他の給湯器からエコキュートに入れ替え!どんなタイミングがベストと言えるのか?

近年では、現在家庭で使用している給湯器からエコキュートへ入れ替えする世帯が増加していると言われています。エコキュートは、電気でお湯を沸かす給湯器で、エアコンなどにも採用されているヒートポンプ技術が搭載されていることから、大気中の熱も効率よく活用してお湯を作る事ができるため、他の給湯器と比較しても日々の給湯コストを削減できると言う点が人気の理由です。

しかし、家庭で使用する給湯器の入れ替えには、それなりのコストがかかってしまうことになりますし、工事などの打ち合わせにも時間がとられるということで、「今使っている給湯器はまだ使えそうだし、エコキュートが気になるけど入れ替えはやめておこう」と思っている方も多いのではないでしょうか?しかし、給湯器の入れ替えに関しては、壊れてから検討を始めるのでは遅く、本来は給湯器が現役で使用できるうちから検討し始めるのがオススメなのです。
なぜかと言うと、いざ給湯器が故障してから検討する場合、既に家庭でお湯が利用できなくなってしまっているため、「早く入れ替えなければ…」という焦りの気持ちもありますし、慎重に家庭に合う給湯システムを選定する時間もなかなか取れなくなってしまうのです。しかし、既存の給湯器が現役のうちからきちんと検討しておけば、最もランニングコストが安く使える機種や、必要な機能の絞り込みなど、余裕をもっていろいろな給湯器の比較をすることができるようになるのです。

そこでこの記事では、効率よく給湯器の入れ替えを実現するため、エコキュートへの入れ替えを検討すべきタイミングや、その時の注意点をご紹介します。

エコキュートへの入れ替えタイミングは?

それではまず、既存の給湯器からエコキュートへ入れ替えするのに適していると考えられるタイミングをご紹介していきましょう。コストを気にしない方であれば、自分の好きなタイミングで入れ替えすれば良いのですが、基本的には以下のタイミングが入れ替えタイミングと言えるでしょう。

既存の給湯器が故障した時

まず考えられるタイミングとしては、既存の給湯器が故障してしまった時でしょう。この場合は、お湯が使えなくなってしまいますので、次の給湯器を何にするのかを早急に決めて業者さんに依頼しなければいけなくなるでしょう。

住宅設備の故障は、ほとんどの方が「突然使えなくなった…」と考えるものですが、この考え方は少し間違っています。そもそも、どのような住宅設備だとしても、一度購入すれば一生使える…というものではありませんので、いずれ故障して買い替えが必要になるのです。さらに、どういった設備でも、メーカーなどからメンテナンス頻度の目安や、耐用年数(寿命)などが公表されていますので、ある程度計画的に買い替えスパンを想定しておくべきものなのです。特に給湯器に関しては、家庭で使用するお湯を作ってくれる設備ですので、故障してしまうと非常に困ってしまうことになります。

したがって、ある程度の年月使用している給湯器であれば、事前に入れ替えの検討を始めておくのがオススメです。ガス給湯器もエコキュートも同じですが、年数が経過すると新商品に切り替わっていくため、メーカー側が保存している修理用の部品がどんどんなくなってしまいます。したがって、故障しても修理できない…となる可能性が高いため、エコキュートへの入れ替えタイミングに適していると言えます。

既存給湯器の保証が終了した時

既存給湯器が故障していない状態で、入れ替えを検討するのが本来オススメです。上述しているように、給湯器が故障してしまうと、お湯が出なくなってしまいますので、「早く新しいものを購入しなければ…」と焦ってしまいます。そのため、ご家庭に最適な給湯器選びを慎重に行うといった時間的余裕がなくなってしまいますので、間違った判断をして後悔してしまう…なんて結果になることがあるのです。

既存給湯器がまだ使用できるうちから入れ替えの検討をしておけば、自分にとって最適な給湯器はどれなのか、最もランニングコストが安くなる選択は何なのか…ということを慎重に検討することができます。したがって、既存給湯器の保証期間が過ぎたあたりから検討を始め、「調子が悪くなったな…」と感じた時点でエコキュートに入れ替えするというのがオススメのタイミングです。

リフォームする時

最後は、ご自宅のリフォームをする時です。リフォーム時には大規模な工事を行うことになるのですが、その時に合わせてエコキュートへの入れ替えをすれば、何度も業者と打ち合わせをする…なんて時間を削減することができます。
特に太陽光発電の導入時などであれば、エコキュートと連携させることで、より効率的に両システムを利用できるようになり、かなりメリットが大きくなります。手続き面が手軽になることや、他の設備との連携で光熱費削減を実現できるなど、リフォーム時にエコキュートへの入れ替えをするのはオススメです。

エコキュートへの入れ替えにかかる費用は?

それでは、他の給湯器からエコキュートへの入れ替えを検討した場合、どの程度の費用が掛かるのでしょうか?一般的には、小型で設置スペースの問題もなく、施工が容易なガス給湯器よりはエコキュートの導入の方が割高になります。基本的には、以下のような費用が掛かると考えておきましょう。

エコキュート本体の価格

まずは、エコキュート本体にかかる費用です。ガス給湯器など、他の給湯器と比較すると、エコキュート本体にかかる費用は高い…とされていたのですが、近年では相場が下落傾向にあり、手の出しやすい価格帯になっています。

ただし、エコキュートには給湯方式や貯湯タンクの大きさなど複数の種類が存在しています。例えば、『給湯専用』『オートタイプ』『フルオートタイプ』など、機能の違いによって本体価格がかなり変わってきます。給湯専用が最も手ごろで、オート⇒フルオートといった感じで機能と価格が高くなります。メーカー希望小売価格などでは100万円程度と記載されていますが、実際に販売店から購入する場合「15~45万円」程度が本体価格の相場です。
なお、冬場は極端に寒くなる寒冷地は『寒冷地仕様』、沿岸地域は『塩害仕様』などと、特殊なタイプを購入しなければならなくなるため、そういったご家庭は多少本体が高くなります。

エコキュートの設置費用

エコキュートへ入れ替えする場合、既存給湯器の撤去や新たにエコキュートの設置をする工事が必要になります。つまり、エコキュートへの入れ替え時には設置工事費用が必要になるのです。エコキュート激安革命もそうですが、多くの販売店では、上記の本体価格に『標準工事費』をプラスした価格で販売しています。この標準工事費の相場は、12~15万円程度なのですが、どのような作業が含まれているのかは業者によって変わります。したがって、業者と契約する前に標準工事費内で何をしてもらえるか確認しておきましょう。

標準工事費では収まらない作業に関しては『追加工事』と呼ばれる工事が必要になります。例えば、本体の設置場所からお風呂の距離が遠い場合や、軟弱地盤で設置のために特別な基礎工事が必要…といった場合にかかります。この辺りも、追加工事が必要なのか、必要ならいくらかかるのかはしっかり契約前に確認しましょう。

その他の費用

設置工事を依頼する業者によっては、上記以外にも費用が掛かる場合があります。例えば、エコキュート激安革命では標準工事に含まれている既存給湯器の処分費用が別途かかってきたり、電気の契約を販売店に代行してもらう時の代行費などです。見積書を貰った時に、不明な点がある…、全て一式にされてどのような作業が入っているのか分からない…などと言った場合、しっかりと契約前に確認しておきましょう。

なお、エコキュートには、必ず一定期間のメーカーによる保証がついています。しかし、無償保証の場合はあまり長期間の保証ではありませんので、長く保証してもらいたいと考えている方は、別途有償保証に加入することになります。有償保証に加入する場合は、その費用も掛かると考えておきましょう。

ちなみに、一般的なエコキュートの設置工事の流れは以下の記事で紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。

関連記事:エコキュートの導入や買い替えの際に必要になる設置工事の流れをご紹介!

エコキュートへの入れ替え前におさえておきたいこと?

それでは最後に、実際にエコキュートへ入れ替えする前におさえておきたいポイントをご紹介しておきましょう。エコキュートは、非常に給湯コストが安く使い勝手が良い給湯器とインターネットに情報が出回っているため、そのメリットを得ようと入れ替えを検討する方が多いです。しかし、このメリットを全員が得られるかというとそうでもないのです。
実際に入れ替えする前には、以下のポイントはチェックしておきましょう。

瞬間式の給湯器とは使い勝手が違う

既存の給湯器として瞬間式のガス給湯器を利用している方は、エコキュートに入れ替え後、かなり使い勝手が変わってしまいます。例えば、エコキュートは一日に使用するお湯を安い深夜帯の電気を使ってまとめて沸かし、それを貯湯タンクに貯めておくという貯湯式の給湯器です。お湯を使用する際には、タンクから供給されることになるため、貯めている以上のお湯を日中に使ってしまうと、お湯切れが発生してしまうのです。お湯切れが起こると、お湯を沸かし直さなければならないのですが、ガス給湯器とは異なり、再度お湯が使えるようになるまでにしばらくの時間を要します。また、日中の沸き増しは電気代が割高になってしまうので、給湯コストも高くなってしまうというデメリットが存在します。

つまり、家族構成やライフスタイルから、一日の使用湯量をしっかりと把握したうえでタンクサイズを選ばなければ、逆に使い勝手の悪い給湯器になってしまう訳です。インターネットやメーカーなどでは、家族構成から推奨タンクサイズを紹介していますが、ご家庭ごとにライフスタイルが違うということもしっかりと頭に入れて検討しましょう。

給湯コストが本当に下がるのか?

エコキュートへの入れ替えを検討する方のほとんどは「エコキュートは他の給湯器よりも給湯コストが安い!」という情報からだと思います。確かに、エコキュートは、電力会社がオール電化用に作っている料金プランを上手に活用することで、他の給湯システムよりもかなり給湯コストが削減できるというのは事実です。

しかし、場合によっては、エコキュートの給湯コスト削減効果がそこまで得られないという人もいるのです。例えば、一人暮らしや高齢者の二人暮らしなど、普段の生活であまりお湯を使用しない…というご家庭であれば、多少の給湯コスト削減は可能になるのですが、導入にかかるコストの高さで、結果的に得にならない…という場合もあるのです。他には、二世帯住宅などで日中も電気を良く使用するというご家庭であれば、夜間電力が安くなるかわりに日中の電気代が高くなるプランの影響で、全体的に見ると光熱費が高くなってしまう…なんて場合もあるのです。
つまり、エコキュートへの入れ替えを検討した場合には、ご家庭で使用した場合、本当にランニングコスト削減ができるのかをきちんとシミュレーションしておかなければいけないでしょう。

設置スペースの問題

エコキュートの弱点として良く紹介されるのは、設置スペースとしてそれなりに広い場所が必要になるということです。ガス給湯器は、壁掛け設置が可能なほど小型化が進んでいますが、エコキュートはヒートポンプと貯湯タンクを設置しなければならないため、設置のための要件が意外と厳しいのです。また、タンクは常に水が貯まっている状態となるため、非常に重量のある設備となります。そのため、地震などがあった際でも、転倒しないように頑丈な地盤である必要があるのです。

こういった設置場所に関する要件で、エコキュートを導入したくても難しい…なんて場合がありますので、事前に業者さんと設置場所の相談をしておきましょう。

騒音問題

エコキュートは、設置後に近隣住民と騒音トラブルを抱えてしまった…という事例が存在します。ただし、エコキュートが稼働する際に大きな音を発するというわけではありませんので、安心してください。

別記事で詳しく紹介していますが、エコキュートはヒートポンプによる振動で低周波音を発するのです。通常、人間の耳には聞こえない音なのですが、敏感な方の中には低周波音が聞こえる人がおり、そういった人は深夜にエコキュートが稼働することで睡眠障害を引き起こしてしまう…なんてことがあるのです。したがって、エコキュートの設置予定場所が隣家と近いなどと言った場合、設置業者に騒音対策をしっかりとしてもらうようにしましょう。

関連記事:エコキュートの騒音トラブルを防ぐ騒音対策 裁判事例も?

まとめ

今回は、エコキュートの入れ替えについて、最適と言える入れ替えタイミングや入替費用、実際に入れ替えを検討した場合に考えておきたい注意点をご紹介してきました。エコキュートは、他の給湯システムと比較して、非常に給湯コストが安いということが注目され、年々その人気が高くなっています。特に、オール電化住宅が増えてきた現在では、給湯器のファーストチョイスがエコキュートになるというご家庭も少なく無いのです。

しかし、日本国内にはまだまだガス給湯器や石油給湯器を利用しているご家庭も少なく無いですので、今後もエコキュートへの入れ替えで頭を悩ませてしまう人は多くなることでしょう。まず覚えておいてほしいのは、給湯器の入れ替えは、「壊れてから考える」ものではなく、既存給湯器が問題なく使えているうちに入れ替えの検討を済ませておくのがオススメということです。給湯器が故障してしまうと、お湯が使えなくなってしまいますので、慎重にご自身に最適な給湯器を探す余裕がなくなってしまい、結局購入後に後悔してしまう…なんてことになりかねませんよ!