが、出力が弱くなるなどの問題をすぐに気付けるような方はいないと思います。

今回は、IHクッキングヒーターの導入をお考えの方や、実際に利用している方に向けて、故障時の対処法について簡単にご紹介したいと思います。

故障時の対応について

IHクッキングヒーターのような調理器具は、毎日使用する設備でもありますし、小さな不具合でもすぐに気付ける…と考えている方が多いです。しかし、IHクッキングヒーターは、不具合が生じていても、見た目上は何の問題も出ていないように見えるため、故障しているのかどうかの判断が非常に難しいものなのです。

さらに、「異音がする…」「ランプが点滅する…」など、一見機器が故障してしまった…と疑ってしまうような症状が出ていたとしても、実はIHクッキングヒーター自体には何の問題も生じていない…という場合まであるのです。したがって、IHクッキングヒーターの故障を疑った時には、まずは何が原因でその不具合が生じているのかをしっかり確認できる知識を身につけなければいけません。ここでは、一見故障のように思えるけど故障ではない症状と、業者に連絡したほうが良い症状をご紹介しておきます。

故障と間違いやす症状

まずは、IHクッキングヒーター利用者が故障と間違えやすい症状からご紹介しておきます。以下で紹介するような症状が出た場合、故障を疑ってしまいますが、ほとんどの場合、機器には問題が出ていませんので安心しましょう。

  • 電源を切ったのに内部から音が聞こえる…
    IHクッキングヒーターは、電源を切ったとしても内部を冷却するために、しばらくの間ファンが回ります。したがって、電源切ったのに異音がする…と故障を疑ってしまう人もいるのですが、異常ではありません。
  • ラジエントヒーターが使用中に消えることがある
    加熱中にヒーター部分が赤くなったり、消えたりする…という症状を見た場合、故障を疑ってしまう人が多いです。しかし、これは機器が火力調整をしているだけですので、何の問題もありません。
  • 鍋を加熱すると異音が鳴る…
    鍋を加熱する場合、鍋底の方から異音が鳴る…という場合があります。この場合、ほとんどの方が故障を疑ってしまうでしょう。しかし、このような症状は、鍋側に問題があり、ホーローの密着が悪い鉄ホーローなどの鍋・鍋底が薄いものの場合、異音が鳴ることがあるのです。つまり故障ではありません。
故障を疑った際に、上記のような理由であれば機器に問題が出ているわけではないありませんので安心しましょう。

修理が必要な症状

それでは、IHクッキングヒーターの不具合の中で、業者さんに修理してもらう必要がある不具合とはどのようなものなのでしょうか?以下のような症状が出た場合、業者さんに連絡しましょう。

  • 煮こぼれした後から、IHクッキングヒーターの電源がつかなくなった
  • 加熱時間が明らかに長くなっている、暖まらない
  • 何らかの理由でIHクッキングヒーターのトッププレートが割れた(亀裂が入った)
  • 温度調節ができなくなった
  • ラジエントヒーターが作動しなくなった
  • 温度調整用の操作ダイヤルが効かなくなった
  • ロースターが動かなくなってしまった

上記のような症状が出ている場合は、IHクッキングヒーター本体の故障と考えられますので、販売店かメーカーに連絡し、修理or買い替えの相談が必要です。保証期間内であれば、無償での修理が可能だと思います。

IHクッキングヒーターの保証について

どのような住宅設備でも、一度購入すれば一生その機器が利用できるようなことはなく、使用中に故障してしまい、修理や買い替えが必要になります。このような場合、利用者として非常に心強い味方になってくれるのがメーカーや販売店による保証です。ここでは、IHクッキングヒーターの保証に関する基礎知識をご紹介しておきます。

メーカー保証は基本1年

IHクッキングヒーターの耐用年数は、一般的に10~15年程度と言われています。もちろん、家庭によって利用頻度やお手入れ頻度が異なりますので、必ず10年以上にわたって利用できるとは言いませんが、参考として覚えておきましょう。
特に注意が必要なのは、10年以上利用することが想定される住宅設備のわりに、基本となるメーカー保証は1年が普通ということです。毎日使用することを想定すると、少し短い気がする…というのが筆者の考えですので、以下でご紹介するその他の保証への加入も検討するのがオススメです。

  • メーカー保証
    購入した時点でメーカー保証は必ずついています。しかし、保証期間は「購入から1年間」がほとんど、10年以上毎日のように利用する機器と考えると少し心もとないと考えておいた方が良いでしょう。
  • 有料延長保証
    IHクッキングヒーター購入時に追加料金を支払うことで有料延長保証に加入することが可能です。この保証は、メーカーまたは販売店が行っているもので、金額により保証期間が異なります。短いもので3年間、長いものになると10年間の無償修理などが受けられる保証となります。
  • 無料延長保証
    販売店によっては、メーカー保証とは別に販売店独自で製品の補償を行ってくれるというパターンがあります。保証期間は最大でも5年程度までなのですが、非常にありがたい制度と言えるでしょう。ただし、どのようなことまで保証してくれるのかは、販売店によって全く異なりますので購入前にしっかりと確認しておきましょう。

IHクッキングヒーターの保証は、上記のように複数のパターンがあります。つまり、故障時の連絡先に関しては、どの保証に加入しているのかによって変わってくるということなのです。例えば、購入して1年以内の故障であれば、メーカー保証が必ずついていますので、メーカーに連絡すれば対応してもらうことが可能です。しかし、2年目以降でメーカー保証期間が終了していた場合には、ご自身が加入している延長保証によって連絡先が変わるのです。メーカーの有償延長保証に加入していればメーカーに連絡、販売店による保証であれば販売店に連絡するなど、対応の仕方がご家庭によって異なりますので注意しましょう。

よくある故障事例と修理費用について

それでは最後に、IHクッキングヒーターをご利用しているご家庭で、よくある機器の故障事例と、その修理費用相場について簡単にご紹介しておきましょう。修理費用相場に関しては、保証期間が切れていて、無償修理ができない場合を想定しています。

煮こぼれなどでIHクッキングヒーターに不具合が…

IHクッキングヒーターの天板部分には、内部に水が侵入しないようシーリングで防水処理がされています。しかし長く使用していれば、この天板シールが劣化してしまい、煮こぼれした水分が浸水してしまうことがあるのです。内部に水が浸水してしまった場合には、基盤が故障してしまい電源がつかなくなる…などの不具合が出る可能性があります。
対処としては、すぐに電源を切り、濡れた部分をしっかりと拭いた後、ドライヤーなどで乾燥させましょう。しっかりと乾燥したのを確認しきちんと動作するか試してみてください。それでも動かなければ、メーカーや販売店に修理依頼をするしかないでしょう。このような場合の修理費用相場は、1~4万円前後となります。

トッププレートが割れてしまった…

ガスコンロから入れ替えしたばかりの人などに多いのですが、ガスコンロと同じようにフライパンを振ってそれが天板ぶつかり割れてしまう…ということがあります。他にも、重たい鍋を落としてしまい、割れてしまうなどと言った事もあります。
天板が割れてしまうと、自分で修理するようなことはできませんので、すぐにメーカーか販売店に連絡し修理してもらいましょう。小さな亀裂でも、放置して使っていると、そこから浸水が起こり、内部基盤まで破損させてしまうことがあるのです。そうなってしまうと、天板の交換だけでは済まなくなりますので、修理費用も高くなってしまいます。天板の交換だけであれば、1~3万円程度が修理費用相場です。

まとめ

今回は、IHクッキングヒーターの導入を検討中の方や、実際に利用中の方がおさえておきたい、故障時の対処や保証についてご紹介してきました。

IHクッキングヒーターは、オール電化住宅には必須の調理器具ですし、年々その利用者は増加していると言えるでしょう。しかし、この調理器具は、鍋底とトッププレートが接していることで加熱ができるシステムになっており、ガスコンロとはかなり使い勝手が違ってくるということはおさえておいた方が良いでしょう。何も知らずにガスコンロと同じように使用してしまうと、天板を割ってしまうなどの故障を誘引してしまう原因となります。

また、保証に関してはメーカーによる基本保証が1年間が普通と、かなり短い印象があります。上述したように、1度購入すれば10年以上も利用することが想定される住宅機器となりますので、故障時のことを考えると何らかの延長保証への加入がオススメだと思います。延長保証に加入していれば、万一の故障時でも無償で修理してもらえますし、安心して利用することができるようになります。