卒FITを迎えたら!エコキュートを昼間に運転させるのがお得になる!?

2018年頃より一般住宅で注目されているのが、家庭に導入されている太陽光発電システムについて、高額な価格で発電した電気を買ってもらうことができる『固定価格買取制度(FIT)』が終了してしまうことです。この固定価格買取制度の終了は、2019年下旬から登場し始め、2019年度は53万家庭にもなると言われているのです。FITとは、再生可能エネルギーを普及促進するために設けられた制度で、一般住宅に取り付けられた太陽光発電が作った電気を電力会社に一定価格で購入してもらえることを保証したものです。このFIT制度は、太陽光発電の設置から10年間は高額な売電価格を保証しているものなのですが、2019年秋ごろから、ちょうど10年を迎えるご家庭が登場することで『2019年問題』などと言われています。

それでは、FIT制度の終了がなぜここまで問題視されているのでしょうか?実は、FITが期間満了で終了してしまうご家庭(卒FIT)では、売電価格が急落してしまうのです。例えば、この制度がスタートした直後に太陽光発電を設置したご家庭では、1kWh当たり43円程度という非常に高額な売電価格が保証されていたのですが、期間満了を迎えて卒FITになってしまうと「8円/kWh(大手電力会社平均)」程度にまで売電価格が下落してしまうのです。この売電価格は、電力会社から電気を購入する買電価格よりも圧倒的に安い価格に設定されており、卒FITを迎えたご家庭では、売電収入を目的とするのではなく、発電した電気を自家消費したほうがお得になると言われているのです。

このような状況の中、来るべき卒FITに向けて家庭の電気利用を真剣に考える人が多くなっています。ご家庭で効率的に電気の自家消費を目指すためには、家庭用蓄電池の導入や、エコキュートを昼間に運転させることが有効と言われています。そこで今回は、「安い深夜電力を利用して給湯コスト削減を目指す!」ことがメリットと言われるエコキュートで、卒FITを迎えたら昼間に運転させるのがお得と言われる理由をご紹介します。

卒FITになるとなぜ昼間運転がお得なのか?

エコキュートは、電気を利用してお湯を沸かす給湯システムとして年々その人気が高くなっています。日本国内では、設置に広いスペースを必要としないガス給湯器が広く普及していたのですが、エコキュートは環境負荷が少ない、給湯コストを大幅に削減できるなどと言ったメリットが好まれ、他の給湯器からエコキュートに入れ替える方が増加しているのです。このエコキュートの給湯コスト削減効果は、ヒートポンプユニットと貯湯タンクが一体となったシステム構成から得られるもので、エコキュートは電気代が格安になる深夜帯にお湯を沸かし、それを貯め置きできることでランニングコストを抑えることができるのです。
こう聞くと、『エコキュートの昼間運転』など、そもそものエコキュートのメリットを打ち消してしまうものと考えられますので、とてもお得になるとは思えませんよね。しかし、卒FITを迎えたご家庭であれば、太陽光発電とエコキュートを組み合わせることで、大きな電気代削減効果を得ることができるようになるのです。その理由を以下で見ていきましょう。

ポイント① 余剰電力を有効活用できる

近年、太陽光発電設備を導入しているご家庭が非常に多いです。太陽光発電は、太陽光エネルギーを電力に変換できる住宅設備で、家庭で使用する電気を自家発電できるようになり、電気代を大幅に削減できるのがメリットです。しかし、太陽光発電を設置しているご家庭の多くは、自宅で発電した電気を全て自分で使い切るようなことはできません。そこで、余った余剰電力をは固定価格買取制度を利用して売電収入を得るというのが通常の使い方となっているのです。要は、自宅で使う電気を自家発電で賄い電気代を削減できるうえに、売電収入まで得られるというのが太陽光発電の最大のメリットです。

しかし、FITが期間満了を迎え卒FITになってしまうと、今までのような高額な売電価格ではなく、8円程度にまで一気に急落してしまうのです。一般的な大手電力会社から電気を購入する価格は24~26円程度となっていますし、電力会社から買電する価格よりも圧倒的に安い価格にまで下落してしまう訳です。つまり、いくら余剰電力を売電したとしても、買電価格との格差で、今までのようなメリットを得るようなことができないのです。

したがって、今まで売電収入を得るために使っていた余剰電力を自家消費に回すという考えが非常に有効だと言われています。例えば、余剰電力を使ってエコキュートを運転することを考えた場合、売電分の収入はなくなってしまいますが、電力会社から購入した電気を使ってお湯を沸かすと考えたら、余剰電力でお湯を沸かした方が絶対にお得です。

ポイント② 夜間電力より売電価格が安い

エコキュートを導入しているご家庭では、深夜帯の電力が格安になっているプランに切り替えていることが多いでしょう。例えば、『関西電力の『はぴeタイムR』は本当にお得なの?』の記事内でもご紹介しているように、昼間のピーク時の電気代が25.86円なのに対し、深夜帯では14.93円まで電気料金が安くなるようなプランが用意されているのです。エコキュートは、こういった電気料金プランを上手に利用して給湯コストを抑えることができるのが大きなメリットになるのです。

しかし、上述しているように、卒FITを迎えたご家庭では売電価格が8円程度にまで下落してしまいます。つまり、格安と言われる深夜帯の買電価格ですら売電価格を大きく上回る水準となりますので、余剰電力を売電に回すのではなく、その電気を利用してお湯を沸かした方が得になるわけです。さらに、昼間にエコキュートを運転させるようにすることで、深夜電力プランを利用しなくても良くなるでしょう。深夜電力プランは、夜間の電気代を安くする一方で、昼間の電気代は高く設定されています。つまり、一般家庭が最も多く電気を使う時間帯の電気代も下げることができるようになるなど、エコキュートの昼間運転はかなり選択肢を増やすことができるのです。

関連記事:関西電力の『はぴeタイムR』は本当にお得なの?

ポイント③ エネルギーロスを少なくできる

通常のエコキュート利用は、安い深夜帯の電気を利用して、日中に使う分のお湯をまとめて沸かすこととなります。しかし、このような利用方法の場合、お湯を使うまでの間にタンク内でお湯の温度が低下してしまうのです。エコキュートの貯湯タンクは、魔法瓶をイメージしていただければわかりやすいように、ある程度温度を保つことはできるのですが、徐々に放熱して温度低下を招くのです。一般家庭であれば、夕方から夜にかけて多くのお湯を使うこととなるのですが、『深夜にお湯を沸かす』と『昼間にお湯を沸かす』ということでは、その時間差で昼間にお湯を沸かした方がエネルギーロスを少なくできるのです。

また、エコキュートは、ヒートポンプ技術を利用しています。これは空気中にある熱を効率よく利用してお湯を作る機構なのですが、当然気温の低い夜間よりも外気温が高い昼間の方が効率が良くなります。実際に、エコキュートの昼間運転は、夜間運転と比較して平均で11%程度の省エネ効果があるという実験結果もあるそうです。

エコキュートの昼間運転に役立つ機能

ここまでは、卒FITを迎えたご家庭で、エコキュートの昼間運転がお得だという情報をご紹介してきました。実は、エコキュートの開発を行っているメーカーなどでは、より効率的にエコキュートが利用できるよう、さまざまな機能をつけるようになっています。その中でも、卒FITを迎えたご家庭で、エコキュートを効率的に昼間運転できるようにする機能などもありますので、現在エコキュートの買い替えなどをお考えの方は、こういった機能がある物を選ぶのもオススメです。
以下でいくつかのオススメ機能をご紹介しておきます。

パナソニック 「ソーラーチャージ機能」

パナソニックの『ソーラーチャージ機能』は、太陽光発電の余剰電力を自家消費できる機能となっています。この機能を使えば、夜間の湧き上げ量を減らして、翌日の昼間に分散して湧き上げるなどが可能となります。

参考:パナソニック公式サイト

三菱電機 「お天気リンクAI」

三菱電機のエコキュートには『お天気リンクAI』という機能があります。この機能は、翌日が晴れの予報なら、翌日の日中に太陽光発電でお湯を沸かし、雨ならお湯を晩のうちに自動で沸かすという非常に高機能なAIとなっています。なお、この機能を利用するためには、三菱HEMSおよび別売部品のGT-HEM3が必要となります。

参考:三菱電機公式サイト

コロナ 「ソーラーモード」

コロナの『ソーラーモード』は、明日・明後日の天気予報を確認し、晴れ予報の時間帯にソーラーモードをONにしておくことで、夜間にお湯をつくる量をセーブして、翌日の昼間に太陽光で発電した電力を使い、設定量までお湯をつくる機能となっています。また、好天が続く夏季などであれば、ソーラーモードを1週間継続することも可能です。1週間経過後は、自動的に通常運転モードに戻ります。

参考:コロナプレスリリースより

まとめ

今回は、卒FITを迎えるご家庭に向けて、余剰電力を利用したエコキュートの昼間運転のメリットをご紹介しました。冒頭でご紹介したように、エコキュートというのは、格安な深夜帯の電力を利用することで大きな給湯コスト削減効果を得られると言われるものです。しかし、卒FITを迎えたご家庭であれば、昼間に自家発電してできる余剰電力を利用すればより効率的にエコキュートの利用ができるようになるのです。

2019年問題などと言われるように、固定価格買取制度の終了は、太陽光発電を導入しているご家庭の大きなデメリットとして捉えられています。しかし、家庭内にある住宅設備を上手に使うことで今まではできなかった電気代削減方法が利用できるようになるなど、何もデメリットばかりではないのです。今後の日本では、卒FITを迎えるご家庭が毎年何十万件も出ると言われていますすので、この記事を読んでいる方の中にも、卒FIT後の電力利用方法に頭を悩ませている…という方も多いことでしょう。もしそういった方で、まだエコキュートの導入をしていない…というのであれば、エコキュートを導入して余剰電力を有効利用できる体制を作るのがオススメです。下落した売電価格で収入を期待するのではなく、電力を自家消費する体制を作ることで、売電収入以上の電気代削減効果を期待することもできるはずですよ!