IHクッキングヒーターの調子が悪い?故障を疑った時の対処法について
近年では、オール電化住宅への注目度が非常に高くなっており、キッチンで使用するコンロに関してもIHクッキングヒーターを選択する方が多くなっています。もともとガスコンロの方が広く普及していたように思えるのですが、IHクッキングヒーターは調理の際に火を使わない器具となるため、住宅火災などのリスクも低くなるなど、その安全性の高さも人気の理由の一つです。さらに、太陽光発電や家庭用蓄電池などを導入するご家庭が増えており、それらの設備との相性が非常に良いということもIHクッキングヒーターを選択する大きな理由になっているのでしょう。
このように、便利で安全な調理器具として広く普及してきたIHクッキングヒーターですが、使用する方の増加に比例して故障やトラブルなどの相談も増えていると言われています。そこで今回は、IHクッキングヒーターの故障とその対応についてご紹介してまいります。
もくじ
IHクッキングヒーターの故障とは
それではまず、IHクッキングヒーターをご利用中の方において、よくある故障やトラブル事例について簡単にご紹介しておきましょう。IHクッキングヒーターの注意点としては、ガスコンロとは根本的に加熱の方法が変わるため、ガスコンロと同じように調理をしてしまうと、それが原因で故障してしまうことがあるということです。
ここでは、IHクッキングヒーターの代表的な故障事例と、それを修理するための大まかな修理費用をご紹介しておきます。
天板・トッププレートの亀裂
IHクッキングヒーターの故障で非常に多いのが、鍋やフライパンを加熱する部分である天板(トッププレート)に亀裂が入ってしまう…割れてしまう…というものです。IHクッキングヒーターは、天板として特殊なガラス板がはめ込んであるのですが、ガスコンロと同じように鍋を振ってぶつけてしまう…、重い鍋を誤って落としてしまう…などと言ったことで割ってしまう場合があるのです。
特に、ガスコンロを長く使用していた方がIHクッキングヒーターに入れ替えたばかりのころに多いです。
このような天板を割ってしまった場合には、メーカーに修理依頼を出せば天板部分を交換してくれます。内部に水が浸入して他の故障まで誘発していれば別ですが、天板部分の修理のみであれば3万円前後の費用で修理可能です。
煮こぼれ・吹きこぼれによる故障
ガスコンロであれば、火にかけていた料理が吹きこぼれたとしても、コンロ自体が故障してしまう事態に発展することは少ないです。しかし、長く使用したIHクッキングヒーターなどは、パッキン部分が緩んでしまい、吹きこぼれた水が内部まで侵入してしまうことで故障することがあるのです。簡易的な対処としては、ドライヤーなどで乾燥させる方法がありますが、それでも調子が悪い場合にはメーカーに修理の依頼を出しましょう。
この場合の修理費用に関しては、4万円前後になることが多いです。なお、耐用年数近くまで使用している場合であれば、思い切って買い替えるのもオススメです。
故障と間違えられることが多い症状について
IHクッキングヒーターは、天板が割れてしまう…などと言ったもの以外であれば、一般の方が見た目だけで故障と気付けない場合も多いです。また、逆に「故障したかな…」と思っても、単に使い方を間違っているだけという場合も少なく無いのです。
ここでは、故障としてメーカーに修理を依頼する前にチェックしておきたいポイントをいくつかご紹介しておきます。
故障とよく間違えられる現象
IHクッキングヒーターなど、日常的に使用する設備に関しては、普段と少しでも違う現象があっただけで故障を疑ってしまう方が多いです。しかし、以下のような症状の場合は、故障ではない可能性が高いため安心しても大丈夫です。
- 使用中の鍋の底から音がする
調理中に異音がすると「故障?!」とびっくりしますが、鉄ホーローや底が薄い鍋は音がなることがありますので故障ではありません。 - 電源を切っているのに音が鳴る
電源を切った直後に「ブーン」などと言った音が聞こえる場合があります。これは、冷却のためにファンが回っていることで生じる音の可能性が高いです。したがって、それほど心配はいらないでしょう。 - ラジエントヒーターが調理中に点滅
調理中に、設備の一部が点滅すれば驚いて故障を疑ってしまう場合が多いですね。しかし、これは温度や火の調整のお知らせで、故障ではありません。
上記のような症状は、故障を疑ってしまう代表的なものです。基本的には故障ではありませんので、心配いりません。
自分で直せない場合は速やかに修理を依頼しよう
IHクッキングヒーターを利用している際に、誤って天板を割ってしまった…、鍋をかけているのに加熱できない…など、自分ではどうしようもない事態になった場合、速やかにメーカーに連絡し修理してもらいましょう。天板の小さな亀裂程度であれば、「まだ修理しなくても使える」などと考えて修理を後回しにする方がいるのですが、亀裂部分から水が侵入してしまい、内部の故障まで誘発した場合、修理費用が高くなってしまうことがあるのです。
こういった設備は、不具合の早期発見・早期対応が修理を安く済ませるコツですので、「自分では直せない」と感じたらすぐにメーカーに相談しましょう。以下に、自分で対処することが難しい、IHクッキングヒーターの故障事例もいくつか挙げておきます。
- トッププレートの亀裂・破損
- 時間がたっても、ヒーター部分が熱くならない
- ラジエントヒーターが熱くならない
- 温度調節が効かなくなった
- ロースターが使えない
IHクッキングヒーターのエラーコードについて
最後に、IHクッキングヒーターで、良く表示されるエラーコードとその原因をメーカー別にご紹介しておきます。
パナソニック エラーコード『U15』
まずは、パナソニックの据置きIHクッキングヒーターのエラーコードです。このタイプで『U15』のエラーコードが表示された場合、「揚げ物そりなべ自動OFFが働いた」という内容になります。なお、このエラーコードが表示された場合であれば、基本的に故障ではありません。以下のような事が原因ですの確認してみましょう。
- 使用している鍋の鍋底に2mm以上のソリや変形がある
- 鍋の底、もしくは天板に汚れが付着している
- トッププレートが熱い時に揚げ物をした
- 予熱中に別のヒーターに移して揚げ物をした
- 「揚げ物」機能を使って湯沸かしや煮炊きをした
対処法としては、鍋に反りや変形がある場合は鍋を変える、汚れがある場合は取り除くなどです。
日立 エラーコード『C16/C17』
日立のIHクッキングヒーターにおいて『C16/C17』のエラーコードが表示されている場合、鍋底の異常加熱を検知したというものです。なお、基本的にこれも故障ではありません。このエラーコードが表示されるのは以下のような事が原因です。
- 使える鍋の条件を満たしていない
- 鍋底が剥がれかけている
基本的に、鍋側が問題ですので、使用可能な製品なのかをきちんと確認してみましょう。なお、鍋底が剥がれかけているようなものは、局所加熱が起こってしまい、天板の破損にもつながりますので、鍋を買い換えましょう。
三菱電機 エラーコード『U1』
三菱電機のIHクッキングヒーターで『U1』のエラーコードが表示される場合、空焚きを検知したという意味です。つまり、故障ではなく使い方の問題です。よくあるパターンとしては、鍋の予熱をしようとして忘れてしまっているというパターンです。十分に本体が冷えてから使えば問題ありません。
東芝 エラーコード『FLP』
東芝のIHクッキングヒーターでは、トッププレートに『FLP』というエラー表示が出る場合があります。これも故障ではありません。
この表示が出た場合、トッププレートの吹きこぼれを検知したということです。トッププレートの操作部などに水滴が付着しているとこのエラーが出ますので、加熱を停止してトッププレートの水滴を取り除きましょう。
まとめ
今回はIHクッキングヒーターの調子が悪い?故障を疑った時の対処法についてご紹介してまいりました。いかがでしたでしょうか?
IHクッキングヒーターは、ガスコンロのように直接火を使わない加熱方式となるため、故障していたとしても見た目上は何の問題も出ていないという場合が多いです。そのため、故障か故障でないかの判断がなかなか難しいものですので、しっかりと取扱説明書などを確認しておくのがオススメです。