「エコキュートで入浴剤を使ったら壊れた!?」実は全ての入浴剤が使えないわけではありません!

一日の疲れをとるため「毎日の入浴を楽しみにしている!」という人は多いのではないでしょうか。最近では、いろいろな入浴剤が販売されており、肩こり腰痛を緩和してくれるものや、お家のお風呂で本格的な温泉気分を味わえるような入浴剤もあります。お風呂好きの方であれば、毎日のお風呂に入浴剤を入れてリラックスしている人も多いことでしょう。
しかし、実は家庭の光熱費を大幅に削減してくれる効果があるエコキュートは「入浴剤を使ったら壊れてしまう…」なんて情報を目にすることもあり、光熱費削減効果と毎日のお風呂の楽しみの狭間でエコキュートの導入に悩んでしまっている…という人も多いようです。実際に、弊社に来るエコキュートのお問い合わせの中にも「エコキュートを導入すると入浴剤が使えないって本当ですか?」というものも少なくないのです。

それでは、『エコキュートに入浴剤は厳禁!』という情報は本当なのでしょうか?確かにエコキュートの中には、入浴剤の使用を禁止している機種があったのも事実ですが、最近のエコキュートの中には入浴剤を使用しても問題ないような機種もあるのです。さらに、エコキュートの普及が進んでいることから、入浴剤メーカーによるエコキュート対応の入浴剤が開発されるようになっているなど、今では毎日のお風呂を楽しみながら光熱費削減を目指せる時代になっているのです。
そこで今回は、エコキュートと入浴剤の関係について簡単にご紹介します。

入浴剤を使うならこまめなメンテナンスを

「入浴剤を使うとエコキュートが故障する」という情報は間違いで、メーカーが推奨しているものであれば何の問題もないということは分かりました。しかし、エコキュートを導入しているご家庭で、毎日入浴剤を利用する場合にはもう一つ注意しなければならないことがあります。それは、通常よりもエコキュートのメンテナンスを小まめにしてあげることです。メーカーが認めている入浴剤だとしても、やはり水以外の成分が含有されることとなりますので、メンテナンスを怠ってしまうと寿命を縮めてしまう原因になるのです。

普段から行いたいエコキュートのメンテナンス

まずは普段から欠かさずに行っておきたい簡単なメンテナンスです。お風呂は毎日使用するものですので、普段のメンテナンスを怠ってしまうと、あっという間に汚れが蓄積してしまいます。以下のポイントを覚えておきましょう。

  • お風呂終わりにするメンテナンス
    お風呂の使用後はきちんと入浴剤の成分や汚れを洗い流してください。これだけでも配管に入浴剤の成分や汚れが蓄積するのを防ぎます。
  • 自動配管洗浄機能を使う
    自動配管洗浄機能がついているエコキュートであれば、常にこの機能をオンにしておきましょう。それだけで配管に入浴剤の成分などを残さないようになります。
  • 浴槽フィルターを洗浄する
    浴槽フィルターに目詰まりが起こると、故障の原因になったり、追い炊きしても温度が上がりにくい…などの不具合が出ます。入浴後は配管入り口についているフィルターをきちんと洗浄するようにしましょう。

定期的に行いたいエコキュートのメンテナンス

次は、毎日ではなくても、数カ月おきなど、定期的に行いたいメンテナンスについてです。上述のように、毎日小まめにメンテナンスをしていたとしても、エコキュートの配管などには汚れが蓄積してしまいます。衛生的に考えても、配管の中に汚れがあるのはいい気分ではないでしょうし、以下のようなメンテナンスを進めましょう。

  • 配管の洗浄
    数カ月おきで良いので、配管の洗浄を行いましょう。配管洗浄をするためのモードは説明書に記載されていますので、指示通りに行いましょう。
  • 貯水タンクの洗浄
    貯水タンクも定期的に洗浄しましょう。長期間、同じエコキュートを使用している場合、タンクの底に不純物が溜まってしまい、それがお風呂のお湯に混ざって排出されてしまうことがあります。不衛生なお風呂になってしまうので、定期的にメンテナンスをしましょう。

代表的なエコキュートメーカーと入浴剤の使用について


それではまず、代表的なエコキュートメーカーについて、それぞれのメーカーが販売しているエコキュートにおいてどのような入浴剤が利用できるのかご紹介しておきましょう。エコキュートは近年非常に人気の高い給湯システムとなっているため、多くのメーカーがエコキュートの開発を進めています。当然、メーカーごとに重視するポイントが異なりますので、自分が最も譲れないことは何か?をよく考えてエコキュート選びを進めましょう。
ここでは、ダイキン・コロナ・パナソニック・日立が開発するエコキュートについて、入浴剤との関係を簡単にご紹介しておきます。

ダイキンのエコキュートと入浴剤について

ダイキンのエコキュートは、全般的にバスクリンが入浴剤として利用可能です。また、にごり湯系統の入浴剤も使用可能な機種があるなど、豊富な入浴剤を楽しむことが可能です。
ただし、酸、アルカリ、硫黄、塩などが含まれている入浴剤は使用不可とされますので注意しましょう。なお、エコキュート全般に言えるのですが、固形物やとろみのあるタイプの入浴剤は、故障の原因となるため使用不可となっています。

コロナのエコキュートと入浴剤について

メーカーとしての知名度は低いのですが、非常に高い性能を持つことで、近年エコキュート業界でとても人気があるのがコロナです。コロナのエコキュートは、バブやバスクリン、バスロマンなど、薬局などで販売されている有名入浴剤については基本的に問題ありません。しかし、ダイキン製同様、酸、アルカリ、硫黄、塩などが含まれている入浴剤や固形物、とろみのあるタイプは使用不可です。

パナソニックのエコキュートと入浴剤について

家電の王様ともいえるパナソニックもエコキュートを販売しています。パナソニックのエコキュートは、フルオートタイプ以外のセミオート・給湯専用タイプのものは入浴剤の使用が可能です。使用できる入浴剤は、バスクリンやきき湯関係のものです。
しかし、にごり湯タイプの入浴剤や最近人気のバブルタイプの入浴剤は使用不可となりますので注意しましょう。なお、ダイキン製の時に紹介した、酸、アルカリ、硫黄、塩などが含まれている入浴剤やとろみのあるタイプもNGです。

日立のエコキュートと入浴剤について

最後は日立製のエコキュートです。日立製のエコキュートは、バブ、バスクリン、きき湯、バスロマンなどの入浴剤が利用可能です。ただし、上述したパナソニック製のエコキュート同様、にごり湯タイプのものは使用不可となります。また、バブルタイプの入浴剤や生薬タイプ、ミルクタイプのものも基本的に使用不可となります。エコキュートは、目詰まりが故障の原因となるため、にごり湯系やとろみ系は基本NGとなります。

関連記事:【2019年8月版】人気メーカーの最新モデル『エコキュート』!各社の性能ってどうなの?

そもそもエコキュートと入浴剤の相性が悪い理由は?

ここまでで、エコキュートが完全に入浴剤が使えないという情報は間違いだと分かりましたね。それどころか、バブやバスクリンなどの有名入浴剤に関しては、基本的にどのメーカーのエコキュートでも利用可能です。ちなみに、メーカーごとの使用可能入浴剤に関しては、公式サイトなどできちんと公表されていますので、エコキュートを購入する前に確認しておくのがオススメです。公式サイトに記載されている入浴剤は、メーカー側が使用実験をきちんと行って、故障の可能性がないと証明されているものですので安心です。お客様の中には、「ダイキンのエコキュートはにごり湯が使えると書いてたからコロナもOKだと思った…」などと言う方がたまにいますが、上述の通り、メーカーごとに使用可能な入浴剤は異なります。ちなみに、メーカーが推奨していない入浴剤が原因で故障した場合、保証してくれなくなる可能性が高いので、入浴剤を使用する場合にはきちんと導入しているエコキュートのメーカーサイトを確認してください。

それでは、入浴剤の中でエコキュートに悪影響を与えてしまうものがある理由は何なのでしょうか?実は、エコキュートの中でも追い炊き機能や自動保温機能がついているタイプのものは、バスタブとエコキュートがつながっているのです。そのため、バスタブに入れた入浴剤が循環してしまい、エコキュートの機械に不具合を出してしまうわけです。例えば、粒子が溶けにくいタイプの入浴剤であれば、フィルターが目詰まりを起こしてしまったり、入浴剤に含まれる成分で金属部分が酸化して腐食してしまったりするわけです。以下に、エコキュートに悪影響を与える代表的な入浴剤の特長をご紹介しておきますので、そういったタイプのものは注意しましょう。

  • 白濁色・とろみ成分
    循環口のフィルターを目詰まりさせてしまう可能性が高いです。また、ポンプ内に湯垢が付着しやすくなるため、故障の原因になります。
  • 発砲成分
    発泡した泡が配管内に入り込んでしまった際、ポンプのセンサーが反応してしまう可能性があり、センサーが正常に作動できなくなります。
  • 硫黄、酸、アルカリ、塩分など
    配管やエコキュートの金属部分のサビや腐食の原因になります。
  • 固形物
    生薬など、お湯に入れても解けないような固形物は、フィルターが詰まる原因になります。

ちなみに、給湯専用タイプやセミオートタイプなど、追い炊き機能などが搭載されていないエコキュートは、機械自体に入浴剤が循環しないので使用できる入浴剤のタイプが多い傾向にあります。

まとめ

今回は、エコキュートと入浴剤の関係についてご紹介しました。エコキュートについては、多くのサイト内で「入浴剤は使用できない」などの情報が記載されていることもあり、導入を躊躇してしまっている人も多いのではないでしょうか。毎日のお風呂を楽しみにしている方であれば、お風呂に入れる入浴剤も楽しみの一つとなりますので、いくら光熱費削減効果が高くても導入はできない…なんて考える人もいるかもしれません。
しかし、本稿でもご紹介したように「エコキュートに入浴剤が使えない」という情報は間違いであり、一部の入浴剤が使えないだけで非常に幅広い入浴剤は何の問題もなく使用可能なのです。最近では、入浴剤のパッケージ側に「エコキュート使用可能」などと記載されているものもありますし、メーカーが推奨している入浴剤を使って毎日のお風呂を楽しむこともできると思います。ただし、お風呂に入浴剤を利用するのであれば、通常よりこまめなメンテナンスが必要になるかもしれません。メンテナンスに関しては、小まめにしてあげる方が寿命も延びますので、入浴剤の使用有無など関係なく、本来は小まめにすべきものですので、そこまで大きなデメリットではありません。