初めてのIHクッキングヒーター!長持ちさせるためにおさえておきたい使い方の注意点について

オール電化の普及率が年々高まっている近年では、調理の際に使用するコンロもIHクッキングヒーターを選択する方が増えています。エコキュート激安革命にも、ガス給湯器からエコキュートへ入れ替えする際に、ガスコンロもIHクッキングヒーターに交換したいという問い合わせは非常に多いです。

IHクッキングヒーターは、天板が平坦なので日々のお掃除が楽になることや、火力が強いことからお湯が早く沸く、そして何より「火」を使わない加熱方式となっているため、住宅火災のリスクが低くなるなどのメリットが注目されています。ガスコンロは、ガス漏れによる事故や、調理中に室温が高くなってしまうなど、さまざまな欠点が存在するのですが、IHクッキングヒーターを選ぶことでそういったガスコンロの欠点を補うことができるのです。

このように、非常に優れた調理器具として人気になっているIHクッキングヒーターは、新築物件などに選ばれるようになっているのはもちろん、単身用のマンションや高齢者が生活する住まいなど、非常に幅広い世代から支持されるようになっています。ただし、今まで長くガスコンロを使用していた人が、IHクッキングヒーターに入れ替えした場合、使い勝手が大幅に変わることから、不注意で故障させてしまう…なんて事例が少なくありません。
そこでこの記事では、ガスコンロからIHクッキングヒーターに入れ替えを検討しているなど、初めてIHクッキングヒーターを利用する方がおさえておきたい使用時の注意点をご紹介していきます。

IHクッキングヒーター使用時の注意点

それでは、初めてIHクッキングヒーターを使用する方がおさえておきたい注意点をご紹介していきましょう。長くガスコンロを使用した人の中には、IHクッキングヒーターに交換して、使い方がかなり変わってしまうことで戸惑ってしまう方も多いと思います。もちろん、慣れてくれば困ることもなくなりますが、最初のうちは、不注意で破損させてしまい、無駄な修理費用がかかってしまう…なんてことも多いので、以下のポイントはおさえておきましょう。

保温機能付容器の加熱に注意!

IHクッキングヒータは、加熱できる容器が決まっています。導入初期によくある失敗として、コーヒーなどが冷めてしまった時に、温め直そうとする行為があります。例えば、ステンレスやホーロー製の鍋に入れ替えて加熱するのであれば問題ないのですが、保温機能付きの容器に入れて加熱してしまうと破損してしまう危険があるのです。

保温機能付き容器(水筒など)は、空気の層が作られています。そして、それを加熱することで内部の空気が膨張してしまい、弱い部分から破損してしまう…なんてことがあります。最悪の場合、容器が破裂して怪我をしてしまう…なんてこともありますので注意です。こういった容器は、ガスコンロや電子レンジで加熱できない…という認識を持っている人が多いのですが、「IHクッキングヒーターは安全!」というイメージから、温めてしまう方もいるのです。特に、人生経験が少ないお子様などであれば、何も分からずに加熱してしまうということが考えられますので、「水筒などは加熱できない!」ということを教えておきましょう。

使用可能な調理器具の種類

上述したように、IHクッキングヒーターは、加熱可能な調理器具が限られます。IHクッキングヒーターは、空焚き防止機能や揚げ物調理中の油温度の検知など、年々高機能化が進んでおり、ガスコンロなどと比較すれば「圧倒的に安全な調理機器だ!」という認識が強くなっています。

しかしその一方で、加熱可能な調理器具が限られており、オールメタル対応でなければアルミや銅などの調理鍋を使用することができません。また、揚げ物時の油の温度検知は専用鍋を使う必要があるなど、意外に制限が多いものなのです。最近では、IHクッキングヒーターの導入率が高くなっていることから、これに対応する調理器具が増えており、オールメタルにこだわらなくても使用可能な鍋やフライパンが多くなっています。もちろん、土鍋など、金属以外の素材であれば、基本的に加熱することができませんが、これに関しても金属プレートを埋め込んだ土鍋が登場しており、「土鍋でご飯を炊く!」なんてことも可能になっています。

注意が必要なのは、IHクッキングヒーターで加熱できる素材が使われている鍋やフライパンでも、『底径サイズ』が12cm未満となってしまうと、検知できない場合があるということです。また、主材料は金属で作られている調理器具でも、ゴムなどが付属されているものは危険ですので使用しないようにしましょう。
ガスコンロからIHクッキングヒーターに交換する場合、調理器具の買い替えも必要になるのですが、上述したポイントを押さえて、慎重に調理器具を選ぶようにしてください。

ホーロー製品の注意点

IHクッキングヒーターで使用可能な調理器具は、鉄やステンレス製品、ホーローなどがありますが、空焚きや強火で使い続けると、変形したり破損する場合があります。特にホーロー製品の場合、急激な加熱が可能なビルトインIHクッキングヒーターで、強火加熱を繰り返すとガラスが破損してしまう恐れがあります。

ホーロー製品はガスコンロでも強火に注意と言われていますが、IHクッキングヒーターは熱効率が非常に良いため、特に注意が必要なのです。したがって、極力中火以下で加熱するようにしましょう。なお、ホーロー製品を強火で使用したからと言って、直ちに破損してしまう…というわけではありません。あくまでも、繰り返し負荷をかけると破損しやすくなる…といった感じです。

重い鍋を使用する際は注意

調理に使用する鍋やフライパンの中には、非常に重量のあるタイプも存在します。最近では、「美味しい料理ができる!」などと、特殊な調理器具が人気になっていますが、こういった重量のある器具を使用する場合は特に注意が必要なのです。

というのも、IHクッキングヒーターが、天板にガラストップが採用されており、重量のある鍋を勢いよく置く、誤って落とす…などと言った行為で、割ってしまう方が非常に多いのです。IHクッキングヒーターの天板は、交換することも可能ですが、修理費用が5万円以上かかるのが普通ですので、かなり大きな出費になってしまいます。したがって、こういった事が起こらないよう、重量のある調理器具を使用する際は注意しましょう。

なお、ガスコンロは、鍋を振って調理を行うのが普通ですが、IHクッキングヒーターは、鍋底が天板に接していなければ加熱できません。つまり、ガスコンロ時代のように、鍋振りはできないと考えておきましょう。IHクッキングヒーターを導入したばかりのころは、ガスコンロの時の癖でフライパンを振ってしまい、天板を破損させてしまう…という方も多いので、この点も注意してください。

IHの掃除方法について

IHクッキングヒーターは、天板がフラットになっているため、掃除が非常に楽だと言うこともメリットの一つです。このメリットを生かすように、毎日小まめにお掃除しておくのがオススメです。というのも、IHクッキングヒータは、内部に水が侵入しないよう、パッキンなどで防水処理がされていますが、消耗部品のため徐々に劣化してしまいます。そのため、吹きこぼれなどを放置してしまうと、内部に水が侵入し、基盤が故障してしまう危険があるのです。せっかく、掃除がしやすいという特徴がある機器ですので、長持ちさせるためにも、小まめなお掃除がオススメです。

メーカーなどでは、中性洗剤やクリームクレンザーなどを使用してお掃除することを推奨しています。ただし、頑固な油汚れなどが付着している場合、なかなか落とすことができませんので、そういった場合は、アルカリ電解水をガラストップ上に吹きかけて、キッチンペーパーなどで拭くという方法がオススメだそうです。ちなみに、アルカリ電解水によるお掃除は、滑り止めが剥げ落ちる可能性などがあるため、メーカーではあまり推奨していないということです。この辺りは、自己判断で行ってください。

停電への備えが必要

これは、オール電化を選択する方が絶対におさえておきたいポイントです。オール電化の弱点として有名なのは、停電してしまうと全ての住宅設備が使用できなくなる…というものです。ガスや水道などと比較すると、比較的復旧が早いと言われる電気ですが、近年増加している大型台風では、大量に電柱が倒れてしまい、数週間電気が復旧しない…なんて被害も増えているのです。したがって、自然災害が多い日本に住む限りは、万一の停電対策は検討しておくのが良いでしょう。

現在、住宅の停電対策として最も有効と言われている方法が『太陽光発電+家庭用蓄電池』と言った体制を作っておくということです。太陽光発電は、日射を電力に変換することができる設備で、停電時でも自家発電した電力で生活することができるようになります。しかし、悪天候時や夜間など、日射が無い場合は発電することができず、最も電気が必要な夜間は、太陽光発電だけでは心もとないのです。そこでここ数年一気に注目されているのが『家庭用蓄電池』です。家庭用蓄電池は、名称通り、電気を蓄えておくことができる設備で、昼間に太陽光発電の電気を蓄えておけば、夜間は蓄電池から電気を供給するというサイクルを作る事ができます。そのため、大規模停電が発生した場合でも、普段の生活を守ることができると、大注目されているのです。

ただし、太陽光発電も家庭用蓄電池も、導入にはそれなりのコストがかかるのがネックとなってしまいます。両設備を一緒に導入するとすれば、300万円近くのコストがかかってしまいますので、誰もが気軽に導入できる物ではありません。こういった設備の導入が難しい場合は、加熱調理が可能になるように、交換式ボンベのガスコンロなどを用意しておくのも良いでしょう。ただし、こういった製品は、長期間保管した場合、大きな火柱が上がってしまう…なんて事故が報告されていますので、注意してください。個人的には、『Dual Heat』と呼ばれる固形燃料などを用意しておくのがオススメです。携帯式ガスコンロよりは火力が弱いのですが、時間をかければ十分な加熱ができ、災害時でも安全に使用できるのがオススメポイントになります。

関連記事:自然災害による停電に備えるには?停電対策に役立つ設備と、直前の災害対策について

まとめ

今回は、オール電化の普及率が向上している中、どんどん人気が高くなっているIHクッキングヒーターの注意点についてご紹介しました。IHクッキングヒーターは、直接火を使わない加熱方式ですので、小さなお子様や高齢者がいる住まいなどでも安全に使える点が大きなメリットと捉えられています。しかし、もともとガスコンロを使用していたご家庭では、使い方を間違ってしまうことで、危険な目に合ってしまう…なんてことが考えられるのです。

筆者としても、ガスコンロと比較すれば、非常に優れた点が多いと思えるIHクッキングヒーターですので、ガスコンロから交換すること自体はとてもオススメだと言えます。しかし、ガスコンロ時代とは、使い勝手や注意点がかなり違ってくるということは忘れずに、きちんとIHクッキングヒーターの特徴を調べておくようにしましょう。