エコキュートの寿命って?買い替えを考えるべき故障ってどんな状態?

今回は、エコキュートの寿命と判断して、買い替えを考えた方が良い故障の症状をご紹介したいと思います。 近年では、環境に優しい『エコ』なエネルギーが非常に注目されており、自宅の屋根に太陽光パネルを導入して、日々の生活に必要な電気を自家発電で賄っているという人も増加しています。実は、エコキュートを利用した給湯システムも、近年世界中の課題とされている、地球温暖化に悪影響を与えるとされる二酸化炭素を減らすことができる『エコ』な給湯器としてオススメです。さらに、エコキュートは、電気料金の安い夜間電力を利用して給湯するというシステムのため、日々の光熱費を削減することもでき、省エネライフにつながる一石二鳥の給湯方式です。 しかし、いくらエコで、省エネな一石二鳥のエコキュートとはいえ、導入してから長く利用できなければ意味がありませんよね。そのため、エコキュートの導入前に誰もが気になるのが、エコキュートの耐用年数や耐久年数と呼ばれる『寿命』なのではないでしょうか?エコキュートの故障や、症状によってどのような対応をとれば良いのか知らなければ、修理か買い替えか迷ってしまうことにもなりますので、「エコキュートが寿命だな…」と考えるべき故障は知っておいて損はありません。 そこで本稿では、エコキュートの一般的な故障や、買い替えタイミングと思った方が良い故障のサインをご紹介します。

エコキュートの故障の種類

ひとくちに「エコキュートの故障」といっても、故障にもいくつかのパターンが存在します。故障の内容や症状によっては、部品交換だけで済むなど、比較的簡単に修理ができる故障もありますし、逆に買い替えが必要になる故障もあるのです。あらかじめエコキュートの故障の種類を知っておけば、いざという時にどのような対応をとれば良いかわかりやすいので、まずはエコキュートの一般的な故障の種類をご紹介します。

エコキュートの初期故障

エコキュートは、さまざまな部品が複雑に組み合わさり、一つの製品として機能する精密な機械です。したがって、テレビやパソコンなど、他の電気製品にもありがちな『初期不良』もエコキュートの故障として珍しいものではありません。もちろん、こういった初期不良に関しては、無償で修理対応してもらえるので、使用する人にとってはそこまで大きな問題にはなりません。 また、エコキュート初期の故障には、配管や配線など、設置段階で何らかのミスがあり、正常に作動しないということもあります。これは、所謂「施工不良」や「設置不良」などと呼ばれるものですが、こちらの場合も施工業者に連絡すれば無償対応で設置しなおしてくれます。

経年劣化による摩耗故障

エコキュートの故障として最も多いのは『摩耗故障』です。摩耗故障という言葉はあまり聞いたことが無いかもしれませんが、これはエコキュートの湯量などを管理する場所に使用されているパッキンや弁が、何度も利用しているうちに摩耗してしまう現象です。これは、何年も利用した水筒の蓋が摩耗してしまい、蓋が緩くなってしまう現象をイメージすれば分かりやすいかもですね。 エコキュートも、使用していると、パッキンや弁が酷使されてしまい、経年劣化による摩耗が起こり、正常な動作が行えなくなるわけです。こういったタイプの故障は、摩耗したパッキンや弁などの部品を交換すれば問題ありませんので、通常は定期的なメンテナンスなどで交換を行います。しかし、メンテナンスを怠っていると、摩耗した弁から水漏れが起こり、冷媒回路などの他の箇所が故障してしまうこともあります。そうなると、修理費用も高額になってしまいますので注意しましょう。 エコキュートは、使用していると、エコキュートの性能に関係のない、自然劣化が起こる部品がありますので、定期的なメンテナンスが重要です。

偶発故障

エコキュートを設置した初期段階では気付けなかった問題が、時間の経過とともにさまざまな障害を起こし、故障につながることを『偶発故障』と呼びます。これは、エコキュートに限らず、様々な製品で起こる故障の一つです。 どのようなことが偶発故障になるのか一例をあげておきましょう。

  • 初期段階では気付くことができなかった電子部品の接触不良があり、それが時間の経過とともに徐々に問題となる
  • 配管にわずかな歪みがあったが、初期段階では気付けなかった。使用しているうちに、何かの拍子で歪みが大きくなり、水漏れが発生した。
偶発故障は、上記のようなもので、エコキュートの故障の中では珍しいケースと言えます。しかし、この類の故障は、エコキュートの寿命を縮めてしまう原因にもなりますので、急にエラー表示が出るようになった場合などはすぐにメンテナンスするようにしましょう。ちなみに、初期不良と証明できない場合は、無償修理はしてもらえないと考えておいた方が良いです。

エコキュートの故障でよくみられる症状

それでは、エコキュートが故障してしまった時に、よく見られる症状をご紹介しましょう。一般的に、エコキュートが故障してしまうと以下のような症状が出ます。

  • お湯が止まらなくなる エコキュートからお湯が止まらなくなる場合、湯量の管理を行う「水位センサー」が故障していることが多いです。センサーが故障してしまうと、正確な湯量が計測できなくなるため、いつまでもお湯を出し続けてしまうわけです。この場合、速やかに修理する必要があります。
  • 水しか出なくなる 上記とは逆に、お湯が出なくなるという故障もあります。これは、温度管理面における電子部品の故障が多いです。初期不良でもよく見られる故障ですが、経年劣化や偶発故障も考えられるので、速やかに修理を依頼しましょう。
  • 水漏れが見られる これは、上述した摩耗故障の代表的症状です。パッキンや弁が摩耗してしまい、水漏れが起きているのです。定期的にメンテナンスを行っていれば、こういった経年劣化しやすい部分はきちんと交換してくれるのですが、メンテナンスを怠った場合にはとても多い故障です。
エコキュートが故障してしまった時には、上記のような症状が出ます。ただし、ヒートポンプから水がポタポタ漏れているように見える場合やお湯が出ない場合は、エコキュートの故障が原因でないときもあるので注意しましょう。 ヒートポンプや貯水タンクは、結露した水滴が水漏れのように見えることもあり、これを水漏れと疑う人が多いです。また、エコキュートは断水状態になるとお湯が出ませんので、住んでいる地域が断水していないかも確認するなどして故障かどうか判断するようにしましょう。

エコキュートの寿命と思った方が良い故障について

それでは、エコキュートの買い替えを考えた方が良い故障についてご紹介しましょう。以下のような故障が見られる場合には、エコキュートの寿命と考えて、買い替えを考えた方が良いでしょう。

エコキュートの耐用年数が近づいたときの故障は買い替えがオススメ

エコキュートに限らず、製品には耐用年数というものがあり、それに近づいたときに故障が現れた場合は、修理ではなく買い替えサインと考えた方がお得です。当たり前ですが、修理するにも費用がかかります。そう考えると、修理してもすぐに寿命が来ますし、耐用年数付近であれば、別の箇所が悪くなることも考えられ、修理費用が無駄になってしまうことも少なくないのです。 エコキュートは、耐用年数が近づくとともにエラー表示がよく出るようになりますので、「最近、エラー表示をよく見るな…」と思った時には、寿命が近いのだなと考えておきましょう。

自然災害による故障は買い替えの方がお得?

台風や豪雨による洪水など、自然災害によってエコキュートが故障してしまった場合、修理できないことが多いです。また、修理可能だとしても、修理費用が非常に高額になってしまうことが多いので、買い替えがオススメです。 エコキュートは、上述しているように、様々な部品が組み合わさった精密な機械ですので、自然災害で思わぬ故障に見舞われることも少なくありません。特に、災害直後には何の問題もなさそうに見えても、内部に浸透した汚水によって、ゆっくりと壊されるというパターンが多いのです。したがって、洪水の汚水などに浸かった時には、修理を行っても、次から次へと故障が出てくるということが珍しくなく、気付けば「買い替えた方が安かった…」なんてことが多いのです。

上記以外の買い替えがオススメの故障

最後に、「エコキュートの耐用年数が近い」「自然災害で故障」以外で、エコキュートの寿命と考えて買い替えを検討したほうが良いパターンをご紹介します。

  • 修理費用が10万円以上かかる故障 エコキュートの故障の中でも、ヒートポンプユニットの交換などは、10万円以上の修理費用がかかる場合があります。このような場合は、他も悪くなっていることも考えられますし、交換したほうが結果的に安く付くということが多いです。
  • 修理しても、同じエラーが出る 修理してもエラーが出る場合、耐用年数が来ていなくても、エコキュートの寿命と考えた方が良いです。次に修理したとしても直る保証はありませんし、修理費の無駄になる可能性が高いです。したがって、こういったパターンは、買い替えが賢い選択と言えるでしょう。
  • 15年以上利用しているエコキュート エコキュートの耐用年数は10~15年と言われています。したがって、この耐用年数を超えて利用しているエコキュートに故障が発生した場合は、買い替えサインと考えましょう。修理したとしても、すぐに他の箇所が故障する可能性もあり、修理費が無駄になるケースが多いです。
エコキュートの故障が、上記の3つのどれかに当てはまる場合、その故障は『買い替えサイン』なのだと考えましょう。

まとめ

今回は、エコキュートを利用している人が、修理か買い替えかを迷った時に、ぜひ参考にして欲しいエコキュートの寿命と考えるべき故障についてご紹介しました。 本稿でもご紹介したように、そもそもエコキュートの耐用年数は10~15年程度が一般的です。したがって、それを目安に「エコキュートの寿命」を判断している方は多いのではないでしょうか?しかし、エコキュートに関わらず、どのような製品でも、きちんとメンテナンスを行っているのかによって、寿命が延びたり短くなったりするものです。したがって、エコキュートを利用している人の中には、15年を超えても現役で利用できている人もいますし、逆に5~7年程度で買い替えが必要になるほど故障してしまう人も珍しくないのです。 エコキュートは、摩耗故障してしまうパッキンや弁が利用されているように、使用すればするだけ、劣化が進行してしまう部品が使われています。したがって、定期的にそういった部品を交換する等のメンテナンスを行っておくことで、買い替えが必要になる重大故障を防ぐことも出来るのです。 どちらにせよ、一生持つものではありませんので、本稿でご紹介した内容を参考に、エコキュートの寿命を的確に判断しましょう!