エコキュートの設置工事に関するよくある質問をご紹介!

今回は、エコキュートの設置を検討した方が、実際に工事を行う前に疑問に思ってしまうことについてご紹介していきたいと思います。

エコキュートは、ヒートポンプユニットを採用した給湯システムで、他の給湯器と比較しても大幅に給湯コストの削減ができると年々その需要が高まっています。特にここ数年は、自宅で使用するエネルギーを電気に統一するオール電化住宅を選択するご家庭も増えており、必然的に給湯器はエコキュートを選ぶというケースもあるのです。
それでは、エコキュートを導入する場合に、お客様が不安に思ってしまうポイントとはどういったものがあるのでしょうか?代表的なものを少し上げると、エコキュートはガス給湯器などよりも大型な設備となるため、設置場所の選定や実際の工事に関する事前質問は意外と多いです。他には、「エコキュートは近隣との騒音トラブルに注意しなければならない…」という情報が出回っていることもあり、どういった対策を取れば良いのか?という感じの質問も多いです。

そこでこの記事では、エコキュートの導入を検討している方に向けて、打ち合わせ時などに良く聞かれる質問とその答えをご紹介していきたいと思います。

関連:エコキュートの基礎知識に関するよくある質問はこちら

エコキュートの設置工事に関するよくある質問とその答え

それでは、エコキュートの設置工事に関して、お客様から良くいただく質問に関してご紹介していきましょう。

質問① エコキュートを屋内に設置することは可能ですか?

騒音問題などを気にしてエコキュートの屋内設置を検討している方も少なくありません。最近では、マンションなどにも設置できる小型のエコキュートや設置スペースをあまりとらない薄型タイプのエコキュートが登場しているのも大きな要因かもしれませんね。
しかし、忘れてはいけないのは、『エコキュートは原則として屋外設置する設備』だということです。設置場所の問題などで、やむを得ず屋内に設置する場合でも、ヒートポンプユニットは必ず屋外に設置することになります。ヒートポンプは冷媒のCO2漏れによる酸欠、冷風による室内温度の著しい低下などのリスクがありますので、屋内設置を希望する場合でも貯湯タンクのみとなります。なお、タンクを屋内設置する場合は、密閉室ではなく必ず通気口を設ける必要があります。

質問② 設置スペースはどのぐらい確保しないといけない?

購入するタイプによって異なります。エコキュートの設置スペースに関するよくある勘違いで、「メーカーサイトなどに記載されているエコキュートの本体サイズを確保すれば良い!」というものがあります。しかし、エコキュート本体とピッタリのサイズでは、設置するための作業スペースがありませんので注意しましょう。基本的に、エコキュートを設置する際に確保する必要があるのは、導入を考えているエコキュートの本体サイズに加えて、施工やメンテナンスのため「貯湯タンク前面から600mm以上」のスペースを確保する必要があります。
なお、エコキュートが稼働する場合には、ヒートポンプから冷風がでますので、近隣住宅との距離を考えて、ヒートポンプの向きに注意する必要があります。

質問③ 基礎工事は必要ですか?

エコキュートの貯湯タンクは、常に水が入った状態となるため、非常に重量があるものです。したがって、設置の際はアンカーボルトなどでしっかりと脚を固定する必要があるのです。
基礎に関しては、地盤がしっかりしている場合、簡易な方法での設置も可能ですが、軟弱地盤の場合は必ず必要と考えておきましょう。なお、電気温水器からエコキュートへ入れ替えするといった場合、既存基礎が再利用できる可能性がありますので、そういった場合は不要です。

質問④ お風呂が2階なのですが大丈夫ですか?

2階以上にお風呂があるお宅では、通常のエコキュートよりも水圧が高いタイプをオススメしています。エコキュートの設置後、水圧に不満が出るぐらいであれば、最初から高水圧タイプのエコキュートを選ぶのがオススメです。

質問⑤ 給湯専用タイプを検討していますが、リモコンの増設は可能ですか?

給湯専用タイプの場合、リモコンを2台設置すると通信不良を起こしてしまい動作不良が発生してしまいます。したがって、リモコンの増設はできません。

質問⑥ 塩害地ですが設置可能ですか?

塩害地域対応型であれば可能です。ただし、エコキュート本体に直接潮風が当たる場所への設置は避けなければいけません。塩害地に設置する場合、建物の影や潮風を遮蔽する塀などを設ける必要があります。なお、外装などに塩分が付着しても、雨水で洗い流せるような場所に設置することでメンテナンスの手間を削減することができるでしょう。

質問⑦ 2世帯住宅でお風呂が2か所ですが1台で問題ないでしょうか?

2世帯住宅などでは、お風呂が2か所あるという場合も多いですね。この場合、1か所のお風呂は自動湯はり機能を使用することは可能ですが、2か所目は水栓から落とし込み方式による給湯となります。それぞれのお風呂について、共に自動湯はりをしたいというのであれば、エコキュートも2台設置する必要があります。なお、2世帯で住んでいるご家庭で、共にお湯をそれなりに使用するといった場合、頻繁にお湯切れが発生してしまい、エコキュートの給湯コスト削減効果も薄くなってしまう危険があります。

質問⑧ 井戸水を利用していますがエコキュートは使えますか?

井戸水対応型エコキュートを選択すれば問題なく使用可能です。
ただし、井戸水を生活用水として利用しているご家庭では、エコキュート導入の前にメーカーによる水質検査を行う必要があります。メーカー検査の結果、水質に問題が無いと判断されなければ導入することはできないと考えておきましょう。

関連記事:井戸水対応型エコキュートの詳細についてはこちら

エコキュートの使用に関するよくある質問とその答え

次は、エコキュートの使用に関する質問についてご紹介しておきましょう。もともと他の給湯器を使用していたご家庭で、エコキュートに入れ替えをする場合、さまざまな疑問や不安が存在することでしょう。

質問① 本当に給湯コストは安いのですか?

エコキュートは、深夜帯の電気代が格安になる料金プランを活用することや、高効率なヒートポンプ技術が採用されていることで、家計にかかる給湯コストを大幅に削減できるという事が人気の理由です。しかし、給湯器を入れ替えするだけで、本当に給湯コストが安くなるのか…と不安になる方も多いのではないでしょうか?
参考として、エコキュートの人気メーカーでもあるパナソニックが公表しているデータをご紹介すると、エコキュート激安革命がある関西圏では、電気温水器の約1/4、石油給湯器や都市ガスと比較すると約1/3にまで給湯コストが安くなると言われています。ただし、このデータはお湯切れなどを発生させない家庭に最適なエコキュートを導入していることが前提ですので、機種選びを失敗してしまうと、給湯コスト削減効果を得られなくなってしまう可能性はあります。

参考:パナソニック公式サイト

質問② 季節によってエコキュートの電気代は変わりますか?

変わります。
エコキュートは、ヒートポンプ技術が採用されており、これは大気中の熱を効率よく利用してお湯を沸かすというものです。つまり、外気温が高い夏場と低い冬場では活用できる熱量が大きく異なるのです。なお、東北地方など、冬場は極端に気温が下がるような地域では、配管凍結を防ぐために凍結防止ヒーターなどを動かす必要もありますので、冬場の方が給湯コストが高くなると考えておきましょう。

質問③ 停電したら使えないのですか?

原則として、停電している状態ではエコキュートのお風呂機能は利用できません。ただし、ガス給湯器などの場合でも、着火に電気を使用していますので、停電してしまうとエコキュート同様に使用できません。
エコキュートは、停電時にお風呂機能が使えなくなるのにかかわらず、「災害に強い給湯器」と紹介されることがあります。これは、あらかじめ貯湯タンクにお湯を貯め置きしておくというシステムとなっているため、停電が発生した場合でもタンクに貯めている分のお湯を手動で取り出して使用することができるためです。もちろん、タンクに貯めているお湯を使い切ってしまうと、お湯は使えなくなります。

質問④ 入浴剤は使用できますか?

メーカーが認めている入浴剤は使用可能です。ただし、入浴剤によってはエコキュートの故障原因となってしまうタイプがありますので、他の給湯器と比較すると使用可能な入浴剤の種類は少なくなります。
メーカーの公式サイトや、取扱説明書などで使用可能な入浴剤が記載されていますので、「お風呂に入浴剤は必要!」とお考えの方は、お好みの入浴剤が利用できるのかきちんと調べたうえで機種選びを進めましょう。

関連記事:エコキュートと入浴剤の関係についてはこちら

質問⑤ お湯はそのまま飲めるのですか?

通常のエコキュートの場合、タンク内のお湯はそのまま飲用しないでください。特に、長く使用したエコキュートの場合、タンク内に水垢がたまったり、配管材料の劣化などで水質が変わってしまっている場合があるのです。取扱説明書にも記載されていますが、必ず煮沸してから飲んでください。
なお、日立製エコキュートの中には、水道直圧給湯を実現したエコキュートがありますので、このタイプを導入すればそのまま飲用しても構いません。

まとめ

今回は、エコキュート導入前に、お客様から良くいただく質問とその答えをまとめてご紹介してきました。エコキュートは非常に給湯コストが安いということで、年々その人気が高くなっています。しかし、ガス給湯器などの瞬間式給湯器を長く使用している方であれば、使い勝手がかなり変わってしまうということもあり、さまざまな不安を持ってしまうみたいですね。

ここで紹介した質問と答えは、特に多くいただくものを厳選してご紹介したものですので、上記以外に不安に感じていることがあれば、お気軽にお問い合わせください。