ガスコンロからIHクッキングヒーターへの入れ替え!おさえておきたいIHの注意点について

今回は、ガスコンロを利用している方で、IHクッキングヒーターへの入れ替えをご検討中の方のため、初めてIHクッキングヒーターを利用する方がおさえておきたい注意点をご紹介していきます。

オール電化住宅の人気が高くなっている近年では、新築時にIHクッキングヒーターを選択するということも増えています。特に、新しめのマンションなどであれば、IHクッキングヒーターが標準装備になっていることが普通で、若い人であれば、ガスコンロよりも使い慣れているという方も多くなっているのです。
さらに、もともとガス給湯器を利用していた方が電気でお湯を沸かすエコキュートへの入れ替えを検討した際には、ついでにガスコンロからIHクッキングヒーターにするという方も多くなっています。実際に、エコキュート激安革命にお問い合わせいただくお客様の中には、エコキュートとIHクッキングヒーターをセットにしたタイプを選択する方も多いのです。

このIHクッキングヒーターは、調理の際に直接火を使わないコンロになるため、小さなお子様がいる家庭や高齢者の方でも「安心して使える!」ということがメリットとして説明されています。確かに、火を使わなくなりますので、住宅火災のリスクが低くなるのは間違いないと思います。しかし、今までIHクッキングヒーターを使った事が無い人であれば、間違った使い方をしてしまい、思わぬ怪我や火災を引き起こしてしまうこともあるのです。

そこで今回は、一般の方にはあまり知られていない、IHクッキングヒーター使用時の注意点やどういった事故が考えられるのかをご紹介します。

IH利用時に実際に会った事故事例について

まずは、実際にあったIHクッキングヒーター利用時の事故事例をいくつかご紹介しておきます。調理の際に火を使わない設備となりますので、どんな使い方をしても住宅火災のリスクなどはないと考えている方も多いです。しかし、利用方法を間違ってしまうと、思わぬ事故や火災を引き起こしてしまうことがあるのです。
以下に、過去に発生したことがあるIHクッキングヒーター利用時の事故事例をご紹介しておきますので、頭に入れておきましょう。

  • 事故事例① 利用者が火傷
    IHクッキングヒーター利用後に、誤ってトッププレートに触れてしまい、火傷をしたという事故はよく発生します。
  • 事故事例② 調理器具の落下で怪我
    IHクッキングヒーターで調理中、トッププレートの上に置いてあった鍋が突然横滑りして落下…熱い物が入った鍋が人にかかり怪我をしてしまった…という事例です。
  • 事故事例③ 調理中に発火
    IHクッキングヒーターで揚げ物を行う際、IHクッキングヒーターの下に汚れ防止マットを置き、油の加熱中にその場を離れた。油が発火し火災に至った。
  • 事故事例④ 調理中に発火事例2
    鍋の外側をプラスチックで覆ったタイプの調理器具をIHクッキングヒーターで加熱したところ、発火した。

このように、「誰でも安全に利用できる」ということがメリットとして紹介されることが多いIHクッキングヒーターでも、使い方を間違ってしまうと、住宅火災の原因になってしまうこともあるのです。

IHクッキングヒーターは利用可能な器具が決まっている!

最近ではIHクッキングヒーターを利用したことがある人も増えていますので、この部分を知らなかった…という理由で何らかの問題が起こることは少ないかもしれません。しかし、長年ガスコンロを利用していて、リフォームなどで初めてIHクッキングヒーターを使うという方もまだいるかと思いますので、基本的な部分も簡単にご紹介しておきます。

そもそも、火が出ないIHクッキングヒーターが「どうやって加熱しているのか?」ということを疑問に思った事がある人も多いと思います。実はIHクッキングヒーターは、以下のような仕組みで加熱するものなのです。

  1. IHクッキングヒーター内部に渦巻き状のコイルが入っています。そこに電流が流れると、コイル周辺に磁力線が発生します。
  2. ①の状態のとき、トッププレートと鍋底が接触している場合、磁力線が鍋の内部を通り、この時に鍋底にうず電流が発生します。
  3. 発生したうず電流が鍋を通る際、電気抵抗によって熱が発生し、この熱を使って加熱する。

IHクッキングヒーターの仕組みを簡単にご紹介すると、上記のような流れになっているのです。つまり、IHクッキングヒーターは、加熱できる調理器具が決まっているのです。

IHクッキングヒーターで利用可能な器具とは?

それでは、IHクッキングヒーターで利用可能な調理器具とはどのようなタイプなのでしょうか?答えは非常に簡単で「IH用」と記載されているものであれば問題ありません。IH用の鍋やフライパンというのは、鉄やホーロー、ステンレスなど、電気抵抗によって十分に発熱することができる素材となっています。

ちなみに、IHクッキングヒーターに利用できない調理器具の特徴は、以下のようなタイプです。

  • 底面の形状が平らでない調理器具
  • アルミや銅など、電気抵抗が低く、加熱しづらい調理器具(※オールメタル対応型のIHクッキングヒーターなら使用可能です)
  • 土鍋、ガラス、陶磁器など、素材が金属でない調理器具
  • 外側にプラスチックなど、可燃性の非金属素材で覆っている調理器具

上記のようなタイプは、IHクッキングヒーターで利用することができません。したがって、ガスコンロからIHクッキングヒーターに入れ替えする場合には、鍋やフライパンなどの調理器具も買い替えする必要があります。

IH利用時の注意点について

それではここからは、初めてIHクッキングヒーターを利用する方がおさえておきたい注意点についてご紹介していきましょう。ここまでの説明で分かるように、「誰でも安全に利用できる!」と考えられているIHクッキングヒーターですが、意外に危険なポイントも多いのです。

トッププレートは高温で火傷の危険がある

IHクッキングヒーターは、ガスコンロのように火を使いませんので、加熱中でも見た目には高温になっているように見えないのです。しかし、使用直後のトッププレートなどは、数百度の高温になっている場合もあるなど、触れてしまうと簡単に火傷してしまうことになるのです。使用後は、触っても何の問題もなさそうに見えますが、触れても火傷をしない温度まで冷えるには、スイッチを切ってから数分からそれ以上の時間が必要です。
こういった、火傷などの事故を防ぐため「高温注意ランプ」が点灯して、危険度を知らせてくれます。このランプが点灯中の場合は、絶対に触れないようにしましょう。

揚げ物時の火災リスクについて

IHクッキングヒーターは、ガスコンロよりも熱効率が良く、加熱が容易という特徴を持っています。鍋ややかんでお湯を沸かす場合には、素早く鍋の温度を高温にまで上げられるのでとても便利です。
しかし、温度センサーなどに不具合が出ている場合には、油が自然発火してしまう温度まで素早く上昇させてしまう…という恐ろしさがあるのです。IHクッキングヒーターは、早ければ5分程度で油の温度を380℃以上まで加熱し、自然発火してしまう危険があるのです。
近年のIHクッキングヒーターは、こういった油の加熱のし過ぎを防ぐため、『揚げ物専用ボタン』などが用意されています。したがって、IHクッキングヒーターで揚げ物をする場合には、用意された機能を必ず使うようにしましょう。

トッププレートは滑りやすい

IHクッキングヒーターは、平らなトッププレートの上に鍋を置き加熱するものです。ガスコンロであれば、五徳と呼ばれる器具がついているのですが、IHにはそういったものはなく、平らでお手入れが楽になるというのがメリットなのです。
しかし、IHクッキングヒーターの平らなトッププレートは、鍋などが非常に滑りやすいというデメリットがあるのです。特に、底が濡れている場合、簡単に滑ってしまいますので、調理中に鍋が滑り落ちて怪我をしてしまう…という事故が考えられるのです。

鍋底の汚れによる危険

鍋底にゴミや汚れなどの異物が付着している場合、トッププレートと鍋底が直接接触できなくなる可能性があります。こういった場合には、鍋底の温度が正確に検知できなくなってしまう危険があり、IHコンロの異常加熱が起こってしまう可能性があるのです。
したがって、異常な高温による発火や、異物自体が発火原因になるなど、住宅火災を引き起こしてしまう危険があります。

汚れ防止カバー・マットはNG

調理後にその都度掃除することが面倒に思い、汚れ防止カバー・マットを利用する方も多いですね。

しかし、IHクッキングヒーターの場合、トッププレートと鍋が直接接触しなくなるため、ヒーター側が正確な温度を検知できず、異常加熱をおこしてしまう危険があるのです。実際に、上で紹介したように、汚れ防止マットの使用による住宅火災の事例があるのです。なお、IHクッキングヒーターの取り扱い説明書などには、「汚れ防止カバーは使用不可」と記載されていることがほどんどですので、利用しないでください。
IHクッキングヒーターは、表面が平らになっていますので、調理後にサッと拭くだけで掃除が終わります。

調理中に出る磁力線に注意

筆者は直接経験したことが無いのですが、IHクッキングヒーターの近くにお財布を置いて調理した際、IHから出る磁力線によってクレジットカードやキャッシュカードが使えなくなった…などと言う報告もあるそうです。
IHクッキングヒーターを使う時には、近くに磁力線の影響を受ける物がないか、ちゃんと確認しておきましょう。

まとめ

今回は、初めてIHクッキングヒーターを利用する方がおさえておきたい、利用時の注意点をご紹介してきました。火を使わずに加熱することができるIHクッキングヒーターは、誰にとっても非常に安全に使用できる設備ということで、年々その人気が高くなっています。IHクッキングヒーターが登場したばかりのころは、火力の弱さが問題視されることもあったのですが、本来、熱効率はIHクッキングヒーターの方が優れているため、新しいIHクッキングヒーターであれば、調理中に火力の面で不満を感じるようなこともなくなっています。

しかし、『安全』『安心』がセールスポイントとなるIHクッキングヒーターなのですが、使い方を少し間違ってしまうと、意外に危険なポイントも多いのです。そもそも、数百度以上に加熱することができる設備ですので、火が出ないからと言って、人間に全く悪影響を与えない設備になるわけがないのです。
現在、ガスコンロからIHクッキングヒーターへの入れ替えをご検討中の方でも、この設備の安全性に過度な期待を持つのではなく、きちんと正しい使い方ができるようしましょう。そうしなければ、思わぬ事故や怪我に見舞われてしまう危険があります。なお、この記事では、IHクッキングヒーターの危険性を正しく伝えるため、ネガティブな情報になっていますが、直火を使い加熱するガスコンロよりは安全性が高いのは間違いないですよ。IHクッキングヒーターの危険性は、基本的に利用者の不注意や勘違いが原因ですので、この記事でご紹介した内容をしっかりと頭に入れておけば、安全な設備として利用できると思います。

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エコキュート激安革命

関西エリアで、住宅設備電気工事を25年以上にわたり行っている専門業者。年間1,000件以上のエコキュート工事・交換の実績あり。電気工事士2種、給水装置工事主任技術者、ガス簡易内管施工士の資格を有し「エコキュート激安革命」というプロフェッショナル企業として、常に技術と知識をアップデートしています。

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