蓄電池と太陽光の連携が話題！そもそもこの二つを連携させるのにはどんなメリットがある？

今回は、普段ご紹介しているエコキュートに関することではなく、近年一般住宅の間で大注目となっている『家庭用蓄電池と太陽光発電の連携』についてご紹介したいと思います。太陽光発電システムに関しては、東日本大震災以降、再生可能エネルギーの注目度が非常に高くなったことから、一般家庭にもかなり普及しています。これは、太陽光エネルギーを電気に変換する設備で、屋根上などに設置していれば、家庭内で使用する電力を自家発電できることから、電気料金削減効果や地球環境問題への貢献など、さまざまなメリットがあると言われます。
それでは、この太陽光発電と蓄電池の連携がなぜ注目されているのでしょうか？そもそも太陽光発電は、『日光』を電力に変換するものですので、日照のない夜間などは発電することができません。したがって、通常の住宅用太陽光発電を導入した場合、夜間に使用する電力は当然電力会社から購入するわけです。発電量が多ければ、昼間に発電した電気のうち、余剰分を売電に回し、収支がプラスになるようなご家庭もあるのですが、そういったご家庭ばかりではありません。そこで、蓄電池を導入することで、昼間に発電した電気を貯めておき、夜間は蓄電池に充電した電気が利用できるようになるため、より効率的な太陽光発電の活用で、電気料金削減効果がさらに上がるわけです。特に2019年は、固定価格買取制度（FIT）が終了する家庭が多く登場し始めますので、そういった家庭では、売電価格が極端に下がり、自家消費に回した方がお得になると言われているので家庭用蓄電池の需要が急上昇しているのです。

そこで今回は、イマイチ蓄電池の利便性が分からない…という方のため、蓄電池と太陽光発電を連携した時のメリットをいくつかご紹介していきます。

太陽光発電と蓄電池を併用することのメリット

蓄電池は、もともと産業用として活躍していた設備ですが、近年、一般家庭へも急速に普及がひろがっています。これは、その言葉通り、「電気を貯めておくことができる設備」のことなのですが、それではこの蓄電池と太陽光発電を連携することにはどのようなメリットがあるのでしょうか？
以下に、太陽光発電と蓄電池を併用することのメリットをいくつかあげてみます。

細かく見ていけば他にもメリットが存在すると思いますが、代表的なメリットは上記のようなものとなります。
それぞれのメリットについては、以下でもう少し詳細にご紹介していきましょう。

太陽光発電と蓄電池連携による6つのメリット

ここまでで、太陽光発電を利用している方にとって、蓄電池を連携させることにより、非常に多くのメリットがありそうだということがわかりますね。ここでは、上であげたメリットについて詳細にご紹介しておきます。

効率的に太陽光発電が利用でき、さらなる電気料金削減効果が！

冒頭でご紹介したように、太陽光発電システムとは、太陽光エネルギーを電力に変換するという設備ですので、日照のない夜間や天候不順の場合には十分に発電することができません。したがって、日照が十分な昼間などであれば太陽光発電で作った電気を利用できるのですが、夜間や悪天候時には発電することができず、電力会社から電気を買わなければならないのです。
しかし、家庭用蓄電池を導入している場合、昼間に発電した電気のうち、余剰分を蓄電池に貯めておくことが可能です。したがって、発電できない夜間でも、昼間作った電気を利用することができるようになり、電力会社から購入するのは足りない分だけとなり、買電量が減少するので、さらなる電気料金削減が可能になるのです。特に、最近の電力会社の電気料金形態は、エコキュートなどのエコ商材の登場もあり、深夜帯が極端に安く設定されていることが多いです。そのため、太陽光発電システムをまだ導入していないご家庭でも、安い深夜帯の電気料金で充電し、昼間に貯めておいた電気を利用するなどして、電気料金削減を目指すことが可能です。

災害時にもバックアップ電源として活躍

蓄電池は、もともと大量なエネルギーを必要とする大規模施設や、一定の圧力・温度を保たなければならない危険物施設など、産業用施設において、万一、停電してしまった場合のバックアップ電源として活用されていたものです。しかし、東日本大震災を契機に、一般家庭での非常用電源として家庭用蓄電池が俄然注目を浴びるようになったのです。
家庭用蓄電池の容量は、そこまで大きいものではありませんので、長時間の放電には適していません。しかし、台風や地震などで発生する大規模停電など、非常時に備えるための設備としては非常に有用です。現在も開発が進んでいる家庭用蓄電池は、万一の停電時でも、照明や冷蔵庫など、さまざまな家電を動かしたとしても半日程度は問題なく動作させることが可能です。さらに、太陽光発電と併用しているのであれば、昼間に充電することができますので、長期間の停電でも安心して生活を維持することができるようになるでしょう。

より効率的な売電運用が可能

太陽光発電と蓄電池の連携は、太陽光発電で作った電気の売電量を最大化することが期待できると言われます。上述しましたが、近年の電気料金形態では、深夜帯の電気代が格安となっているため、電気料金が安い深夜帯に電気を貯め、それを日中に使用するという運用も可能となります。つまり、昼間太陽光発電で作る電気をマルっと売電に回し、家庭に必要な電気は蓄電池で賄うということが可能なのです。特に、現代日本人の生活であれば、昼間は仕事や学校で家を空けるということも多いため、蓄電容量の大きなものを導入して、より賢い電力運用を構築することができるのです。
蓄電池の導入は、今までになかった効率的な電力利用を実現させるためのアイテムになるのです。

節電意識の改善

最近のエコ商材も同様ですが、太陽光と蓄電池の併用の場合、「現在の発電量はどの程度か？」ということや、「1日にどの程度電気を使用したのか？」「現在どの程度電気を消費しているのか？」など、電気の使用に関する情報を『見える化』することが可能です。
したがって、今まで特に気にすることもなく、何気なく利用していた電気ですが、その使用量が逐一目で確認することができるようになるため、「できるだけ無駄に使いたくない！」という意識が芽生える人が多いと言われています。当然、家庭の節電意識が高まることは、大きな電気料金削減効果があります。

『電力不足』解決に貢献できる

家庭用蓄電池の導入は、個人的メリットだけでなく、社会的にも大きなメリットがあると言われます。それは、現在、社会問題ともなっている『電力不足』の解決に貢献できるという点です。
皆さんも実感していると思いますが、近年、日本の夏はどんどん猛暑化しているとも言われており、真夏ともなれば40℃近い気温になることなど珍しくありません。そのため、一般家庭や会社の事務所などでも、当然エアコンをフル稼働させることとなります。こういったたくさんのエアコンが稼働することもあり、ピーク時には電力需要がひっ迫し、いつ大規模停電が発生してもおかしくないような状況になっていると言われているのです。
こういった電力不足の問題については、一般家庭にもっと蓄電池が普及し、多くの家庭がピーク時の電気を蓄電池から使用する状況になれば、一気に解決に導くことも可能だと言われています。さらに、蓄電池に充電する電気も太陽光発電で作ったものであれば、化学燃料の使用を減らし、CO2削減にも貢献できるわけです。

卒FITとなっても安心

『卒FIT』は、固定価格買取制度（FIT）の売電を終えた設備のことを指しています。これは、2019年問題などとも言われているのですが、簡単に言うと、今まで固定価格買取制度で高額な価格で売電していたものが、その制度の終了に伴って売電価格が一気に下落してしまう問題です。特に、卒FITとなった場合、夜間の安い電気料金よりもさらに安い売電価格となってしまうため、太陽光発電で作った電気は自家消費したほうが断然お得になると予測されているのです。
上述していますが、太陽光発電は夜間に電気を作ることができないため、蓄電池が無い場合は売電するしかありません。しかし、家庭用蓄電池を導入すれば、余剰電力を夜間利用に回すことができるため、家計の光熱費削減が可能となるのです。

まとめ

今回は、太陽光発電と家庭用蓄電池を連携させることのメリットについてご紹介しました。本稿でご紹介したように、太陽光発電と家庭用蓄電池を上手に連携させることで、効率的な電気の利用や売電量の最大化など、大きな経済的メリットを得ることが可能となります。さらに、地球温暖化などの環境問題が叫ばれる現在では、CO2排出量削減を期待できる再生可能エネルギーを賢く利用することは、将来の子供たちにより良い地球環境を残していくために、必要不可欠になることだと思います。
現在、太陽光発電を利用している方も、これから太陽光発電の導入を検討している方も、さまざまなメリットがある家庭用蓄電池の併用を考えてみてはいかがでしょうか。