できるだけ長くエコキュートを使いたい！故障させないための普段のお手入れ方法は？
近年では、普段の生活をする中で、使うだけで光熱費削減を実現してくれる設備が多く登場しています。その中でも、毎日のお風呂などに必要なお湯を作ってくれる『エコキュート』は、さまざまな給湯システムがある中、非常に高い人気を誇っています。エコキュートは、ガス給湯器などとは異なり、電気をエネルギーとしてお湯を作る設備なのですが、この給湯システムは、電気料金が安い深夜帯の電気を利用してお湯を作り置きしておけるというのが特長です。ちなみに、お湯を作り置きしておくという特徴で、万一の災害時でもタンクに貯めているお湯が非常用生活用水として活用できるという点も人気の理由のひとつと言われています。
このエコキュートは、一般家庭に導入され始めて早20年弱となるのですが、多くのメーカーでは10年のメーカー保証がついているのが一般的です。したがって、多くの家庭に普及したのが約10年前程度と考えると、そろそろ保証期間も過ぎて、エコキュートの買い替えを検討しているご家庭も多いように思えます。実際に、エコキュートは使用開始から10年程度経過すれば、さまざまなエラー表示がなされるようになると言われており、「まだ使えるけど、新しいのにした方が良いのか？」という弊社への問い合わせも少なくありません。もちろん、エコキュートはそう簡単に壊れるような軟弱な給湯器ではないのですが、購入してから何のお手入れもしていない…などと言った場合、想定よりも早く故障してしまうことあるのです。
特に、一般の人からすれば「エコキュートのお手入れと言われても、何をすればいいの？」と疑問に思う方も多いことでしょう。そこで今回は、エコキュートのお手入れタイミングやその方法についてご紹介してまいります！
お手入れのタイミングについて
それではまず、エコキュートの日々のお手入れ方法について簡単にご紹介してまいります。ひと口に「エコキュートのお手入れ」といっても、さまざまな種類があります。普段の生活の中で、面倒ですが「こまめに行った方が良いこと」や年に数回で構わないことなど、頻度別にまとめてご紹介しておきましょう。
こまめに行った方が良いエコキュートのお手入れ
まずは、小まめに行った方が良いエコキュートのお手入れからです。普段の生活の中で、お部屋のお掃除をするように、エコキュートのお手入れもしてあげましょう。面倒に思うかもしれませんが、これを行うだけでエコキュートの寿命も長くなり、結果的に維持コストを下げることにつながります。
- 浴槽フィルターの掃除
これは、エコキュート関連のお手入れの中で1番頻度が高いものです。毎日のお風呂などで使用するエコキュートですので、水垢は想像よりはるかに早く溜まります。したがって、週に一度くらいは浴槽フィルターを掃除をするのがオススメです。これを放置してしまうと、フィルターの目詰まりの原因になってしまい、エコキュートが故障してしまう危険がありますので、しっかりと行いましょう。特に、メーカーが認めているものとは言え、入浴剤などを頻繁に使う人は注意です。
半年に1度程度は行いたいエコキュートのお手入れ
次は、半年に1度程度でも良いので、定期的に行っていきたいエコキュートのお手入れについてです。
- 配管の掃除
こちらは頻度は高く無いものの、非常に重要なお手入れと言えます。エコキュートと浴槽の間には配管があり、お湯が循環しています。エコキュートの使用中は、お湯が循環しているので汚れがつくことはないのですが、停止している時間が長いと汚れが溜まってしまうものなのです。
多くのエコキュートには自動洗浄機能がついていますので、配管のお掃除をする場合には、そちらをオンにしておいていただければ問題ありません。自動洗浄機能がない場合は、日常的に洗浄ボタンを押すように心がけましょう。このようなことを行っていても、汚れは溜まるものです。したがって半年に1回は配管のお掃除を行う必要があります。 - 貯湯タンクの水抜き
これは、エコキュートタンク内の汚れを排出することが目的のお手入れです。
エコキュートは夜間電力を利用してお湯を作り置きするシステムという特性上、必ず貯湯タンクが一体となっています。この貯湯タンクは、ステンレスでできていることがほとんどなので錆が出ることはありません。しかし、水道水に含まれる不純物が原因となって、徐々にタンク内に汚れが溜まってしまうものなのです。皆さんもご存知の通り、水道水は殺菌のために塩素が入っていたりミネラルが含まれていたりしますので、それらがタンク内に溜まってしまい、故障の原因となる場合があるのです。お風呂に使うお湯ですので、タンク内に汚れが含まれていると考えると、良い気もしませんし、定期的にお手入れをしましょう。
実際にエコキュートのお手入れをする方法は？
エコキュートのお手入れタイミングはある程度分かっていただけましたね。それではここからは、上述したお手入れに関して、具体的にどのようにすれば良いのかをご紹介していきましょう。
- 浴槽フィルターの掃除方法
まずは浴槽フィルターのお掃除です。浴槽フィルターのお掃除をする場合、最初にフィルターを取り外してください。取り外したフィルターにはよふぉれが付着していますので、大まかにフィルターの水垢を水洗いしてください。だいたいの汚れが落ちたら、網目に詰まっている細かな汚れを丁寧にとっていきましょう。汚れが落ちたら、元の場所に浴槽フィルターを戻して完了です。簡単ですね。 - 配管の掃除方法
エコキュートの配管掃除をする場合には、配管用の洗浄剤を用意してください。エコキュートの取り扱い説明書に、どの洗浄剤を用意すれば良いか書いています。
洗浄剤を用意したら、まずは浴槽に水を溜めてください。次に、洗浄剤を水を溜めた浴槽に入れます。洗浄剤に関しては上記の通り、エコキュートの取り扱い説明書に推奨製品が書かれています。ちなみに、硫黄、酸、アルカリを含んだ洗浄剤は、配管を痛める原因になってしまいますので使用しないでください。逆に酸素系洗剤は除菌効果があり、皮脂汚れを浮かして取り除いてくれるのでおすすめです。洗浄剤を入れたら、エコキュートの洗浄ボタンを押して1時間ほど洗浄水を配管の中で循環させます。その後、浴槽の水を新しい水に入れ替え、今度はすすぎのために30分ほど水を循環させます。最後に水を捨てて浴槽内を清掃すれば終了です。エコキュートの機種ごとに洗浄方法が微妙に異なりますので、取扱説明書を必ず確認して行ってください。 - 貯湯タンクの水抜き方法
貯湯タンクの水抜きを行う場合、まずはじめに漏電遮断機をOFFにしてください。次に、空気が入るようにしてタンク内が真空状態になるのを防ぐため、給水配管専用止水栓を閉じ、逃がし弁レバーを開放します。続いて、排水栓を開いて2分以上排水します。この水の排出が終了したら、逃し弁レバーを閉じて漏電遮断機をONにします。
最後にお湯が出るのを確認します。最初は空気が混じったお湯や水がゴボゴボと音を立てて噴き出してくるかもしれませんが、しばらくすると直りますので心配しなくて大丈夫です。
まとめ
今回は、できるだけ長くエコキュートを使いたいと考える方のために、エコキュートのお手入れタイミングや実際のお手入れ方法についてご紹介してきました。
本稿でご紹介したように、基本的にきれいな水が行き来しているだけで、決して汚れるような原因が無いように思えるエコキュートですが、実はかなりの速度で汚れが溜まってしまうものなのです。特に、水垢などに関しては、普段の生活の中で目にするようなことがほとんどないため、一般の人であればどのような汚れ化もイメージできない…なんて人も多いようです。しかし、エコキュートは、水垢や、お風呂に入ることによる皮脂汚れなど、皆さんが想像している以上に汚れてしまう要因があると覚えておきましょう。
こういったエコキュートのお手入れを放置してしまうと、本来10年以上は問題なく使用できるエコキュートでも、数年でさまざまなエラー表示が出てくるようになる場合があります。目に見えない部分の汚れですので、放置してしまう人も多いですが、本稿を参考にして、ぜひ定期的なエコキュートのお手入れを習慣にするようにしましょう。それがエコキュートを長持ちさせ、給湯システムにかかる維持コストを削減することにもつながるはずです！
